
レディ マクベス☆
☆東京ブログ☆
度々書いてますが、シェイクスピア作品が好きです。
中でも「マクベス」!
観劇が趣味になったのは、友人が劇団員だったこともあるけれど、何より初めて「マクベス」を観た際に、自分では自覚していなかった心の奥深くにある、ある部分、ある感情を揺さぶられたから。
観るほどに、知るほどに、マクベス夫人には興味をそそられ、その気持ちわかります…からの感情移入。
(家じゃすっかり悪妻マクベス夫人・ケーコ呼ばわり。。ひど!)
本作は、シェイクスピアの「マクベス」に登場する悪名高いマクベス夫人を題材に、英国気鋭の作家ジュード・クリスチャンと、演出家ウィル・タケットによる新作舞台。
という訳で、東京公演会場の「よみうり大手町ホール」へ。
そのストーリーは、(tsp:トータルステージプロデュース公式サイトより)
争が続いているとある国。
レイディマクベスは元軍人であり、自ら戦場に赴く兵士だった。
マクベスとは、ともに国を守るために闘う同志として知り合い、恋に落ち、娘を授かります。
しかし彼女は産後、戦場へ戻れなくなり、母として、家庭を守ることに専念しています。
彼女はそんな現状に満足できないまま人生を歩んでいます。
戦いは相変わらず終わりを迎える様子もなく、夫マクベスは戦場で次々と勝利を収め、国を導く存在となります。
彼女は常に忘れられない若き日に描いた夢があります。
それは「夫と共に国を治める」ということ。
そんな時、統治者ダンカンが血縁者以外から後継者を選ぶと宣言します。
彼女の脳裏に忘れずに在った夢であり、夫婦の野望、そしてその夢が今、まさに手に入りそうになった時、二人は望むものを手に入れることができるのか・・。
主演、レイディマクベス役を天海祐希さん。
夫マクベスをミュージカル「Singin’in the Rain 〜雨に唄えば」でも知られるアダム・クーパーさん。
レイディが戦場に出れなくなった要因、夫婦の間に生まれた娘役を吉川愛さん。
統治者と血縁関係にあって、常に特権で育ったマクダフ役に鈴木保奈美さん。
幼少期からのレイディを知る彼女の幼馴染であり野心家のバンコー役に要 潤さん。
マクベスとレイディマクベスと共に戦場で戦い、二人を「師」として仰ぐレノックス役に宮下今日子さん。
国の統治者ダンカン役に栗原英雄さん。
シェイクスピア作品とは別物なストーリーなので、シェイクスピアのマクベスを知らずとも楽しめるお話ではありましたが、登場人物などシェイクスピア作品を知っていた方がより理解は深いかなと。
(画像:tsp公式サイトより)
そんな本作の感想を一言で言うなら、難しかった…。なんて表現では稚拙過ぎて情けないのですが。
出演者7名の、それぞれの立場での思惑、エゴ、どう自分をポジションニングできるかと思考する様がエグい。
そして難しく長い、とにかく長い(!)なセリフを滔々と語るマクベス夫人(天海祐希)に、日頃からボヤボヤしがちな私はムチ打たれた気もしました。
ずっと夫より野心家で、現代で考えるならおもいきりバリキャリ。
バリバリに仕事ができ、頭キレキレな女性なのだけれど、出産をきっかけに自分のキャリア路線が変わってしまった悔しさ、もどかしさ、苛立ち、不安、そして葛藤する姿は、現代の女性が感じる様々な問題と重なるようでしたし、また前半部分で長く語られる戦地の様子が今世界で起こっている紛争とも重なり、聴いていてちょっと辛くなりました。
他にも環境問題だったり、労働問題など、いくつも現代社会が抱える問題につながるテーマを感じたり。
なので鑑賞中、終始私の眉間には皺が寄っていたかも?!ですが、フワッと和んだのは、視覚的に印象的だったのは、天海祐希さんとアダム・クーパーによる華麗なコンテポラリーなダンス。
とても美しかった!!
こうしてまた私の中では新たなマクベス夫人の人間像が広がった『レディマクベス』、これからも続けたい「マクベス」観劇です。
さて鑑賞後。
いつもは気にしていなかった公演スケジュールですが、関西旅行をきっかけに気になる関西エリア。
関西でやるかな?どこで?いつから?とチェック。
本作の京都公演は、11月16日から京都劇場で☆
*****おまけのパリ*****
しつこく撮ってしまうハロウィン。
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