Musée d'Orsay(オルセー)通い☆
年間パスポートを持ってることもあってパリで一番行く・一番好きな美術館はMusée d'Orsay(オルセー美術館)☆
買い物などで近くへ行った時や館内のレストランを目当てに。
今日は休館日?!と思うくらい誰も並んでいない。こんな日は時間があれば迷わず入ってしまう、すっかり身近な美術館。
それではここ2ヶ月間に鑑賞したものをピックアップ★
“Spectaculaire Second Empire”(壮麗なる第二帝政)1852- 1870展。
こちらは既に会期は終了してしまったのですが、オルセー美術館の創立30周年を記念して開催されたもの。
世界史・フランス史に疎い私には「第二帝政」という単語はとてもぼんやりしたもので、二人目のナポレオン、ナポレオン3世・ルイ=ナポレオン(ナポレオン・ボナパルトの甥)の統治ね〜ぐらいだった…。
ところが展示室に入るとたくさんの人で賑わい、ここ数年のオルセーでの特別展の中では圧倒的な人気の様子にまず驚きました。
(館内画像は美術館オフィシャルサイトより)
第二帝政時代は20年弱という短い期間とは言えブルジョワ社会が形成され、チュイルリー宮殿を中心にパリには沢山の芸術の花が開いた豪奢な時代だったのです。そもそも今のパリの街のベースとなっているパリ大改造計画もこの時期のオスマン男爵によるもの。
そんな時代ですからパリッ子、フランス人の皆さんが興味を持つのも当然で、この日この会場にはツーリストの姿はほとんどなく、感嘆の溜め息まじりに聞こえてくるのはフランス語オンリーでした。
皇妃Eugénie de Montijo(ユージェニー・ド・モンティジョ)は、マリー・アントワネットに自分を重ねていたとか。
そんな彼女は贅沢好き、パーティー・舞踏会好きというのも納得?!
パリの芸術アカデミーによる絵画展(サロン)も注目の時代、ナポレオン3世が思いついたという「落選展」。そんな作品を集めた展示室も面白く、今ではすっかり有名&マネの代表作になっている“Le Déjeuner sur l'herbe”(草上の昼食)も落選話題作だったのは有名な話。
11もの展示室で構成された大規模な展覧会でしたが、最後の展示室の1855年と1867年の世界万博に出展された眩いバカラやクリストフの作品の数々はどこまでもゴージャスでした。
またある日は常設展だけをゆっくり鑑賞。
何度来てもこんな作品あった?という新たな発見があったり、同じ作品も展示場所や方法が変わったり、繰り返し観ているうちに感じ方が違ったりするので飽きません。
例えばこのガラス作品は、ポール・ゴーギャンのタヒチの女性を象った“Tahitienne dans un paysage”。
大きな大きなキャンバスに描かれた真っ白な世界。
それは雪景色…!
真ん中に小さく一人必死にスキー姿の人物。
広大な白銀の世界にポツンと存在し、そこで必死に動いている姿は自分のスキー合宿にも重なり、つい頑張れッ!と声をかけたくなってしまったこの作品は、Cuno Amiet(クーノー・アミエ)という画家の“Paysage de neige”(雪国)という作品。
豊満ボディ作品で知られるAristide Maillol(アスティド・マイヨール)のスレンダーな彫刻。
タイトルがÎle-de-France(イル=ド=フランス)というパリを含むフランスの中心地域名をつけているところが興味深い。
知らなかったHippolyte Moulin(イポレット・ムーラン 1832〜1883年)というフランス人彫刻家の作品。
タイトル“secret d'en haut”とは?上からの秘密ってことは天国、神々の世界の秘密?
こちらも先日会期終了となった特別展、“Frédéric Bazille(1841-1870). La jeunesse de l'impressionnisme”(フレデリック・バジール 印象派の揺籃期)。
(一部の作品を除き撮影可でした)
Frédéric Bazille(フレデリック・バジール)という画家を知らなかったので、この機会に観てみることに。
La Réunion de famille(家族の集い)。この作品はこれまでも何度か観てる!というような作品を見つけていく中で、フレデリック・バジールという画家が印象派初期の重要な画家であったこと、モネをはじめルノワール、シスレーなどと親しく交友を重ね、更にセザンヌやピサロとも出会っていたことなどを今回知りました。
なので本展ではそんな同時代の画家たちの作品も豊富に同時に展示されていました。
(Vue de village Castelnau-le-Laz)
ところで、ざっくりこのフレデリック・バジールの経歴を確認すると、1841年に南フランスのモンペリエでワイン製造を営む裕福な名家の生まれ。医者になるためパリへと赴き、医学を学びながら絵画の勉強も始めますが、医学試験に失敗して絵画に専念。1870年の普仏戦争に志願し同年10月戦死、享年29歳。
(Scène d'été)
29歳という若さでの戦死という最期は他の画家にあまりない生涯なので、ちょっとショッキングに感じました。
元々裕福な生まれで不自由の無い生活だったと思われるけれど、自ら死を選んだという説もあるようで、そんなことを思うと明るい南仏の光の景色の中にちょっと冷たさも感じるような…。
本展で一番好きだったのが花の絵を集めたコーナー。
まずはちょっと遠目に作者を確認しないで、どの花が一番好きか?と観てみました。
K「最初の3枚のうちどれが一番好き?」
夫「右端」
K「ってことは、クールベだね。私は左端。誰かと思ったらこれはドラクロワでした〜。」
(上3枚の画像は、ドラクロワ、バジール、クールベの順です)
さて来週14日からはまた面白そうな“Au-delà des étoiles. Le paysage mystique de Monet à Kandinsky”(星を超えて~モネからカディンスキーまでの神秘的な風景~)展が始まります。
オルセー美術館通いはこれからも続きます☆
À demain(^^)/
☆おまけのパリ話・Belle et Bonne Blogも更新☆
今日は、「楽しいKaramel Paris」
⇒ http://belleetbonne.blog.fc2.com/blog-entry-1447.html
<info>
Musée d'Orsay(オルセー美術館)
1 Rue de la Légion d'Honneur, 75007 Paris
http://www.musee-orsay.fr/fr/accueil.html
<Profile>
KEICO
新潟県の旅館に生まれるも女将にならず、上京、進学、就職、まさかの出逢いと結婚。
約10年間のOL生活の後、2004年渡仏。
現在は夫と共にパリ・東京を行ったり来たりな生活中☆
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