
ティツィアーノとヴェネツィア派展
あ〜♡と今振り返っても美味しかった・楽しかった昨年秋のヴェネツィア旅行。
ようやく先日アルバムの整理が終わったところ。
こうしてまたヴェネツィア熱が上がったところで、東京都美術館で開催中の「ティツィアーノとヴェネツィア派展」に行ってきました。
イタリア・ルネサンス、ヴェネツィア派の巨匠Tiziano Vecellio(ティツィアーノ・ヴェチェッリオ)でまず思い出すのはヴェネツィアのサンタ・マリア・グローリオーサ・デイ・フラーリ教会の祭壇画「聖母被昇天」。
フラーリ教会はいつも泊まるホテルから近いのでヴェネツィアに行くとお参りがてら立ち寄る教会なのです。
構図がダイナミックで、天使に囲まれ天に召されてゆく聖母マリアがドラマティックに描かれた色彩の美しい一枚は、私がティツィアーノに興味を持つきっかけになった一枚。
ティツィアーノは長命な画家で、88歳というルネサンスに活躍した画家の中でも最も長い生涯を送っています。
今ほど医療も発展しない中での長生き、その健康の秘訣を伺ってみたい…。
その長い人生の中で作風がどんどん変化していくのがティツィアーノの特徴の一つと言われてますが、生涯変わることがなかったのは、その独特な色彩感覚☆
フィレンツェのウフィツィ美術館からやってきたバラ色のヴィーナス「フローラ」。描かれた女性は、右手に持つバラの花束で示されるようにローマ神話の花と豊穣の女神フローラとされています。神話画ではなく女神に扮した娼婦の肖像であるとも考えられるそう。
本物はフローラの金色の髪が豊かで美しく、思わず触れたくなる肌質です!
そして今回一番楽しみしていたのはナポリのカポディモンテ美術館からやってきた「ダナエ」☆
ギリシャ神話に登場する女性・ダナエはアルゴス国の王女。王は娘の子に殺されるであろうという神託を得たためダナエを青銅の塔に幽閉しますが、ゼウス(ホント女好きだ…)が金色の雨に変身して(雨になるとは、さすがというか恐るべしゼウス)彼女と交わるという有名シーンを描いた一枚。
大胆に寝そべって雨を見つめる恍惚のダナエはなんとも官能的でした。
本展でティツィアーノ以外で一番好きだったのが、このジョヴァンニ・ベッリーニの「聖母子」。
手すりにキリストを乗せている構図が私には新鮮で、静謐な美しさは観ていると心に静寂が訪れる感じ。
ルネサンス期のヴェネツィア美術の礎を築いたのはベッリーニ工房とヴィヴァリーニ工房。ティツィアーノはベッリーニ工房の出身なので、こういった師匠の作品に影響されながら独自の色彩表現を身につけていったことがわかります。
私の中のイメージと大きくかけ離れたのがパルマ・イル・ヴェッキオの「ユディト」。
ユディトと言ったら妖艶で気が強そうで頭が良さそうで、体型的にはスレンダーなイメージ。ファム・ファタルな魅力を放つクリムトの描いたユディトが私の中では最もユディトっぽくて好き。
そういえばそんなクリムトのユディトを初めて観たのもヴェネツィア旅行をした時でした。
(その時の記事⇒ https://madamefigaro.jp/paris/blog/keico/51895242.html )
ティツィアーノと並び称され、どっちが好き?とヴェネツィアを訪れる度に自問するのがJacopo Tintoretto(ヤコポ・ティントレット)。
本展にはティントレットの「レダと白鳥」が来日☆
本物はレダの後ろの赤が綺麗で白い肌とのコントラストがくっきりしています。
海洋貿易で栄え、東西文化が交わり独自の社会を形成し繁栄した水の都ヴェネツィア。
本展を鑑賞して改めてキラキラと光が眩しい街の上だからこそ、色彩豊かな芸術が生まれ育ったことを感じました。
繰り返し訪れるほどに、表面的な面白さとは違った色々な魅力や実は美味しいレストランも多くあることを知り、ますます好きになっているヴェネツィア。
またアルバムページを増やしたく訪れたい!
À demain(^^)/
☆おまけなBelle et Bonne Blogも更新☆
今日は、「焼肉ミーティング」
⇒ http://belleetbonne.blog.fc2.com/blog-entry-1459.html
<info>
ティツィアーノとヴェネツィア派展@東京都美術館
東京都台東区上野公園8−36
03-3823-6921
http://titian2017.jp/
<Profile>
KEICO
新潟県の旅館に生まれるも女将にならず、上京、進学、就職、まさかの出逢いと結婚。
約10年間のOL生活の後、2004年渡仏。
現在は夫と共にパリ・東京を行ったり来たりな生活中☆
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