Comme d'habitude 〜パリ・東京行ったり来たりblog〜

オルセーで税関吏「アンリ・ルソー」展☆

夫「なんなんだ、このいきなりの暑さはッ(>_<) カンボジア並みだな...!」(怒)

K「確かにカンボジアを思い出す体感温度♬」(嬉)

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パリは今週水、木曜日に一気に気温上昇、30度超えの真夏日でした。

そんな中、久しぶりのMusée d'Orsay(オルセー美術館)へ。

え...でも行列無し!? 

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と思って中へ入ると、これまで訪れた中では一番空いた様子にちょっと驚く。

(そんな空いてる感、うまく写せてませんけど...)

こんなところからもツーリストの減少は感じます。。

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今回の目的は、大好きな画家の一人Henri Rousseau(アンリ・ルソー)の特別展☆

"Le Douanier Rousseau. L'innocence archaïque."(税関吏ルソー 古風な純粋さ)の鑑賞!(^^)!

今シーズンとても楽しみにしていた展覧会で、混雑覚悟で出かけたのですが、常設展より

更に空いた会場では、ゆっくりじっくり鑑賞できて個人的にはとてもハッピーでした。

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(お土産コーナーにはルソーの巨大自画像がお目見え)

19世紀末から20世紀初頭にかけてフランスで活動した画家アンリ・ルソーの創作を

archaïsme(アルカイスム・擬古主義)をテーマにひもとく展覧会。

「アルカイスム」とは古代芸術に見られる「素朴さ」を追求する考えを意味するものだそうで、

それはルソー作品にとって不可欠な要素。

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1844年ブルターニュ地方・ラヴェルに生まれ、パリ市の税関吏として働きながら絵を描き始めたルソー。

20数年間税関吏を務めた後、退職し画業に専念するものの、専門的に美術を学んでおらず

美術知識に乏しく、それゆえの素朴な作風が特徴的。

アンデパンダン展(無審査出品制の美術展覧会)に出展するも、当初は新聞や雑誌から稚拙だと

酷評。。

それにもめげずほぼ毎年同展へと作品を出品し、1905年頃から次第に評価が高まっていったそう。

最晩年頃は評価を高め1910年パリで死去。享年66歳。 

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Le rêve(夢)

ルソーと言えば私の中では、まずこれ!

鬱蒼としたジャングルは迫力の大キャンバスで、どこの景色がモデルなのか?と気になる

ところですが、ルソーは海外旅行をしたことがない...。

なので彼の描く景色は全て想像力からくるものだと思うとスゴいのよねぇ。

ソファーに横たわるのはヤドヴィガという女性。

ルソーが当時恋をしていたポーランド人女性がモデルだそう。

「ヤドヴィガは森の中に運ばれて、蛇使いの笛の音を聴く夢を見ている。」とルソーはこの絵に

言葉を添えています。

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La Charmeuse de serpents(蛇使いの女)

書籍や植物園で観察しながら創り出した空想上の草木が描かれた密林の中、満月の夜に笛を

吹く妖しく神秘的な蛇使い。

月明かりの逆光で黒いシルエットの中に目だけキラリンと白く光る。

笛の音色が聞こえてきそうだし、とても詩的な絵。

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Lion ayant fain se jette sur l'antilope(飢えたライオン)

こちらも「夢」と並ぶ巨大作品で、その大きさは2m×3m。

作品の目の前に立つとその不思議なジャングル風景に引き込まれる感じ。

そして感じるのは、ルソーの緑色の独特な美しさとその豊富なバリエーション。

いったい彼は何種類の緑色を持っていたのだろう...?

ここ数年緑色好きな私としては、そのへんも気になるところでした。

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フットボールをする人々

つい笑ってしまいたくなるインパクトのある一枚。

木の大きさと比べても妙に大きな人、サイズ感とか遠近法とかまるで度外視な感じが面白い!

美術の専門的なことは学んでいないから...というルソーだけど、最近になってようやく思うのは、

「綺麗に上手に描かれたもの=心に残る、感動する」とは限らないということ。

上手な絵だな...と思っても、それ以上は何も感じられない作品よりは、よくわからないけど

面白い、もう一度見たい、なんでこんな風に描いたんだろう?とか色々なことを感じさせ、

問いが湧くような作品の方が好き。

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Maya à la poupée人形を抱くマヤ(パブロ・ピカソ)

ルソーが描いた「素朴さ」は、20世紀の近代画家たちにも多くの影響をもたらしたと言われていて

本展ではピカソやスーラの作品も展示されています。

テーマ毎に10部屋からなる見ごたえ満点のルソーの世界☆

ちょうど美術館の年間パスポートを更新したところなので会期中にもう一度観たい展覧会です♬

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パリの真夏日は続かない。

金曜日にはまた気温も下がって爽やかな気温に☆

そしてこの先しばらく気温低下の週間予報(=_=) 

そんな中、今週末からはいよいよユーロサッカー決勝トーナメントが始まります。

おまけのパリは「男のオシャレ」をBelle et Bonneブログで♬

 http://belleetbonne.blog.fc2.com/blog-entry-1021.html

<info>

Musée d'Orsay(オルセー美術館)

1 Rue de la Légion d'Honneur, 75007 Paris

"Le Douanier Rousseau. L'innocence archaïque."(税関吏ルソー 古風な純粋さ)展は

2016年7月7日まで

http://www.musee-orsay.fr/

KEICO

新潟県の老舗旅館に生まれ育つ。
上京、進学、就職、まさかの出逢い?で結婚し2004年渡仏。
現在は夫と共にパリ・東京を行ったり来たりな生活中☆
そんな毎日からのグルメ・ファッション・カルチャー・バカンスなどの話題を中心にブログ更新致します。

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