Comme d'habitude 〜パリ・東京行ったり来たりblog〜

船越桂☆私の中のスフィンクス

パリではパリの美味しいものを...

と思っていても、こてこてのジャポネーズとしては毎回日本から大量の日本食を持ち込んでいる?!

もちろん和菓子も。

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まだパリに着いて早々ですが、賞味期限があるしね!といただいたのは、新潟土産。

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越の笹船」というヨモギ餅の中にこし餡が入っていて、きな粉がまぶされ、生笹で包まれたお菓子。

笹の香りに故郷を感じ...ホッとする美味しさを楽しみながらアップしそびれた新潟ネタを。

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K「興味無いと思うけど、今度帰省したタイミングで新潟で船越桂の展覧会やってるよ」

夫「えッ!それ観たい!!」

K「船越桂、好きだったけ?」

夫「前から一度ゆっくり本物を観てみたいと思ってたんだよね〜。いいタイミングだよ、絶対行く!」

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という訳で、爽やかな五月晴れのとても気持ちいい日に只今新潟市美術館で開催中の

「船越桂 私の中のスフィンクス展」を鑑賞に行ってきました。

恥ずかしながら船越桂と言えば、天童荒太の小説「永遠の仔」の本の表紙...というぐらいしか

知らなかった私...。

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それにしても、夫とはいろんな美術館・展覧会に一緒に出かけているけれど、意外なものが

好きだったり、予想外のものに興味を示すのでその都度驚きます。

何年経っても、きっと相手を完全に理解することなんてないな...と思う瞬間?!

夫「キミの好きなものは大概わかる」

K「・・・。」

(そんなに私は単純なのか、えッ? 意外性のある女になりたい...)

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(冬の本)

本展は、日本を代表する具象彫刻家、舟越桂(フナコシカツラ)の1980年代から最新作を含む

彫刻・ドローイング・版画約70点を3つの年代別に展示。

船越さんについて何も知らなかったので、いただいたパンフレットの概要を確認しながら

鑑賞しました。(展覧会概要はパンフレットより引用)

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(遅い振り子)

1951年盛岡市生まれ。

30年以上にわたり、木彫彩色によって、人間の存在をテーマに人物像を制作。

静謐(せいひつ)さを湛えた半身の肖像彫刻、というスタイルを初期に確立し、1990年代半ば頃、

その作風に変化が兆します。

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(肩で眠る月)

胴体が山 と一体化したり、頭部が双頭になるなど、異形(いぎょう)の姿が現れ始める。

2000年代初頭からは裸体像も積極的に試みられるようになり、近年では、人獣・性別の境界を

超越したスフィンクスの像を展開しています。

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(もう一人のスフィンクス)

舟越は、ひとところに留まることなく、のびやかに表現を拡張しながら、私たちにとって最も

身近で謎めいた「人間」について考え続けているのです。

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(夜は夜に)

広々した展示スペースにポツンポツンと並ぶ作品たち。

ひとつひとつの作品の主張と作品同士の対話と共鳴が重なり合う、不思議な空間。

まずは写真で平面的に観るものとはまったく別物の存在感に驚きました。

これはたぶん、絶対に本物を観た方が良いと思われる作品たちなのです。

どの作品も2次元になってしまうと、なんだか閉じ込められたようにも感じました。

でも実際は、なんというかもっと何かを語りたげなもの(ヒト?)ばかり。

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作品と一緒に制作過程のデッサン、そして船越さんの手帳やメモ書きが展示されていたのですが、

その中で気になった部分をメモしました。

それはこんな文。

「言葉によって人間存在を考え、それから出てきた事柄の内 これだけは省略できない

あるいはしたくない 言っておきたいという事。

それと象徴しうる物を、物の状態を 彫刻の背景に部分に、状況に、付随品にして提示する、

置いておく、置き去りにする」

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(雪の上の影)

作品とタイトルを見比べると、なぜこの作品にそのタイトルが?と、想像力のない私などは

わからないことが多いのですが、この文を読むとそのタイトルをつけた理由にもちょっとだけ

近づけるような、なんとなく触れられるような気にもなりました。

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(荒れ野で見る夢)

ある時期以降、モデルとなっているのはたぶん一貫していて中性的でナニジンとも言い難い

澄んだキレイなお顔立ち。

K「ずっと同じ顔を作り続けるって飽きないのかな...?」

夫「一生かけてこの顔の完成美を追求したいってことじゃない?」

K「そう言われると自分の顔とは一生の付き合いだし、じゃ私も己の美を追求します!

欲しい美容液があったんだった、ちょいとお高いんだけど♡」

夫「そういうことじゃねぇよ...」

こうして、これまで観たことが無い世界をちょっと経験できた、この春の新潟帰省でした。

おまけのパリは「ふわふわデイリークリーム」をBelle et Bonneブログで♬

⇒ http://belleetbonne.blog.fc2.com/blog-entry-1000.html

<info>

新潟市美術館

新潟県新潟市中央区西大畑町5191−9

025-223-1622

http://www.ncam.jp/

*船越桂 私の中のスフィンクス展は2016年6月26日まで

 

KEICO

新潟県の老舗旅館に生まれ育つ。
上京、進学、就職、まさかの出逢い?で結婚し2004年渡仏。
現在は夫と共にパリ・東京を行ったり来たりな生活中☆
そんな毎日からのグルメ・ファッション・カルチャー・バカンスなどの話題を中心にブログ更新致します。

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