恋するフラゴナール♡
もうすぐ会期終了の"Fragonard amoureux - galant et libertin"(恋するフラゴナール展・
色男と放蕩者)へ行ってきました。
と言っても出かけたのは、昨年11月。。
すっかりアップしそびれていたものですが、記憶を辿りながら。
場所は、Musée du Luxembourg(リュクサンブール美術館)。
18世紀フランスのロココ美術を代表する画家の一人、Jean Honoré Fragonard
(ジャン=オノレ・フラゴナール)。
本展は、彼が得意とした画題「恋愛」をテーマに、同時代の思想や社会背景にも
触れながら甘美で官能的な、軽薄で不道徳な、さまざまな「恋」 の場面を取り上げる
というもの。(撮影可)
好き嫌いがわりと明確に分かれそうな気がする甘いタッチのフラゴナール。
あまりじっくり鑑賞したことがなかったのですが、美術館で時々目にしたその絵は優しく女性的で、
可愛い絵だな〜ぐらいに思っていました。
フラゴナールと言えば、ブランコ(Hasards heureux de l'escarpolette)のこの絵が有名☆
これまで私は、ブランコを漕ぐ女の子の無邪気そうな様子にだけ気が取られ、全体をしっかり見えて
いなかったことを知りました...。
まずこの女性は楽しそうに靴を飛ばしています。
小学生の頃、私もよくこうしてブランコを漕ぎながら靴を飛ばしたな〜。
飛ばした靴がちゃんと着地したら明日は晴れ、裏返しになったら雨、横になったら曇り。
が、この絵はそんなお子様な一場面ではない!
靴を脱ぐというのは、若い女性の性的な解放を意味していると言われます。
確かに欧米で靴を脱ぐというシーンは容易には無いこと...。
更に後ろでブランコを押してるややオジサン風の人。
それはこのブランコに乗っている女性の夫ではないかと言われています。
でも、もともとは絵画の依頼主サン=ジュリマン男爵の要望で司教さんが描かれる予定だったとか。
そしてスカートの中を覗く若い愛人と思われる男性のニヤケ顔?!
フラゴナールは、甘美で優美なだけではなく、不道徳だったり、享楽的な面も同時に描いているのだ
と知ると、他の色々な絵も見え方が自ずと見え方、感じ方が変わります。
La Fontane D'Amour(愛の泉)。
まるで神話の一場面のような美しい瞬間は、永遠を象徴する枯れることのない「泉」に
若く美しい一組の男女が駆け寄る構図。
愛を司るエロスの差し出す黄金の杯に口をつけようとする男性。
若さ溢れる瑞々しい女性。
エロスが無邪気に見えたり、顔をそらせていること、視線を外していることにも何か
意味がありそうな...。
この作品はフラゴナールの妻の妹であり、弟子でもあり、愛人関係でもあったと推測されている
マルグリット・ジェラールとの関連性が指摘されているそう。。
本展の宣伝ポスターにもなっている"Verrou"(かんぬき)は、デッサンも展示されていました。
この作品は、フラゴナールの晩年の代表作の一つ。
そのドラマチックな構図にちょっとドキドキする♡
この絵は、身分的には低いもののお金持ちな貴族ドゥ・ヴェリ侯爵の依頼により制作されたもの。
若い男性が嫌がる若い女を抱き寄せながら、扉の「かんぬき」をかける場面。
男性の力強い左腕、一応嫌がる顔はしているものの、ホントはこの強引さに心を奪われている
ように見える女性。
秘密の情事はメロドラマチック♡
一筋のスポットライトに照らされて、赤、白、オレンジの色彩の美しさが際立つ絵でした。
最後にお土産コーナーへ。
お土産にいたずらっぽいキューピッド(エロス)のポストカードとメモ帳を買いました。
実際に展示されていた作品(L'Amour Folie)は額装も素敵な小さな絵でした。
図録よりも気になったのは、美術館に併設されているサロン・ド・テ"Angelina"(アンジェリーナ)で、
本展を記念して作られた期間限定販売のケーキ"Vénus"(ヴィーナス)。
薔薇フレーバーのライチとフランボワーズのムースケーキ♡
食べたかったのですが、残念ながらサロンが満席だったので諦めました((+_+))
それにしても今日も寒いパリ。
こんな寒い日にアパルトマンを出た瞬間、元気なのは犬と夫ぐらい(=_=)
おまけのパリは「気になるけど...」をBelle et Bonneで
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à demain(^.^)/~~
<info>
Musée du Luxembourg(リュクサンブール美術館)
19 Rue de Vaugirard, 75006 Pari
01 40 13 62 00
*"Fragonard amoureux - galant et libertin"(恋するフラゴナール展・色男と放蕩者)展は
2016年1月24日迄。
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