
冬の東海道四谷怪談
12月歌舞伎公演「通し狂言 東海道四谷怪談」を観に行ってきました。
場所は歌舞伎座ではなく、久しぶりの国立劇場☆
ちょっと早めに着いたので、お土産コーナーをチェックしたりしながらロビーを一周。
会場前にいる大きな等身大サイズの「鏡獅子」がフォトジェニックなのですが、正面からは
反射して上手く撮れず横から...。
「毛振り」やってみたい...と、できない妄想をしながら会場へ。
いつもの歌舞伎柄の幕と目に入るのは、左右のモノトーンの山形模様の幕。
12月、山形模様=雁木模様(がんぎもよう)と言えば!忠臣蔵。
赤穂浪士の討ち入り装束の模様です。
あれ?でも今日は「四谷怪談」のはず...。
今回の演目は有名なお岩さんの四谷怪談だったので、特に予習もせずに出かけたのですが、
そもそも怪談話は夏のものだと思っていたこともあり、なぜ12月に怪談なのか?
なぜ忠臣蔵を連想させる小道具なのか?は、いただいた筋書きやイヤホンガイドを聞きながらの
鑑賞でよく知ることができました。
(舞台画像は国立劇場オフィシャルサイトより)
この作品は、江戸歌舞伎を代表する作者・四世鶴屋南北の最高傑作と言われるもので、
文政8年(1825)に初演された時は、あの「仮名手本忠臣蔵」と交互に上演されたそう☆
時代背景、忠臣蔵の登場人物と深い関わりがあり、最後に忠臣蔵の討入りにつながる設定で
描かれており、忠臣蔵外伝とも言われるものだ、と今回初めて知りました。
民谷伊右衛門・石堂右馬之丞の二役を演じたのが松本幸四郎さん。
伊右衛門役は23年ぶりだそう。
お岩の夫、伊右衛門は「色悪」と呼ばれる悪い男。
確かに悪い、どこまでも悪いというか、だめんず(=_=)
イヤホンガイドでも「いつの時代でもこういう悪い男がもてるものです」的な解説
だったけど、ちょっと影があって色っぽくて、母性本能を刺激するような?
ダメなくせに許される、私にはよくわからない魅力の持ち主。
K「私には全然全くもって色悪・伊右衛門を好きになる気がしない。」
夫「君には母性無いからね!」
K「・・・。」
お岩・小仏小平・佐藤与茂七・大星由良之助・鶴屋南北の5役(スゴかった!)を
市川染五郎さんが演じました。
現代歌舞伎の技術を駆使されており、早替わりの早さはもちろん、宙を舞ったり、
人魂が出たり、リアルに怖かったです。
「仮名手本忠臣蔵」における塩冶判官の高師直への刃傷事件勃発。
「東海道四谷怪談」には、その事件が起こったことで苦しみ、恨み、悲しみ、悪に走り、
そしてどこまでも忠義を貫こうとする人、その時代を生き抜く人々それぞれのドラマが
交錯したとても見応えのあるものでした☆
怖いだけの四谷怪談と思い込んでいましたが、今回の歌舞伎でだいぶ印象が変わりました。
おまけのパリは「 ブログに乾杯」をBelle et Bonneで
⇒ http://belleetbonne.blog.fc2.com/blog-entry-830.html
à demain(^.^)/~~
<info>
国立劇場
東京都千代田区隼町4−1
http://www.ntj.jac.go.jp/kokuritsu.html
*「通し狂言 東海道四谷怪談」は2015年12月26日迄
ARCHIVE
MONTHLY