
プティ・パレ☆ロンドンの印象派展
カラッと晴れた気持ちいい日に“Le Petit Palais”(プティ・パレ美術館)へ行ってきました。
こちらも自宅から徒歩圏内で常設展は無料といこうこともあり、気が向いたときにぶらりと足を運ぶ美術館の1つです。
(James Tissot “Chut!”)
今回は有料の特別展“Les Impressionnistes à Londres 〜Artistes français en exil, 1870-1904〜”(ロンドンの印象派 〜亡命したフランス人画家達の活躍1870-1904〜」展へ。
絵画・彫刻をはじめ映像、模型、写真、アトリエの再現など工夫を凝らした展示方法で想像以上に楽しめました。
いくつか設置されたこの電話もただの展示物ではなく、
受話器と取ると芸術家たちがパリからロンドンに渡った様子、その後の暮らしぶりなどが会話形式で情感たっぷりに語られます。
船の甲板を模したこのスペースに立つと目の前に荒れ狂うドーバー海峡の海の映像が映し出され、実際に船に揺られているような感じ。
かつてフランスのアーティストたちは、どんな気持ちで海峡を渡ったのでしょう…。
「えっ、床が傾いてる?」
な感覚は長く見ていると本当に船酔いしてしまいそうでした。
1870年普仏戦争の勃発、第二帝政時代が終わる頃、画家をはじめとする芸術家たちがフランスを離れ、ロンドンに亡命を余儀なくされた時代のこと。
当時のイギリスは当時産業革命とともに帝国の栄光の頂点に達していました。
本展では当時既に人気のあったカルポー、ティソ、ドービニー始め、未来の印象派画家ピサロ、モネ、シスレーなどの作品を展示。
しかし実際当時は有力画商リュラン=デュエルの力添えにも関わらず、未来の印象派巨匠の評価を確立することはロンドンでは叶わなかったそうです。
個人的に一番好きだった1枚は、James Tissot(ジェームズ・ティソ)のLa galerie du H.M.S Calcutta(カルカッタ号の看板で)。
潮風と眩しい日差しを浴びながらのんびり進む船旅にちょっと憧れてしまう作品。
それにしても女性が着ているこのシースルーのドレス、素敵♡
ストライプ柄で背中と腕の透け感がツボで思わず接写。
(James Tissot “Le Pique-Nique”)
ジェームズ・ティソの描く人々はどの作品も上品な雰囲気をまとっている☆
センセーショナルなマネの「草上の昼食」とは対照的。
最後のブースはClaude Monet(クロード・モネ)のLe Parlement, trouée de soleil dans le brouillard(ロンドンの国会議事堂、霧を貫く陽光)の連作。
モネは冬のロンドンの霧が織り成す雰囲気、その風景に魅了されたそう。
「好きなのは冬だけ。」
「霧が無ければロンドンに魅力はないだろう。」
「霧はロンドンに驚嘆に値する広がりと規律正しく建てられる建築物に神秘的なヴェールと静けさを与えている。」
モネはそんな言葉を残しています。
それにしても個人的にはこの夏は色々なモネの作品に触れる機会に恵まれたことで改めてモネ好きになりました。
(関連ブログ→ https://madamefigaro.jp/paris/blog/keico/musee-de-lorangerie.html )
そして最後は、Andre Derain(アンドレ・ドラン)の“Big Ben”。
初めて目にした時、一目惚れした一枚に再会♡
パリから近いけれどなかなか行く機会がないロンドンに思いを馳せながらプティ・パレを後にしました。
さてロンドンもいいよね〜!な気分の直後は、スコーン?ティーケーキ?ショートブレッド?
こんな日はやっぱりビールでしょ♡と冷えたロンドンビールで生き返った暑い日でした。
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