オーレリー・デュポン引退公演「マノン」
好きなバレリーナの一人がパリ・オペラ座バレエ団の「妖精」Aurélie Dupont
(オーレリー・デュポン)♡
そのオーレリーが今年定年を迎え、5月で引退、アデュー公演がL'Histoire de Manon(マノン)
だと知り、それは行かなくては!とガルニエ宮へ行ってきました。
更に今回楽しみだったのは、招待され、一緒に踊るのがRoberto Bolle(ロベルト・ボッレ)☆
ロベルト・ボッレは、ミラノ・スカラ座バレエ団のエトワール、アメリカン・バレエ・シアター
のプリンシパルです。
今回の演目L'Hisotire de Manon(マノンの物語)の原作は、フランスの貴族アベ・プレヴォー
の小説『マノン・レスコー』。
「マノン・レスコー」と言えばプッチーニのオペラは何度が鑑賞したことがあるものの、
バレエで観るのたぶん初めて。
音楽はオペラ「マノン」も作曲したジュール・マスネということですが、バレエバージョンは
マスネのオペラ楽曲ではなく、マスネの後世、彼の他の作品を編曲したものが使われてるそうで
オペラとは別物。
全3幕、2回の休憩を挟んで約2時間半の長さを感じさせない、ドラマチックなストーリー
展開のわかりやすいバレエでした☆
では、いつも通りざっくりなあらすじと勝手なつぶやき感想をカーテンのコールの画像と共に。
主な登場人物は5人。(あり得ないかも〜な全員エトワールの豪華キャスト!)
Manon(マノン、魔性の女)...Aurélie Dupont
Des Grieux(デ・グリュー、若き学生)...Roberto Bolle
Lescaut (レスコー、マノンの兄)...Stéphane Bullion
Monsieur de G. M.(ムッシューGM、好色な老富豪)...Benjamin Pech
La Maîtresse de Lescaut(レスコーの情婦・高級娼婦)...Alice Renavand
(指揮者・Martin Yates氏↓)
第1幕
舞台は18世紀のパリ。
マノンは修道院に行くために田舎からやってきた途中で、兄レスコーに会う。
レスコーは、美人な妹を使ってお金持ちからお金を巻き上げることを企む。
(悪いお兄ちゃんだ...でも黒髪のステファンが演じてるから悪いオトコに見えない。イケメン。)
が、マノンは、そこにいた真面目な神学生デ・グリューと出会い恋に落ちる。
そして二人は駆け落ち。
(会っていきなり恋に落ちてもいいけど、そのまま駆け落ちとは大胆ね〜。)
(そもそもマノンは修道院に入るつもりだったのに、なんだか軽い...)
寝室で二人きりなったマノンとデ・グリューはラブラブ♡
仲良くじゃれ合った後に、もともとおぼっちゃまのデ・グリューはお金の無心に出かけます。
その隙に兄レスコーが金持ちのムッシューGMを連れて登場。
(妹マノンにオトコを手引きする兄...。やだな〜思ったけれど、その後がびっくり!)
マノンはGMから毛皮やキラキラのネックレスを贈られてすんなり心変わり。
GMについて行ってしまう。
(えー、あっさりデ・グリューを裏切れるなんて...!でも、これも若気の至りなのかも。)
ここで1回目の幕間。
ガルニエ宮はどこを撮っても美しい。
今回は大階段の天井をしばらく鑑賞しました。
<第2幕>
娼館で開かれている華やかな宴。
そこには酔ったレスコーとデ・グリュー。更にそこへGMがマノンを連れて登場です。
デ・グリューは、マノンに自分の元に戻るように懇願しますが、マノンは、いかさま賭博で
GMの金を巻き上げるようにデ・グリューをそそのかします。
(マノン、いつからこんな性悪女になってしまったんだ?!もともとこんな女なのか?)
そしてデ・グリューはいかさま賭博をしてしまうのですが、それがばれて、マノンとデ・グリュー
はその場を逃げ出します。
場面が変わってデ・グリューの部屋。
マノンと逃げ出すために荷造りをしているところにレスコーを捕らえたGMがやってきます。
そこでレスコーはGMに撃ち殺され、マノンも逮捕。
(かなり性悪な兄レスコーですが、演じるステファンがステキなので殺されてショック!)
(↓レスコーを演じたステファンとその愛人を演じたアリス。アリスの娼婦っぷりは妖艶♥︎)
2度目の幕間に。
ホワイエの大きな鏡の前でセルフィしている人を真似て、私もやってみました。
ブレまくったけれど、ちょっと透明人間風に?!
<第3幕>
場面はアメリカ。
というのもマノンは罪人としてフランス領ルイジアナに流刑になったのです。
マノンと共にデ・グリューもやってきます。(おぼっちゃまなデ・グリューはお咎めなし?)
囚人として髪を切られ、ボロを纏っても美しいマノンは看守の目にとまり、マノンの魅力で
助けてもらえるかも?と思ったものの、結局看守にただ強姦されてしまっただけ...。
(美しさを武器に人生を切り抜けたきた彼女は、ある意味、世間知らずの可愛い女。
でも冷静に見たら甘ちゃん過ぎるというか...。そんな女性にとってこんな暴力は想像も
していなかっただろうし、あまりの悪夢に心身ともに堪えられない...)
そこにやってきたデ・グリューは、逆上して看守をナイフで刺してしまい、二人は
沼地に逃げ込みます。
沼地を逃げ回るうちにマノンは力尽き、過去の楽しかった幻影を観ながらデ・グリューの
腕の中で息を引きとる...。(完)
(デ・グリューを演じたロベルト・ボッレは、パリ・オペラ座にはいないタイプ?!
なんだかやたらセクシーでラテンな熱視線が熱いっ♡ 動くギリシャ彫刻ボディ♥︎)
オペラ座バレエ団の人気エトワール、オーレリー・デュポンの引退公演の相手役が、
なぜ同じバレエ団のダンサーじゃないのかな?と思っていたら、当初予定のエトワール、
Herve Moreau(エルヴェ・モロー)が怪我で降板したため、ロベルト・ボッレが招聘された
そう。
エルヴェ・モローも見たかったけれど、初めて見るロベルト・ボッレは力強くて素敵でした♥︎
そしてこの日の観客は最初からとても熱く、華やかな舞台とデュポンに最初から期待が
満ち溢れた空気感が漂い、場面、場面の拍手がいつもより大きく、マノンとデ・グリューが
キレイに舞うたびに、音にならない溜め息が漏れ聞こえてくるようでした。
なので、カーテンコールは一際長かったです。
もちろん誰より熱い喝采を浴びたのは、マノンを演じ、98年よりエトワールとして活躍して
きたオーレリー・デュポン。
今月18日で引退ということで、ブラボー・オーレリー!メルシー・オレーリー!の声が飛びました。
久しぶりに見た総立ちのスタンディングオベーション。
すごい熱気でした☆
嬉しいことに、オーレリーはパリ・オペラ座バレエ団の次期メートル・ド・バレエに就任し、
引退後もバレエ団の指導にあたるそうです。
先日も思ったけれど、これからもパリのオペラ座・バレエ団からは益々目が離せない(^_^)
おまけのパリは、「幕間に元祖モーツァルト」をBelle et Bonneで☆
⇒ http://belleetbonne.blog.fc2.com/blog-entry-612.html
à demain(^.^)/~~
<info>
L'Opera Garnier(パリ オペラ座・ガルニエ宮)
8 Rue Scribe, 75009 Paris
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