
マチュー・ガニオ☆ポートレート
パリに暮らすようになるまではバレエ鑑賞にあまり興味はなく、バレエに関して何ら知識も経験もなかった私が一夜にして心を鷲掴まれてバレエファンなった理由は(以前にも書いてますが…)2005年秋に当時若干21歳の若きエトワール・Mathieu Ganio(マチュー・ガニオ)が踊る"CALIGULA"(カリギュラ)を鑑賞したことがきっかけでした。

以来、マチューの、そして彼の所属するパリ・オペラ座バレエ団のファンに♡
最近はなかなか生マチューを鑑賞する機会がなく、がっかりしていたところに嬉しいニュース!
今月初めに「マチュー・ガニオ ポートレート パリ・オペラ座 究極のエトワール」なるDVDが日本で発売。
もちろん発売前から予約。
が、届いてからすぐに観れずに悶々としてましたが、昨夜ようやくゆっくり鑑賞することができました。
(以下の画像はマチュー・ガニオ ポートレート パリ・オペラ座 究極のエトワール DVD画面より)

2004年に二十歳でプルミエ・ダンスールを飛び越して、バレエ団の頂点「エトワール」へと異例の飛び級昇進したマチュー。
現在34歳となった彼はエトワールとしてのキャリアが最も長い首席エトワール☆
本作はリハーサル風景から公演本番、母でありスターダンサーであったドミニク・カルフーニによるエピソード、親しいバレリーナたちへのインタビューなどを含めたドキュメンタリー作品。
(2018年にWOWOWにて放送された「マチュー・ガニオ パリ・オペラ座の頂」と同内容の本編に特典映像を加えたもの)

いきなり美しいママとの2ショット♡に思わずDVD一時停止。
これまでにマチューの登場する映画やバレエDVD等は見ているものの、特に今回嬉しかったのはこうした彼の幼少期の可愛い画像が満載だったこと。

マルセイユで伸び伸びと育ったことが伺える。
そして生まれた時から子供の頃から本当に可愛い…♡
伝説のエトワールな母ドミニク・カルフーニと父ドゥニ・ガニオもバレエダンサーという両親を持ち、生まれながらにサラブレッドで貴公子なマチュー。
理想的と言われるプロポーションに恵まれ、その美しい容姿と優雅な雰囲気はバレエ漫画の主人公のよう。

この頃にはすでに今のマチューっぽい。
マルセイユで育った彼はパリのオペラ座バレエ学校に入学するものの、寮生活に馴染めずに一度はマルセイユに戻ってしまったそう。
その後当時の校長先生の説得に従い、バレエ学校に戻った、というエピソードはちょっと意外でした。
(私の勝手なイメージではマチューはずーっと優等生だったので)
友達と外で自由に遊びたい盛りにレッスン&レッスンの毎日、規則に縛られる生活はきっと大変だったと思う。

現在同じくパリ・オペラ座バレエ団に所属する4歳違いの妹マレーヌとの絆は固く、仲良し。
今でも率直な感想やアドバイスはマレーヌに仰ぐそう。

「マノン」「オネーギン」などドラマティックな作品でパートナーシップを築いたイザベル・シアラヴォラとは本当に仲が良さそう。
涙を流すほどの大笑いしているマチューを初めて見ました。
こうしていちいち一時停止してみても、どんな瞬間も絵になる美しさであることに驚く。
どんなにイケメン、美人であろうと不細工に写る瞬間というものがあるだろ〜と思うけれど、マチューには無い?!
まずダンサーだから当然姿勢が良いし、何気げ無い動き、話し方、物腰もエレガント。
その恵まれた容姿にフランスバレエの伝統を受け継ぐ正統派として「ダンスール・ノーブル」(←定義に関しては色々と論じられるらしいけど私の中では抜群のテクニックとエレガンスを持ち、プリマを引き立て支えるダンサー)と評されるのも納得。

マルセイユの子供時代からマチューを知るドロテ・ジベールにもインタビュー。
これからも彼らの共演が楽しみでたまらない♡

私が初めてマチューの公演を観てから十数年。
彼も34歳になったことにも感慨深い気持ちになりました。
過去の映像を交えての本作DVDをみていると、若くしてエトワールに抜擢され、今後を大きく期待され、若さとともにキラキラしていた頃に比べ今はすっかりベテラン。
10年前とはまた違った悩みや葛藤や想いがあるのだろうな…と(勝手に)思います。

はっきり言葉にしたわけでも無いけれど、周りが求めるものや期待する像と自分がやってみたいこととのギャップもあるように感じました。
私自身、マチューが踊るクラシックでロマンティックなバレエが大好きだけれど、コンテポラリーバレエの稽古をしているマチューはなんだかとても楽しそう、というか、新たな発見もあるようで一層イキイキしているように見えました。

夢の舞台、パリ・オペラ座バレエでエトワールとして立てるダンサーは一握り。
これから42歳でオペラ座バレエ団の定年を迎えるまでまだ8年、一層の活躍を願うとともにこれからも何度でも観たいマチュー・ガニオです。
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