謎めくサンピエトロ大聖堂
今回のローマバカンス中で一番の人混みだったのは、ヴァチカン市国にあるカトリックの
総本山"Basilica di San Pietro"(サン・ピエトロ大聖堂)。
円形競技場のような広場を設計したのは、またまたベルニーニ!
暑い中30分ぐらい並びましたが、30分の待ち時間は短い方かも?!
以前に来たことはあるのですが、夫と共に行くのは初めてだったことと、
どうしてもじっくり見たいモノがあったので行列覚悟で行きました。
サン・ピエトロとは聖ペテロ。キリストの一番弟子です。
ペテロは、フランス語ならピエール、英語ならピーター、ロシア語ならピョートル。
男性の名前に多く用いられているお名前ですね~。
その聖ペテロのお墓があったと言われる場所の上に建設されたサン・ピエトロ大聖堂。
16世紀初めから建設が始まり完成まで約120年!
大聖堂への入口は扉が5つ。
それは「死の扉」「善と悪の扉」「ブロンズの扉」「秘蹟の扉」「聖なる扉」。
これは「ブロンズの扉」(中央扉)
聖なる扉は25年に一度(聖年)開くのだそう。次は2025年...。
5つの扉を全部くぐると罪の償いが許されるのだそう。
(2025年に来るしかないな...!)
では、中へ。
まずは、ミケランジェロのピエタを観ました。
美しくて切ないピエタ。
(ガラスケースの中で、近づくのに限界がありました)
聖ペテロ像は人気でなかなか近づけません
でも頑張って前へ。
聖ペテロはキリストから「天国の鍵」を預かった人!
ど〜か私にも天国の扉を開けてください・・・と足をしっかり触ってお祈り☆
美しいクーポラもミケランジェロの設計。
エレベーターでクーポラの上に登ることもできますが、今回は登りませんでした。
このクーポラの真下にある教皇の祭壇を覆うベルニーニのブロンズの大天蓋
"Baldacchino"(バルダッキーノ)。
今回最もじっくり見たかったのは、このバルダッキーノを支える四柱形の「台座」部分なのです。
以前に読んだ本で、この台座には彫り込まれた謎があると知ったから。
真ん中に家紋の蜂が3匹。
その上に女性の顔、天国の扉を開ける2つの鍵が交差してその上に王冠。
そして蜂の下には魔物のような顔。
4つの台座に掘られた紋章は微妙に違いがあって合計8つ。
順番に見ていくと女性の顔と魔物の顔が少しずつ変わっています。
一連の浮彫は出産シーンを表していると言われていて、数世紀にわたって人々の想像力を
かき立ててきたのだそう。
仮説① この天蓋は当時妊娠していた法王ウルバーノ8世(バルベリーニ家出身なので家紋は蜂)
の姪が無事に出産を終えたら台座に刻むことになっていた。
仮説② 制作期間9年を妊娠期間になぞらえた。
仮説③ 宗教的な意味合いで、誕生には苦痛を伴うことを表現した。
仮説④ 作者ベルニーニは法王ウルバーノ8世の姪と許されぬ恋におち、彼女はベルニー二の
子を産むが法王に引き裂かれたため、その報われぬ愛を台座に掘って永遠に封じた。
どれも信憑性に欠ける説らしいのですが、ちょっと薄気味悪い台座を見ながら、
そこに込めたら謎めいた意味は何だったのか?と想いをめぐらしながらの鑑賞は
面白かったです。
そしてこの天蓋の前の地下が聖ペテロのお墓。
大天蓋や周りの装飾と比べても、やっぱり違和感のある出産の苦痛?を表現した「台座」。
ベルニーニに本当はどんな意味なの??と問いかけながら大聖堂を後にしました。
外には、ヴァチカンを警護するスイス衛兵の姿。
ミケランジェロがデザインした制服と言われてます。
ルネサンスから変わらない制服なんだ~と思うと感慨深いです。
おまけは、Belle et Bonneで。
<INFO>
Basilica di San Pietro(サン・ピエトロ大聖堂)。
Piazza San Pietro, 00165 Vatican
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