ベラスケス展@グラン・パレ
パリ8区、グラン・パレ(Galeries nationales du Grand Palais)で開催中のVelázquez
(ベラスケス展)へ行ってきました☆
お隣りの会場では、ジャン=ポール・ゴルチエ展開催中。
(関連ブログ⇒ https://madamefigaro.jp/paris/blog/keico/archives/post-350.html )
17世紀のスペイン絵画黄金時代の最も有名な宮廷画家、Diego Velázquez (ディエゴ・ベラスケス)。
本展は今シーズンのグラン・パレの目玉企画とも言われ、早くから話題だった展覧会。
というのも作品数が少ない上に主にマドリッドのプラド美術館にあるため、これまで
スペイン国外で大きな回顧展が開催されることはほとんどなかったそうです。
最近はなかなかスペインに行く機会もないし...と言う訳で出かけてみると評判通り、
人気の展覧会でした。
印象的だったものをいくつかピックアップ☆(画像は公式カタログより)
Inmaculada Concepción( 無原罪の御宿り)
聖母マリアの顔が少女っぽく、まだあどけなさが残る表情が清純な感じ。
Venus del espejo(鏡を見るヴィーナス)
厳格なカトリックが支配していた時代に描かれた裸婦で、べラスケスの残す唯一の裸婦画。
イタリアで出会った愛人がモデルだと言われているそうです...。
鏡に写るヴィーナスの表情は謎めていてる。
恐怖心?慈しみ?を表現したのでは?と諸説あるそうです。
Papa Inocencio X(教皇イノケンティウス十世)
教皇の威厳と、ひとりの人間としての内面までも描いたとされ、その写実的描写はベラスケス
の肖像画の最高傑作と言われるもの。
Infanta Margarita a los ocho anos(マルガリータ王女)
マルガリータ王女8歳の頃の肖像画。
国王フェリペ4世と2番目の妻マリアーナ・デ・アウストリアの第1子として生まれ、
1666年ハプスブルク家のレオポルト1世と結婚し、最初の后となった女性。
あどけない顔と見るからに贅沢で上質なドレスの青色が印象的でした☆
皇太子バルタサール・カルロス騎馬像☆
バルタサール・カルロスは、マルガリータ王女の異母兄で世継の王子でしたが、17歳で
亡くなりました。
色が綺麗で、さすが王子...なんとも威厳とオーラのある絵だと思いました。
ベラスケスという画家についてあまり知らなかったのですが、本展では彼の人生と
作風の変化が時系列的に展示され、とてもわかりやすく展開していました。
1599年にスペインのセヴィリアに生まれ、12才でフランシスコ・パチェーコに師事し、
絵を学び始めたベラスケス。
後にパチェーコの娘と結婚♡
(↑Coronacion de la Virgen 聖母戴冠)
そして宮廷画家になることを志し、1622年に首都マドリッドへ。
初期の作品にはカラヴァッジオの影響も。
宮廷画家になってからは、ヴェネツィア絵画の影響やルーベンスとの交流、ルーベンスの
勧めでイタリアへ2度旅行したことで更に画風が洗練され、革新的な描法を確立したと。
中でも不朽の名作と言われる作品が王女マルガリータを中心に、数人の女官たちを描いた
集団肖像画、Las Meninas(ラス・メニーナス 女官たち)。
幼いマルガリータ王女を取り囲んでいるのは、お付きの女官、待女、目付役、2人の小人
1匹の犬。左手奥にはベラスケス自身が描かれています。
更に鏡に映っているのは国王夫妻という、なかなかトリッキーな絵。
マルガリータ王女は叔父と結婚し、6人の子供を出産するも一人しか育たず、お輿入れした
ウィーン宮廷でも苦労は多かったようで...。
たくさんの肖像画や宮廷の様子を描いた絵を見ながら、宮廷に生まれたら表向きは豊かに
暮らせるのかもしれないけれど、苦労も多く、本当の自由などはないのだろうな...と思いながら
の鑑賞となりました。
それにしてもベラスケスという画家の作品の多くを一度に鑑賞できるのは貴重な経験☆
最後にベラスケス本人が描いた自分の肖像画がこちら。
なかなかクールにスマートに描かれていましたが、義理の息子が描いたベラスケスの
肖像画は、ちょっとお腹が出ていました。
たぶんリアルなのは義理の息子が描いた方かも?!
おまけのパリは、「ホントのラム・レーズン」をBelle et Bonneで☆
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à demain(^.^)/~~
<info>
Grand Palais(グラン・パレ)
*ベラスケス展は2015年7月13日まで
3 Avenue du Général Eisenhower 75008 Paris
www.grandpalais.fr/en
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