いつだってOn Time☆
友人のフランス人 BTご夫妻とディネ。
場所は、ご夫妻がここ半年間で特にお気に入りの一軒という7区の“Tomy & Co”(トミー&コー)。
(関連ブログ→ https://madamefigaro.jp/paris/blog/keico/7tomy-co.html )
20時の待ち合わせで私たちは5分前に到着。
でもレストランに入ると、もうご夫妻はいらしていた。
(↑テーブルにつき、アミューズ&シャンパンで乾杯の後に4種類のグラスがセッティング!)
BTご夫妻はとにかく時間にとても正確で几帳面、いつだってon time☆
一般化はできないし、身を置く業界によって違うのだろうけど、私がパリ生活スタート当初に困った&戸惑ったことの一つがフランス人の時間感覚。
14時に、と約束して職場へ伺ってもランチから戻ってないことは茶飯事。
だったら約束は15時に、と変えてもタバコ&コーヒーブレイクしていたりでon timeに会えるのは3回に1回くらい。
アポを取っていたテレビや水道管の修理の人も遅れてやってくる。
スキーやフランス語のプライベートレッスンの先生も9時からスタートなのに毎度10〜15分遅刻は当たり前。その上「遅れてすみません」の言葉も「メトロが遅れました」の言い訳もなく、平然と「ボンジュール」で始まる。
(サラダ仕立てのBioサーモンのコンフィ。パッションフルーツビネガーやレモンを効かせた甘酸っぱいドレッシングが美味)
長らくOL生活を送り、最後の5年間は役員秘書という業種だった私には時間厳守は当たり前。ボスが出勤する前には整理整頓、身支度バッチリで背筋を正してスタンバイ。たとえ10分でも遅刻はご法度。なので毎朝駅から猛ダッシュでデスクにはヘッドスライディングの形相、とにかく必死でした。
(実際一度ヘッドスライディングをしてパンツの膝を破くという失態も…)
なのでパリで出会うフランス人の遅刻はカルチャーショックだったのです。
とは言え、逆にレッスン終了時間がきても教えていることに夢中になったり、ある話題で白熱した場合は時間など忘れて区切りがつくところまでとことんやってくれる。超過時間分があーだこーだいう人に出会ったこともありません。そのへんはなんとも大陸的大らかさ、ある種のゆとりさえ感じます。
(↑黒トリュフと栗のニョッキ。仕上げは36ヶ月熟成のパルメザンチーズをたっぷり。ここ最近食べたニョッキの中では抜群の完成度)
仕事関係でもないプライベートなお付き合いなのに、BTご夫妻は基本約束の5〜10分前集合。
直接レストランで待ち合わせることが多いのですが、その際早めに来てテーブルの確認、メニュー&ワインリストのチェック。
私たちが着くと「このテーブルで良かったかな?今日のオススメメニューは〇〇だって。ワインも一通りチェックしといたけど、ローヌワインとか美味しそうだよ」とムッシュB。隣りで微笑むマダムT。
その用意周到さ、オーガナイズ好きというのか?何事もきちんとプランを立て、その中でタイムスケジュール管理は重要で、しっかり行動に移していく気質は誰かに似てる?!
夫だ。。
なのでこの二人はウマが合い、随分と先の予定をどんどん立て、それらが全て実行されることに驚くばかり。
(3人がこのニョッキうま〜!と盛り上がる中、一人生牡蠣を楽しんでいたのは夫)
どんな人間にも平等な1日24時間。
1時間、たった5分でもその価値観、使い方は人それぞれの中で、私はいまいちど時間の大切さを自分なりに考え直してみた方がいいなと感じてます。
何かに追われるように過ごすのも疲れるだろうけど、時間はけして無限ではないから。
(メインは全員、ブフ・ブルギニョン! 玉ねぎのフリットが甘くサクサクとアクセント、ほうれん草がたっぷり入ったトミー風赤ワイン牛肉煮込み)
昔々の小学生の頃、体育の時間の後、着替えが遅れて次の授業に5分遅れた女子グループ。当然私もその中の一人。
担任の柳先生は「こら、5分遅刻だぞ!」と。
が、先生にも物怖じしない我らのリーダー・PTA会長の娘リエコちゃんは「たった5分ぐらい、いーじゃんね」とつぶやいた。
それを聞いた柳先生が静かにキレた。
「みんな今から目をつむりなさい。イイって言うまで目を開けるな!」
「はい、やめ!」で目を開けたのは5分後。
「この5分、短かったか?長かっただろ?5分って長いんだよ。その時間を一部の生徒が遅れて授業が始められず今日は無駄にした。それは5分を無駄にしただけでなく、時間通りに席についてるクラスメート分の時間を奪ったってことだ。みんなの大切な時間を奪ったことを反省して欲しい。」
この出来事は当時の小学生ケーコにはとても沁みたのですが、仕事を辞めてからはどんどん時間にルーズになってました。。
(チーズはお店の定番、バスク地方のオッソ・イラティにチェリーのコンフィチュール。お好みで燻製がかった唐辛子パウダーをつけて)
BTご夫妻はこれから出かける春スキーやニューヨークへのバカンスなどの予定を話してくれました。
きちんとした彼ららしく、計画はバッチリの様子。
K「几帳面なムッシュBについていくマダムTが偉いよ。大変なんだろうな、シンパシー感じるよ。」
夫「は?わかってないねー。B以上にマダムの方がきちんとしててルーズなのは嫌いなんだと思うよ。彼女はいろんな意味でとても真面目。話しててわかるだろ?!」
K「わからんです」
夫「・・・。とにかく、君もマダムをちょっと見習って俺の時間を無駄にしないで欲しいもんだな」
K「やっぱり私は時間に縛られない、大らか大雑把、その場のノリで生きていこうかな…」
夫「なんだ、反省してたんじゃないのか!?」
(タピオカをベースに、上にバジルとフランボーズのアイスクリームの載せたさっぱりデセール)
これからもBTご夫妻とは良い関係でいたいと思うので、その為にも約束や時間には誠実でありたいと思います。
「ラテン系って時間にルーズでしょ」と言われることはありますが、やはり人による。
私としては時間は大切に、でも適度に大らかに。いろんな意味で日本人とフランス人の良いところをミックスして生きていければ…と思ってます。
そにしても、この日もよく飲みました。
最初にグラスシャンパンで乾杯の後、ブルゴーニュの白ワイン1本、ローヌの赤ワイン1本、ラングドックの赤ワイン1本、最後はシードル1本。最初に4種類のワイングラスがセットされいたことも納得。。
こんなに飲んでも酔ってベロンベロンになることもなく、毎度私たちのタクシーまでパパッと手配し、「じゃ、またねー♬」と素面で去ってゆくBTご夫妻は頼もしい友人です。
☆Belle et Bonne Blogも絶賛更新中☆
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