古株牧場のつやこフロマージュ

滋賀県竜王町は肥沃な土壌に恵まれた農畜業が盛んな地。ここで70年続く古株牧場3代目で、チーズ製造を担う古株つや子が生み出したのがこちら。酸で固める酸凝固チーズで、あっさり爽やかな酸味と柔らかな口当たりが特徴。古株は「朝に搾乳したばかりのミルクを使用し、ミルク本来の力を活用して発酵するよう心がけています」と語る。冷蔵庫で熟成が進んでいくので、味の変化も楽しみのひとつ。シンプルにバゲットにのせたり、ハチミツやハムと合わせたりできるが、意外にもユズ胡椒や味噌、ワサビ、海苔など、和の食材とも好相性だそうで、試してみたい。
*「フィガロジャポン」2023年10月号より抜粋

小長谷奈都子
フィガロ編集部で約8年働いた後、結婚を機に京都へ移住。「フィガロジャポン」「ペン」の本誌やウェブサイトを中心に、フリーランスの編集・ライターとして活動中。夫の料理屋を手伝って、時々女将。1男2女の3児の母。出身は長崎県の壱岐の島。
連載「京都上ル下ル」は京都の楽しい、美味しいを大切な友人に紹介するような気持ちで制作。