花で紡ぐパリの日常。

ただいま、パリ。

Bonne Année!
明けましておめでとうございます。

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近所のマルシェで買ったヤドリギ。“porte-bonheur”(幸福を運ぶ)と書かれていました。ヤドリギの下でキスをしたカップルは永遠に結ばれるといった言い伝えがあるように、フランスでは幸福の象徴として親しまれています。家に帰って、シャンデリアのように窓辺に吊るしました。乳白色の実が可愛らしく、眺めているだけで幸せな気持ちになります。

昨年のクリスマスの日。息子と一緒に、パリに戻ってきました。
生後6ヶ月の息子を連れての長時間フライトは緊張しましたが、客室乗務員の方々の感動的なまでの手厚いサポートのおかげで、なんとか無事にフランスへ入国しました。

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CDG空港の到着ロビーに降り立つとまず、花束を抱えて待っている男性が何人もいることに驚きました。
どんなブーケなのかしらと目をやると(職業病です)、いずれもバラを10本束ねただけといったシンプルなものが多く、仰々しい「クリスマスプレゼント」というよりも、ただ純粋に、大切な人に会ったその瞬間に「気持ちを伝えるため」に、花を贈るという文化があるのだなと感じ、フランスに戻ってきたなとしみじみ思いました。

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フランスでは、クリスマスには生のサパン(もみの木)を家に飾るのが一般的で、小さめのものならマルシェやスーパーマーケットにも売っています。写真は近所のマルシェに売っていたサパンたちで、値段は35ユーロでした。
パリのフローリストRosebud fleuristesでの修業時代、たくさんの店舗や個人宅のサパン設置に同行しましたし、借りていたアパルトマンの大家さんご一家が集まるクリスマスのランチに呼んでいただいたこともありました。彼らが家族で過ごすクリスマスを大切にしていることを体感した経験でした。

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2021年は我が家にもサパンを飾ろうと思いつつ、2020年は、インテリアとして飾っている苔木がクリスマスツリー代わりに。

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この苔木は、以前パリコレの装花で使ったものですが、あまりにも立派で美しかったので、えっさほいさと持ち帰ってきて、冬の間はいつも家で飾っています。

翌朝、冷蔵庫の中に発見したのは、夫が作った沢山のビュシェット・ド・ノエル。ビュッシュ・ド・ノエルのミニバージョンです。

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箱の中に並ぶ美しいケーキたちに、思わずクリスマスツリーの下にプレゼントを見つけた子供のように歓声を上げた朝でした。

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いろいろなことがあった2020年ですが、ささやかな日常の風景が、かけがえのないものなのだとより強く実感できた年でもありました。積み重ねてゆく今日も、明日も、美しい。2021年も、皆様にとって、心温かな幸せに満ちた年でありますように。

守屋百合香

フラワースタイリスト
パリのフローリストでの研修、インテリアショップ勤務を経て、独立。東京とパリを行き来しながら活動する。パリコレ装花をはじめとした空間装飾、撮影やショーピースのスタイリング、オンラインショップ、レッスン、コラム執筆などを行う。
Instagram:@maisonlouparis
www.maisonlouparis.com

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