美貌のひと2☆時空を超えて輝く
今月これで3回目。
すっかりお気に入りの「スーパーマーケット成城石井」の『成城石井自家製ピスタチオプリン カスタードソースがけ』。
成城石井のオフィシャルサイトによると、あの「ピスタチオスプレッド」が人気を博したことから自家製デザートでもふんだんにピスタチオを味わえるスイーツを!と開発に繋がったそう。
優しい甘さのピスタチオプリンの上に、さらにピスタチオペースト入りの濃厚な甘さのカスタードソースを重ねたストラクチャー。
プリンの生地が固まる限界までピスタチオペーストの分量を増やすところに一番こだわったのだそう。
トッピングされているのは、看板商品「プレミアムチーズケーキ」にも使われているシュトロイゼルで、ホロホロ食感がアクセント。
そんなピスタチオプリンを食べながら読み終えたばかりの1冊が『美貌のひと 2 時空を超えて輝く』(中野京子・著/ PHP新書)。
以前読んだ第1弾が面白かったので、今回第2弾も読んでみました。
本書について表紙内にある内容紹介を引用しますと、
実在した絶世の美女やおとぎ話の姫、殺人現場に立つ妖艶な女性。
寵愛を受けた王を退位に追い込む「傾城の美女」や結ばれぬ恋。
異様な自己耽溺を見せるナルシス、男性版ファム・ファタール(運命の女)。
一枚の絵のなかに切り取られた一瞬には、罪や裏切りをも孕んだドラマチックな生が凝縮されている。
圧倒的な美は善悪を軽々と超え、人々を魅了する。
誰もがうらやむ美貌は、時として災いや呪いとなるのかもしれない。
有名作品から知られざる一枚まで、時空を超えて輝く男女の美と生き様を40点以上のカラー作品で読み解く。
まず第1弾は有名作品が多かったのに対して、本作は私は知らない作品=知らない美女が多く新鮮でした。
美人薄命と言われるけれど、本書に紹介されている美女の中には長生きした人も。
人生の長短に関わらず、どの美女たちもその人生はドラマチックでスキャンダラス。
あざとく、しぶとく、図々しく、散々人の人生を引っ掻き回しながらも己の欲求は満たし、天寿を全うできてしまった人もいて、ある意味の逞しさに恐れ入りました。。
本書の中で、特に印象に残った人物を一人あげるとしたら、
19世紀に活躍した女性ピアニストで、作曲家ロベルト・シューマンの妻「クララ・シューマン」。
ヨーロッパ共通通貨「ユーロ」に統合される前の、最後の100マルク紙幣(ドイツ)に肖像が使われていたほどの有名人だとは恥ずかしながら知りませんでした。
父親がピアノ教師でマネージャーで、まさに少女版モーツァルトとしてスタートした彼女の演奏家デビューは、9歳。
ステージパパよって大事に磨き育てられた彼女は、17歳の時に9歳年上のロベルト・シューマンと恋に落ちる。
パパの怒りは凄まじく、シューマンを誹謗中傷しまくり裁判沙汰に。
(パパ、それは言い過ぎだ)←カッコ内は個人的な呟きです
なんとか二人は結婚できたものの、実際二人の生活が始まるとパパが言っていたことは当たらずしも遠からずな、シューマンに作曲の才能はあったものの演奏家、指揮者、教師としてはいずれも上手くいかず、経済的にはクララに依存。
社交性もないからクララのマネージャーも務まらず。
(案外親が言うことは後々当たっていることが多い思う。やはり人生の先輩だ…)
え、、シューマンってかなり有名だけど、そんな人だったの?!と驚くと同時に、今でこそ高く評価されるシューマンは、それはクララがコンサートで繰り返し紹介したことも大きいそう。
何よりステージで演奏することが生甲斐、歓びだったクララは夫と子供を家に残してヨーロッパ中を飛び回る。
クララの成功の裏で、逆にどんどんシューマンの精神は崩壊し、精神病院で46歳で亡くなりました。
美女の人生はそのままで静かには終わらない。
クララは14歳年下のブラームスと出逢い、二人の才能は響きあい、最終的に結婚はしなかったものの死ぬまで二人の親密な関係は続きました。
(ひとまわり以上年下男子と…すごいなクララ。やはり美しく才能ある女性は年齢なんて関係ないのか。。)
え、あんなヒゲモジャのオッサンと…と思ったけれど、、本書で知った若き日のブラームスはなかなかのイケメン。
そんなブラームスはクララに対し、姫を守る騎士のような気高さだったとか♡
クララが76歳で病疫した翌年、ブラームスも後を追うように亡くなりました。
美しい人たちの人生は、やはりドラマ以上にドラマを感じた「美貌のひと2 時空を超えて輝く」で、そんな彼女、彼らの人生を知ると、いつか実際にその名画を目にした時に感じるものはたくさんありそうです。
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パリの1枚。
見える人にだけ見える?的に、かすかに写った虹。
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