Comme d'habitude 〜パリ・東京行ったり来たりblog〜

四代目中村鴈治郎襲名披露

四月大歌舞伎・四代目中村鴈治郎襲名披露「夜の部」を観に歌舞伎座へ行ってきました。

今回は中村翫雀改め四代目中村鴈治郎襲名披露ということで、一言で言うならとても

華やかで春らしい公演でした☆★

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歌舞伎初心者の私は、中村鴈治郎さんの家系図や屋号なども事前に理解していなかった

のですが、お父様が坂田藤十郎さん、お母様が扇千景さんと知りました...。

鴈治郎さん、お父様にそっくり...!

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「夜の部」では4つの演目を上演。

最初の「梶原平三誉石切」(かじわらへいぞうほまれのいしきり)は、これまでも何度か

鑑賞しているもの。

(関連ブログ⇒ https://madamefigaro.jp/paris/blog/keico/archives/post-12.html

前回観た時は主役の梶原平三中村吉右衛門さんが演じましたが、今回は兄・幸四郎さん

でした♥︎

(以下の画像は四月大歌舞伎の筋書より)

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鴈治郎さんの襲名口上の前に「成駒屋歌舞伎賑」(なりこまやかぶきにぎわい)

通常花道は1本ですが、特別に2本作られ、舞台に向かって右手の花道には女伊達の役者

さんがズラリ、左手の花道には男伊達の役者さんがズラリ。

この日、私は花道から4列目の席で左に視線を上げると染五郎さんが♥︎♡

2本の花道から男伊達、女伊達の役者さんが交互に自己紹介とお祝いの口上を述べました。

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そして鴈治郎さんが江戸での襲名披露を江戸・木挽町で祝う設定で木挽町座元(菊五郎さん)、

太夫元(吉右衛門さん)、江戸奉行(幸四郎さん)、道頓堀座元(仁左衛門さん)、

坂田藤十郎さん(本人役)が集まっての賑やかな舞台に。

最後は、仕切り直して鴈治郎さんの口上となりました。

最後は「隅から隅まで〜、ずいーっと♫」な口上に観客席からは温かい拍手が☆☆

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そして30分の休憩の後は、鴈治郎さんが主役の「心中天綱島・河庄」

(てんじゅうてんのあみしま・かわしょう)」

紙屋治兵衛(かみやじへえ)と遊女小春(こはる)の心中事件を描いた「世話物」で

原作は近松門左衛門の『心中天の網島』。

大阪が舞台でセリフは基本的に関西弁、たぶん私は関西弁の上方歌舞伎は初鑑賞。

セリフのテンポが良く、吉本喜劇チックなところもあり、お約束のボケとツッコミは

この時代からなのか...と妙に納得しながら楽しみました。

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ざっくりなストーリーを。

妻子ある紙屋治兵衛(鴈治郎さん)と遊女小春(芝雀さん)は、心中の約束までした深い仲。

茶屋通いでお金もなく、放心状態の治兵衛が茶屋の河庄を訪れると、小春は侍の客の

相手をしています。

実はその侍、すっかり小春に入れあげて商売にも生活にも支障をきたす治兵衛に意見をする

ためにやってきた兄・孫右衛門(まごえもん)でした。

治兵衛のことを聞かれた小春は、「もうキライになった、別れたい」と答えます。

それをこっそり立ち聞きした治兵衛は激怒。

小春がそんなことを言ったホントの理由は、治兵衛の妻から夫と別れて欲しいという嘆願の

手紙が届いたことで、悩み苦しんだ末、妻子のために治兵衛と別れる事を決意したんですけどね〜。

そんな事情は全く知らない治兵衛は、小春に怒り爆発。

「起請文(きしょうもん)」を返せとか大騒ぎ。

起請文とは、「約束の書類」で、そこに書いた約束を破ると神罰が下ると信じられていたんだ

そうです。

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孫右衛門が小春から起請文を取り上げた時、そこに一緒に挟まれていた治兵衛の妻からの

手紙に気づき、小春の真意を知り、自ら身を引く決意をした小春に心の中で感謝するのでした。

が、なおも怒りの収まらない治兵衛は小春をののしる...。

未練たっぷりで全くスッキリしない治兵衛ですが孫右衛門とともに帰っていくのでした。

ここでこの幕は終わり。続きがあるそうですが、今回の上演はここまで。

(襲名記念の祝い幕もステキでした↓)

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女性の立場から見ると、治兵衛はどうにもダメ男、だめんず。

妻子あるくせに小春に夢中なり、どっちの女性にも責任を取れないオトコ...。

しかも小春の気持ちを慮ることもできず、裏切り者〜!と怒るばかり。

起請文を返せとか一度あげたものを返せというオトコ、いるよね〜。

こんないい加減で甲斐性無し、気持ちの小さいオトコがなぜモテるのか?

イヤホン解説によると、治兵衛は「2枚目半」のそこそこイケメンで、調子が良くて

憎みきれない上方キャラらしいです。

古今東西、だめんずはモテるのか?そんなことを考えながら観た心中天綱島・河庄でした。

最後は、「石橋」(しゃっきょう)」

染五郎さん、壱太郎さん、虎之介さんの3人による獅子の精が舞う激しい毛振り☆☆

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文殊菩薩の霊地の清涼山にかかる石橋に、霊獣の獅子の精が現れて牡丹と戯れるという設定。

とにかく迫力の毛振り♡♥︎

毛振りは首だけで回しているように見えますが、実際は体全体、特に腰を使っているのだそう。

最後は天井が大量の桜の花びらがザーっと落ちて華やかに幕。

圧巻でした!(^^)!

こうして四月大歌舞伎を楽しみました。

おまけのパリは、「ゴールデンウィークはお休みですBelle et Bonneで☆

⇒ http://belleetbonne.blog.fc2.com/blog-entry-583.html

à demain(^.^)/~~

 

 

<info>

歌舞伎座

東京都中央区銀座4−12−15

03-3545-6800

http://www.kabuki-za.co.jp/

 

KEICO

新潟県の老舗旅館に生まれ育つ。
上京、進学、就職、まさかの出逢い?で結婚し2004年渡仏。
現在は夫と共にパリ・東京を行ったり来たりな生活中☆
そんな毎日からのグルメ・ファッション・カルチャー・バカンスなどの話題を中心にブログ更新致します。

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