
守銭奴☆ザ・マネー・クレイジー
夫「帰国したらすぐモリエールのお芝居だから。明日池袋に遅刻しないようにね」
K「え、いつの間にそんな予定が?でも、ついにモリエールデビューってこと!?」
K「フランス人ならモリエールぐらい一般教養として知ってて当然ですからねぇ」
夫「俺達はフランス人ではない」
K「またまた~。なんだかんだ久しぶりのパリを満喫してたじゃん。もうすっかり気持ちはパリジャンでしょ」
夫「そんなことは全くない!」
(実際エンジョイ中の1枚↓)
パリ生活中はジビエを食し、フランスワイン三昧、フランス語で小説を読み、TVも100%現地放送しか見ないし、私以上にパリ好き?so French な人だと思うけど本人全面否定。
そんな夫と共に帰国早々出かけたのは、池袋にある「東京芸術劇場」 (プレイハウス)。
モリエール(Molière)(本名Jean-Baptiste Poquelin ジャン=バティスト・ポクラン)は、17世紀フランス王国ブルボン朝時代の劇作家、俳優でフランス三⼤劇作家の一人。
今年2022年は、モリエール生誕から400年のアニバーサリーイヤーということもあり、フランスはじめ日本でもイベントが盛り沢山(でした)。
超古典、大御所劇作家としてイングランドがシェイクスピアならフランスはモリエールという感じ?!
パリで観劇したいものの、私の語学力ではそれは不可能。
傑作版と思しきものが時々テレビで放映されるので、何度かトライしたこともあったのですが、早口な上にセリフにセリフをかぶせるような、お芝居ならでは丁々発止なやり取りは一行も着いて行けず。
そんなモリエール芝居、中でも今回はその代表作『守銭奴』( L'Avare)を日本語で観劇。
ざっくりなストーリーを公式サイトより引用。
ドケチなアルパゴンは、召使をはじめ、息子と娘にまで極度の倹約を強要し、家族の我慢も限界に達している。
そんなある日、アルパゴンは再婚したいと申し出る。
その相手は、実の息子が恋した相手だった!
けちんぼ親父とその息子と娘、それぞれの恋人たちとの七転八倒やり取りの際中で、思いがけない秘密が明らかになる。
というお話なのですが、とにかく笑いの軸は、あらゆるシーンでドケチぶりを見せる主人公アルパゴンの人となり。
それを演じたのが、佐々木蔵之介さん!
金銭感覚、お金の価値観は人それぞれ。
お金に限らず、カタチあるものへの執着は十人十色。それが自分と異なると理解は難しく、批難もしたくなるけれど、アルパゴンのように周りになんと言われようが、思われようが、どこまでもお金に執着し、お金が全て!と割り切れるのはある意味アッパレで、それによって自分の心の平穏を保ち、幸せでいられるなら、揶揄も込めてアルパゴンは幸せな男にも思えました。
お金がどのくらいあったら幸せ?安心?
身の丈に合った持ち方とは?
自分にとって幸せな使い方とは?
そんなお金のとのつきあい方はじめ、自分がこれから生きていく上で大切にすることとは?等々を考えさせてくれた作品、私にとって初モリエールでした。
機会があれば今後も観たいSooo French(!)なモリエールのお芝居です。
パリの1枚。
すっかりもぬけの殻の様子、マドレーヌ広場にあったフランスの老舗高級食料品店「FAUCHON 」(フォション)跡。
ニュースで再建型破産手続きを商事裁判所に申請したこと、マドレーヌ店の閉店は知っていたものの目の当たりにして寂しさ実感…。
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