リリアンフェルズ・ブルーマウンテンズ・リゾート&スパ
カトゥンバ/オーストラリア
ブルーマウンテンの深い緑に包まれた、憧れのホテルへ!
ホテルへBon Voyage 2017.08.04
オーストラリアへは初めての渡航でした。美しい町シドニーから、車なら1時間半、列車だと2時間の距離にあるブルーマウンテンズ国立公園。シドニーからは81キロのその目的地を目指し、列車に乗り込みました。しばらくすると2階建ての列車の窓には広大な緑の大地が広がり始め、密林のような景色の中をひたすら走っていきました。
Darleysと呼ばれるホテルのアイコン的存在の館で「Darleys Restaurant &Bar」。元はダーリー卿によって1889年に建てられたサマーハウス。
そして2時間、列車がカトゥンバ(Katoomba)という小さな駅に着き、胸をワクワクさせながら降り立つと、駅は思ったよりも小さいながら、駅前は観光地らしい賑わいがありました。日本は夏ですが、こちらは真冬。昼でも9度から15度くらいの気温でした。さぁ、この駅から向かうのは、長い間、思いを募らせてきたホテル「リリアンフェルズ・ブルーマウンテンズ・リゾート&スパ」です。タクシーで10分、このホテルは、2エーカーの庭園に囲まれた壮大なカントリーハウスを利用したクラシカルな5ツ星ホテル。エレガントな趣のホテルは、パンフレットやウェブサイトで見ると同じく、雄大なロケーションの中にひっそりと佇み、神秘的でさえありました。
夏の間だけオープンする屋外プール、ほかにスパに隣接して屋内プールもある。
The Lounge & Barで楽しめるハイ・ティー。
ホテル内には89室の客室とレストランが2か所、バー、屋外プール、スパなどが設置され、リニューアルされたという館内は、新しさの中にも、伝統的な趣が残され格式を漂わせています。どこから撮っても、どこを撮っても絵になるホテルの美しい姿にうっとり。いままで歩んできた歴史や物語のそれぞれが、館にその趣を醸し出させているのでしょうか。手入れのよさもさることながら、こうしたクラシカルなホテルを維持するのは大変なこと。ホテルのオーナーも、スタッフも、このホテルをよほど大切に思っているに違いありません。
グランド・デラックス・リゾート・ビュールーム。
Darleys Restaurant の内観。ブルーマウンテンズ・ダイニングとしてオーストラリア料理を提供。
The Lounge & Bar でのハイ・ティー。オーストラリア料理も楽しめる。
もうひとつ観ることが念願だったブルーマウンテンズの代表的なランドマーク、“スリーシスターズ”の展望台エコーポイントまでは、ホテルから徒歩で数分と、思ったよりも近かったのです。壮大な世界遺産の「グレーター・ブルー・マウンテンズ」の一部としてあり、風化してできた3つの塔のような奇岩です。マイナー(Meehni)、ウィムラー(Wimlah)、ガナドゥ(Gunnedoo)という美しい3姉妹が、村の長老によって岩に変えられてしまったというアボリジニの伝説が残っています。
俯瞰で見るブルーマウンテン、スリーシスターズ、そして「リリアンフェルズ・ブルーマウンテンズ・リゾート&スパ」の絶景。
そしてブルーマウンテンズというロマンティックな名の由来も神秘的でした。コアラの好むユーカリの森から発せられる油が広く空気中に気化し、青い霧を生み、山々が青く見えるのだといいます。手つかずの壮大な自然に寄り添い、「リリアンフェルズ・ブルーマウンテンズ・リゾート&スパ」は、いまなお人気のホテルとして歴史を刻んでいます。(K.S)
5-19 Lilianfels Avenue
Katoomba NSW, 2780 Australia
tel: +612 4780 1200
www.lilianfels.com.au
予約: reservations@lilianfels.com.au
※無断転載禁止
photos : Lilianfels Blue Mountains Resort &Spa

Kyoko Sekine
ホテルジャーナリスト
スイス山岳地での観光局勤務、その後の仏語通訳を経て94年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多々、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのコンサルタント、アドバイザーも。著書多数。
http://www.kyokosekine.com