
ハムレットQ1☆PARCO劇場
シェイクスピアは大好きです!
というわけで、PARCO劇場で上演中の『ハムレットQ1 』を観劇してきました。
主人公ハムレットを演じるのは、吉田 羊さん☆
その恋人オフィーリア役には、飯豊まりえさん。
そしてハムレットの親友ホレイショ―に牧島 輝さん、オフィーリアの兄レアティーズに大鶴佐助さん、ハムレットの母親ガートルードは広岡由里子さん、ハムレットの叔父で策略によって王位を手にするクローディアスには、吉田栄作さん!という豪華キャスト。
ウィリアム・シェイクスピアの四大悲劇の一つの『ハムレット』は、時代を超えた名作、ストーリーも有名なのでここでは割愛。
私も繰り返し観劇している作品なのですが、「あれ?Q1って??」と、今回初めて「Q1」という言葉に気づき、知りました。
『ハムレット』には3種類の原本があり、二つの四折版(Quatro)がQ1とQ2、もう一つの二折本(Folio)がF1と呼ばれているのだそうです。
Q、Fは判型のことで、全紙を半分に折ったサイズをフォリオ(二つ折本)、それをさらに半分に折ったサイズをクオート(四つ折本)と言って、頭文字を取ってFとかQと。
現在では、Q1(1603年刊行/約2,150行)が、Q2(1604~1605年刊行/約3,700行)の原型ではないか説も多く、Q2は草稿版、F1(1623年刊行/約3,550行)が当時の劇団保管の演出台本で、Q2を参考に制作されたとも言われているそう。
(オフィシャルサイトより↓)
え、、ハムレットには3つも原本があったんかい!?
新鮮な驚きと、シェイクスピアのあれこれは、研究テーマとしては相当面白いんだろうな〜などと、思いながら劇場へ向かいました。
この日はマチネ公演。
(満席⭐︎どうでもいいことだけど、私の座った席の1列前に大女優さんの姿が。魔女のような私服にもびっくりよ。ミーハーK子、ちょいちょい気になりました)
私自身は、久しぶりの『ハムレット』観劇だったのですが、改めて本作品は複雑なテーマを持ち、多くの解釈や分析が可能で深いな...を痛感。
物語は、父王の殺害に対する復讐が中心となっているわけですが、その復讐の正当性やその結果について深く探求する主人公の苦悩と葛藤に毎度引き込まれます。
そして全体を通じて繰り返される生と死のテーマ。
あの名台詞「To be, or not to be,that is the question」(生きてこうあるか、消えてなくなるか:このままでいいのか,いけないのか:それが問題だ)。
劇中、男装の麗人風な吉田羊さんからこのセリフが出た瞬間、思わず「出た!」とちょっと痺れた☆
またハムレットは、復讐を果たすために狂気を装うわけですが、観ていると本当にどこまで正気なのだろう...?実際もう狂人では?
人が狂気に陥る瞬間は?きっかけは?いつか私もそんな経験することもあるんだろうか...?と少し怖くもなりました。
更に被せるようにオフィーリアの狂気が哀しく重なって。
どんな人にも狂う、狂いたくなることはあるのでは...。
つくづく、本当につくづくハムレットは面白い!
その魅力は、ハムレットの心理描写が非常に緻密で、彼の独白や対話から内面の葛藤や悩みがリアルに迫ってくること。
繰り返し観ることで、自分が歳を重ねる中で見える部分、感じる部分、引っかかる言葉・セリフも違ってきます。
本公演はテンポが良く、わかりやすく、W吉田(羊さん&栄作さん)はカッコ良く、飯豊さんは可憐に可愛く(声も綺麗で♡)舞台から目を離せませんでした。
ハムレットに限らずシェイクスピアの作品が時代を超えて支持され続ける理由は、たくさんありますが、まずはその普遍的テーマ。
人間の本質や経験を深く探求する、愛、嫉妬、権力、復讐、裏切り、狂気などは、時代や文化を超えて心に響きます。
そして社会の在り方について考えさせられるだけでなく、その芸術性と言葉の美しさ、セリフの面白さが人々の心を引きつける。
多くの解釈が可能で、異なる時代や文化に合わせた新しい読み方が常に生まれる古いけど新しい、そんなシェイクスピア作品は今後も積極的に鑑賞したいです。
*****K子のつぶやき*****
NYの友人Jから「パリで君たちのオススメレストランで人生初の鳩を食べた!すんごい美味しかった!!」と感激の連絡が届きました。
K「え...食いしん坊なJがハト初めてなの?!鳩って普通に食べるよね」
夫「アメリカじゃあまり食べないかも」
K「あら意外」
夫「結構保守的よ」
偶然にもそのメールが届いた時、私たちも鳩を食べていたのでした。
ARCHIVE
MONTHLY