バルトの国、ラトビアでとってもお洒落な
'グリーンキー・ホテル'に出会いました。
「Reval Hotel Elizabete(レヴァル・ホテル・エリザベーテ)」リガ/ラトビア
ホテルへBon Voyage 2009.07.03
'グリーンキー'というエコホテルの称号をご存知でしょうか? グリーンキーとは1994年にデンマークに始まり、その後徐々にヨーロッパ全体に広まった宿泊施設に向けたエコラベルです。認証されるには約80もの国際的な基準で審査を受け、基準を満たしている施設にのみ授与されます。もちろん、スタッフを含むホテル全体での真剣な取り組みが必要とされますが、認証は取得することが目的ではなく、それはむしろスタート段階。持続可能な'サステイナブル'こそが求められます。つまり、一度始めたらずっと、それよりも上を目指して運営を続けていくことに意味があるのです。現在、ヨーロッパを中心に13カ国、642施設(2009年3月現在)で認証を受けており、嬉しいことに日本でも2009年3月、初のグリーンキー・ホテル&旅館が3軒誕生したところです。
ただエコロジーや環境を掲げると、人々の脳裏には未だにある種の固定観念が浮かんでくるかもしれません。小規模であり、シンプルであり、お洒落とは無縁で、何かと頑張り屋のご主人が居る・・・などとイメージしませんか?
確かに30年前はそういうところも多かったかもしれません。でも、今は21世紀。時代は大きく変化しました。バルト海に面したヨーロッパ、バルト三国のひとつであるラトビアの首都リガで、スタイリッシュなグリーンキーホテル「レヴァル・ホテル・エリザベーテ」(4ツ星)に出会いました。グリーンキーの認証を受けたのは2009年5月のことと言いますから、ピッカピカの1年生というところでしょうか。
都会とは思えない静かな中庭にはテラス席が設けられている
現在のグリーンキー・ホテルを訪ねると、国を問わず、どこもお洒落で快適滞在ができる人気の宿が多くあります。リガのこのホテルも、グリーンキーでると同時に、ラグジュアリィな高級感と、豪華な施設を備えたデザイナーズ・ブランドでもあります。都会の中心に位置するホテルらしくスタイリッシュなインテリアも印象的です。
(左)ランクが上の客室のひとつ、スタンダードルームではバスローブはオン・リクエスト(右)数々の「グリーン・キー」の秘密が隠されたバスルーム
(左)ロビー・バーラウンジ(右)ロビーに隣接するオールデイ・ダイニング、料理はインターナショナルを提供
しかし一歩踏み込んで見回せば、そこにはグリーンキー・ホテルならではの工夫も対策もズラリと揃っていました。訪れたのは認証されてわずか1ヶ月という6月中旬のことでした。関係者によれば、すでにロビーに掲げられた「グリーンキー認証」の賞状に興味を示すゲストもいると言います。
ロビーに飾られたエコロジーマーク、「グリーン・キー」認証証書
キッチュな色遣いだがすっきりとスタイリッシュなロビー
「ホテルのオープンが2008年5月という新しいホテルであることから、トップの判断から、最初から取り組もうと1年を掛けて準備しグリーンキーの認証に備えた」と関係者の話です。「実は、最初のきっかけは'エネルギーの節約にもなるから'という単純なことも理由のひとつ」とも。事実、エコロジーはエコノミーなのです。
(左)ホテルのバックエリアにあるボトルの色によって細かく分別する専門分別箱、リサイクル、リユース用(右)各階の廊下の隅に置かれたゲスト用の分別ゴミ箱
館内の天上の照明をすべて節電型電球に取り替えることや、客室にグリーンキーの案内や表示を置くことなど、まだまだ現在進行形の対策も残っているとのことですが、熱心なスタッフたちの努力で、着々と環境型ホテルへとしての取り組みが進み、グリーンキーの掲げる基準100%を目指して頑張る快適なホテルでした。
上層階から階下の中庭を望む。屋根の明り取りもエコロジー発想
環境対策をゲストに押し付けるのではなく、しかしながら啓蒙することは忘れずに、環境に優しい'エコフレンドリィ'なグリーンキー・ホテル。ラトビアでは、オープンした2008年に「ベスト・ニューホテル2008」にも選ばれたとか。これからの時代、エコホテルこそラグジュアリィであることが付加価値となるかもしれません。(K.S)
73/75- Elizabete Street Riga LV-1010 Latvia
☏:+371-6-7785-555
(予約)+371-6-777-2345 Fax/+371-6-777-2332
www.revalhotels.com
客室数/228室
客室料金/シングル127ユーロ~(ただしその日の利用状況で料金が違う、またパッケージやディカウントが多種用意されているので要問い合わせ)
施設/レストラン、バー、コートヤード・ラウンジ、ボールルーム
会議室、フィットネスセンター、他
アクセス/街の中心にあり旧市街まで徒歩10分、リガ国際空港から15km

Kyoko Sekine
ホテルジャーナリスト
スイス山岳地での観光局勤務、その後の仏語通訳を経て94年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多々、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのコンサルタント、アドバイザーも。著書多数。
http://www.kyokosekine.com