花で紡ぐパリの日常。

エフォートレスビューティーという神話。

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パリジェンヌといえば、「エフォートレス」が代名詞。
ファッションだけでなくビューティーにおいても、「寝起きでパパッと来ましたけど、何か?」的な抜け感であったり、「他人の目、ましてやモテなんて気にしていませんが、何か?」的な媚びない姿勢が、お洒落、粋、善とされる風潮があるように感じます。
実際、フランス人には、良い意味で適当で力の抜けたところが素地としてあるのは間違いないものの、なんといっても美容大国のフランス。美容に対してお金も労力もかけて努力している女性も多いので、「エフォートレスなパリジェンヌ像」は半分真実で、半分は偶像でもあると感じています。

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他人の目を気にしないところは、正確に言えば、多くの人種が集まっているパリで、皆、肌の色も髪質も体型も目の色も様々なのに、一つの基準ではかるのは無意味なので、「他人は他人。自分らしい美しさを追求すれば良い」という考え方を持つようになるのは自然なことのように感じます。そして皆それぞれが違うことを前提として知っていて、「皆と同じが善」ではないからこそ、他人を鏡にして、自分らしさを知ることもできるのかもしれません。

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美容について努力している女性も多いと先述しましたが、私が感じるのは、自然の力を少しずつ借りて、無理のない美容法を生活に取り入れるのが上手な人が多いということ。
オーガニックの食品にこだわる人が多いフランスでは、美容も自然派志向の人が年々増え、今や大手スーパーのモノプリからも、オーガニックを売りにしたコスメが出ているほど。
アロマやティザンヌ(ハーブティー)といった植物を取り入れた健康・美容法も、身近なものとして生活に根付いていますし、日本でも人気が出てきているクレイも、薬局や自然派スーパーでよく見かけます。

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クレイは、グリーンやレッド、イエローなど、色によって効果が違うのですが、ホワイトクレイは敏感肌の方にも使えて、赤ちゃんのおむつ替え時のベビーパウダーとしても使えるからと、出産祝いにいただきました。以来、自分でも購入するようになって、愛用しています。ちょうど今の時期は、汗疹を防ぐため、息子にも自分にも、全身に使っています。クレイは、ブロカントで購入した古いガラスの瓶を煮沸消毒したものに保存しています。

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実は、今まで既に二度、それぞれ別の友人から「これ、すごくおすすめだよ」とクレイをプレゼントされたこともあります。贈ってくれた友人は二人とも、素肌美を生かしたナチュラルメイクがいつもとても素敵な女性。パリジェンヌの「エフォートレスビューティー」の秘密を垣間見たような気がしていました。

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最近私が選んだのは、毛穴汚れをすっきり落としてくれるという、フランスでは一番人気だというグリーンクレイ。こちらは粉状ではなく、ペースト状になっていて、使いやすい仕様です。クレイマスクをすると、日本からの長いフライトや環境の変化でポツポツと顎にできた吹き出物がすっと治まり、乾燥しすぎることもなく、毎日使えて気に入っています。

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生まれてこの方、私の美容偏差値は常に低空飛行なのですが、ほんの少し、自然の力を借りて暮らしに取り入れることは心地良く、香りや手触りに、ふっと肩の力が抜ける柔らかな瞬間があります。「エフォートレス」を装う美容ではなく、その瞬間の感覚こそが、真のエフォートレスビューティーに繋がるのかしら・・・などと思いを馳せる、夏の午後でした。

守屋百合香

フラワースタイリスト
パリのフローリストでの研修、インテリアショップ勤務を経て、独立。東京とパリを行き来しながら活動する。パリコレ装花をはじめとした空間装飾、撮影やショーピースのスタイリング、オンラインショップ、レッスン、コラム執筆などを行う。
Instagram:@maisonlouparis
www.maisonlouparis.com

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