フォーシーズンズ ホテル メキシコシティ
メキシコシティ/メキシコ
ラテンの伝統が香る、メキシコシティの美しきホテル。
ホテルへBon Voyage 2018.10.11
地球の裏側メキシコには、美しく個性の際立つホテルがそれぞれの町や村を飾っています。メキシコは日本の5倍もの国土面積を誇り、それぞれの町、村、海辺など、観光地には驚くほど素敵なホテルが観光国を支えています。今回ご紹介するのは、首都メキシコシティのメインストリートであるレフォルマ通りに面し、メキシコシティ随一のエレガントなホテルとして愛されているフォーシーズンズ ホテル メキシコシティです。
全体的におとなしい印象だったロビーにも色が加わり、華やかでコンテンポラリーな雰囲気に。
以前は白一色だった白亜の御殿に色が加わったコートヤード。客室はコートヤードに向きが静かでおすすめ。
何を隠そう、このホテルが連載に登場するのは2回目となりますが、2015年から美しくリニューアルされ、特により植栽が行われ緑濃くなった中庭を含め、ホテルはみごとに変身し、何度でも行きたくなってしまいます。
華やいだ大通りの一画、一等地に面して佇むコロニアル調のホテルは、一目でその魅力が伝わってくるような格調高い趣を湛えています。世界一のメガシティといわれる街においても、高級ホテルの持つオーラが通り過ぎる人の足を止めてしまうほどなのです。
広いコートヤードの片隅にはアウトドアのパブラウンジが設けられ、緑に包まれてロマンティック!
何度も繰り返している個人的な常套句ですが、「メキシコのホテルを見ずしてホテルを語るなかれ!」を、ここでもたっぷりとお伝えすることになります。かつてスペインにより300年間もの時を植民地として歩んだメキシコには、いまなおスペイン文化の影響が随所に色濃く残されています。このホテルもコロニアル調の建物が特徴的であり、コートヤードと呼ばれる中庭を中心に美しい回廊が庭を囲んでいます。館内のインテリア、レストラン(新装のレストランはZANAYAと名を改めました)の料理など、クラシカルな雰囲気と、現代のメキシコらしい新しさが融合された快適な空間が造られています。何度泊まっても、このホテルの美しさには魅了されるばかりです。
クラシカルで重厚感のあったレストンの内装はよりカジュアルなコロニアルスタイルに変身。
朝食に食べた新鮮野菜たっぷりのサラダ。もちろんサルサメヒカーナやアボカドとともにいただくメキシコ風。
またメキシコ人スタッフの明るい対応は、ホテルでの居心地のよさを増してくれます。1年をとおして花が咲き乱れるコートヤードのビストロのテーブルに席を取り、ゆったりとした午後に、メキシコ名物のチョコラーテ(ココアドリンク)を楽しみながら時を過ごしていると、15時頃から始まるメキシコ人の昼食タイムの時と重なり、食文化の豊かさにも気付かされるのです。3,000種類もあるというメキシコ料理は、実においしく、伝統的。そこでカロリーの多さには注意しないと……。確かに、こうしてメキシコを訪れるたびに、おいしさのあまりついつい食べすぎて、旅行中に体重を増やすこととなっています。
中庭に面したプレミアムルーム。一般的なホテルでは上層階が好まれるが、ここでは中庭に面した客室も人気が高い。
小さいながら屋上に造られているプール。
フォーシーズンズ ホテル メキシコシティでは、常に世界中のVIPを迎えるホテルとして上質のサービスが提供されています。背筋の伸びる思いも時折りしますが、それでも一度スタッフに声を変えれば、彼らはメキシコ人ならではの優しくて陽気な笑顔で応対してくれ、肩の力が抜けホッとします。
メキシコシティ最大の観光となる世界遺産、ティオティワカンのピラミッドまでは街から車で約1時間、日帰りも可能。「最盛期には200,000人もの人口を有していた巨大都市が8世紀ごろに突然滅亡」という不思議発見へ。
2018年になっても残念なのは治安の問題を抱えていること。ただ充分に現地で情報を得て動けば、ユネスコ世界歴史遺産の宝庫であり、文化的でアカデミックで魅力的な街とホテルを満喫できるでしょう。(K.S)
Paseo de la Reforma #500 Colonia Juárez
México, D.F. México 06600
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tel:+52 (55) 5230-1818
Fax : +52 (55) 5230-1808
予約専用: + 52 (55) 5230-1818 / + 52 (55) 5230-1809
部屋数:280室(スイート40室を含む)
室料: 580USドル~(客室参考価格/税、サービス料別)
施設:レストラン、バー、スパ、ブティック、屋外プール、ジム、ボールルーム、会議室、コートヤード、ほか
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Kyoko Sekine
ホテルジャーナリスト
スイス山岳地での観光局勤務、その後の仏語通訳を経て94年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多々、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのコンサルタント、アドバイザーも。著書多数。
http://www.kyokosekine.com