Fromagerie☆Maison Durand
そろそろ帰る時間…とグランヴィルの駅に向かう途中で思わずショーウィンドーに釘づけ!
美味しそうなチーズがズラリ☆
それまで見てきたお店の中では格段に美味しそうな雰囲気を醸しておりました。
ノルマンディーのチーズと言えば、 カマンベール、ポン・ レヴェック、リヴァロ、ヌフシャテル!
まずはこの4つを押さえましょ〜的にパリ暮らしを始めた当初、最初に慣れ親しんだのがそれらのノルマンディーチーズでした。
いずれも比較的食べやすい白カビ、ウォッシュタイプ。
フランスはチーズ大国。
とりわけノルマンディー地方は一年中気候が穏やかで雨量も多く、良質な牧草が絶えないことから酪農が盛んなチーズ王国。
ノルマンディーに行くと牧草地にはゴロゴロと牛(ノルマン種)を目にしますが、その特徴は目元。
ノルマン種は白地ボディに茶色の斑点模様があるのですが、目のまわりがパンダのように黒く、まるでサングラスをかけているみたい。
(wikipediaより↓)
と言うわけで、“Maison Durand”と言うフロマジュリーに入ってみました。
シェーヴル好きとしては気になる♡
チーズに合うワイン、シードル、コンフィチュールなども販売。
比較的日持ちのするハード、セミハードタイプも魅力的。
でも初心貫徹!
まずは最初から探していた一番好きなノルマディーチーズ、「ポン・レヴェック」(Pont-l’Eveque)を。
12世紀には修道院で作られ始めたという記録が残っているそうで、最も古くから作られていたチーズという説もあるとか。
とにかく歴史あるチーズで、ウォッシュタイプです。
やはり外せない!な「カマンベール・ド・ノルマンディー」(Camembert de Normandie)。
過去に何度もフランス語の先生に言われたこと、
「日本のスーパーで売ってるような某カマンベールはカマンベールじゃな〜い!」と。
やはりご当地ものとなると譲れないことが色々。
圧倒的知名度の「カマンベール」ですが、本家本元のノルマンディーを名乗ってよいのは、無殺菌乳を使い、限られた地域で決められたルールで造られたものだけ。
その味わい、香り、テクスチャーは確かに日本のスーパーなどのものとは別物。
食べやすいイメージというよりは、なかなかのクセモノ。つまり香りが強く、ねっとり度も強め。
そしてシードルがよく合う♡
と言うことで、一緒にシードルも買ってきました。
アーティチョークを添えていただきました。
そしてポンレヴェック。
結構な大きさのものだったので、毎日少しずつその熟成変化を楽しみながらいただきました。
熟成は進むほどに香りが強まり納豆級に。
ですが、その味わいは香りほどワイルドにならず、どこまでも上品。
最初は牧草地のような青っぽい香りがしたものの、徐々にナッツのような香りが増し変化していきました。
その変化を思うと、これは赤ワインに合います。
アプリコットのコンフィチュールを添えて☆
そして最後に衝動買いしたのが、
K「み、緑のチーズ。。」
夫「気になる。買って!」
K「緑過ぎてパス…」
夫「じゃこれは?」
K 「おっ!それそれ、前から気になってたチーズケーキ♡」
夫「ケーキなの?」
K「ウィっ♡」
“ Tourteau fromagé”(トゥルトー・フロマジェ)と言う黒いチーズケーキです。
薄いタルト生地に山羊乳のフレッシュチーズ、砂糖、卵、小麦粉、レモンの表皮などを混ぜ合わせたチーズ生地を流して焼きあげたもので、パリのチーズ屋さんでも時々見かけますが、その発祥地については諸説あり、19世紀頃フランス西部シャラント県のRuffigny(ルフィニ-) という村で生まれたという説が最有力説だそう。
ある日、ルフィニ-村のある女性料理人がいつものようにチーズタルトを作っていたところ、オーブンに入れた事をすっかり忘れてしまい、タルトを取り出した時には丸く膨らんではいたものの真っ黒焦げ状態。
彼女がそのタルトを隣人にあげたところ、真っ黒な見た目に驚いたものの、切ってみると中はしっとりふんわり素晴らしく美味しいお菓子だった!というのが、このトゥルトー・フロマジェの起源と。
K「って話なんだけどさ、この手の失敗した結果美味しいものができたはあるある伝説。でも、焦げて失敗したと思ったものを人様にあげる〜?お隣りさんも食べて美味しかったから良かったけど、まずかったら関係悪くなるよ。。」
夫「人のこと言えないと思うんだけど。君、昔バレンタインに焼いたガトーショコラの表面が丸焦げで、それを俺にくれたよね?」
K「焦げた部分は包丁で刮ぎました!」
夫「失敗作を食わせたことは同じ…」
で、この形、何かに似てる。
それに名前でピンとくる方も多いと思いますが、“Tourteau”(トゥルトー)はフランス西部の大西洋に面する Poitou-Charentes(ポワトゥー・シャラント地方)で獲れる有名なカニの名前。
なのでこのお菓子はカニの甲羅の形に似ていることからもこのように呼ばれています。
どこまで焦がすかがポイントらしい“ Tourteau fromagé”(トゥルトー・フロマジェ)。
紛れもなくその真っ黒は焦げなのですが、変な苦味はなく、サクッと香ばしく、中はしっとり&フワッとスフレタイプのチーズケーキのようでとても美味しかったです♡
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