パリの子ども事情

パリからの日帰り旅行。

先週末から秋休み(Toussaint)が始まっています。
前にも話しましたが、フランスの学校は2カ月ごとにヴァカンスを設定しています。
今回は来週の水曜日までですから12日間のお休みです。

この短いヴァカンスは2カ月間の夏のヴァカンスのように、仕事を休まない親が多く、週末だけヴァカンス気分を子どもたちと味わおうという家族が多いように思います。

そんな時に思いつくのが、パリから日帰りのプチヴァカンス。
パリから20キロ離れれば、もうカンパーニュ。畑や森が点在しています。
そして、パリを中心に360℃見所がいっぱい広がっているのです。

さて、今回はノルマンディのモネの庭園でも有名なGivernyに程近い、Les Andelysに行ってきました。
村と雄大に流れるセーヌ川を見下ろすGaillard城は高い岡の上に建てられています。


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崩れかけた城壁が残り、こんな道を登っていきます。


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かなり急な坂道もあり、でも、お城が見え始めているのでがんばって登ります。


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今も修復、復元作業がされているので、何年か後には立派なお城が蘇る予定です。

フランスの男の子たちには、ここ何年か「シュヴァリエ」中世の騎士が大人気。
絵本や、仮装、人形、塗り絵などと、まるでキャラクターグッズ並みなのです。
そんな男の子たちが、お城が好きだったり行きたかったりするのはあたりまえ。
女の子がお城でプリンセスになった自分を想像するのと同じように、男の子たちの頭の中はここで戦っている自分を想像するんだろう。
大砲の穴を見つけたり、牢屋に入ってみたり。


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そうなんです。お城の中に入るとちょっと怖い感じの牢屋の部屋が。
しかし、そこからのセーヌ川の流れは美しく、見とれてしまうほど。
ちょうど、中州があって、そこには大豪邸が見えました。
「自分の船で岸に渡るんだね!」とそんなことにも大興奮の子どもたち。


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城壁の内側の中庭には、中世の子どもたちが遊んでいた遊具が置かれていました。
絵の描かれた説明書もあって、実際に遊べます。


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輪投げはどの時代もどこの国でもあるんですね。
そして、「本当に昔の子どもがこれで遊んだのかな~」
「なんか不思議な気分だね~」などと言いながら、夢中で遊ぶ子どもたち。
時代を超えるってこういうことなのね、と、妙に感心してしまいました。


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セーヌ川の河原から見るお城。
こんな高いところにそびえ立ち、権力を誇る象徴。
闘いの果てに終わってしまったひとつの歴史。
このお城を修復する理由は血で血を染めた歴史を忘れないため。
だといいな~と思うのでした。

松永麻衣子

パリ在住ジャーナリスト

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