ホテル ニューオータニ ~紀尾井町/東京~ 進化を続けるファイブスターホテルに、江戸をテーマに「新江戸スイート」誕生!
ホテルへBon Voyage 2023.12.05
大型ホテルやマンモスホテルになかなかご縁の少ない私が、日本トップの最高級大型ホテル「ホテルニューオータニ」(東京)を訪れました。1泊2日、久し振りのステイに緊張感もありました。しかし、出迎えのスタッフのきちんとした応対や、ゲストで賑わうロビーや館内を見回し、何やら安心感に包まれました。そして高級ホテルで1泊を過ごす喜びを感じたのです。
今回の滞在目的は大きくふたつでした。ひとつは「トゥールダルジャン 東京」で開かれた「W MOFフェア」プレスディナーへの参加、そしてもうひとつは他でもない新たに誕生した「新江戸スイート」滞在です。
ご存じの通り、ニューオータニのフレンチダイニングとして長い間人気を誇る「トゥールダルジャン 東京」は"伝統と継承"を掲げ、この時期に4日間だけ「M.O.F. SUMMIT SPECIAL 4 DAYS」を開催しました。日本におけるフランス料理界の第一人者であるジャック・ボリー氏(フランス国家最優秀職人章受章)を招聘し、同様にM.O.F.受章歴のある現エグゼクティブシェフ、ルノー・オージエ氏という2名による豪華フェアの開催でした。シャンパーニュやワインもさすがに、普段ではなかなかお目にかかれない最高級クラスがずらり。ホテルでは"至高のマリアージュ"と表現していましたが、フランス料理の威信をかけたディナーでした。
トゥールダルジャンはパリで約400年もの歴史を紡ぐ名店です。そして東京店は来年40周年、エグゼクティブシェフも今年就任10周年を迎え、お祝いを兼ねた、華やかなパリと東京のコラボレーションという贅沢なイベントでした。
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そしてもうひとつの目的は、その夜に宿泊したコンセプトルームでの滞在です。近年の訪日外国人観光客の需要回復もあり、「江戸×東京」をテーマにしてデザインされたという「新江戸ルーム」の部屋タイプは、2017年に「ヒノキ風呂付客室「新江戸ルーム」の「新江戸シングル」(26㎡)、18年には「新江戸デラックス」(45㎡)と「新江戸スタンダード」(36㎡)が追加され、昨年11月に新たに誕生したのが「新江戸プレミアムデラックス」(52㎡)と「新江戸スイート」(76㎡)の2タイプ、そしていま、ザ・メイン「新江戸ガーデンスイート』(115㎡)の宿泊が可能になりました。
滞在したのは「新江戸スイート」です。客室全体にバリアフリーが対応され、カーペットや壁紙、室内に設けられた石庭の坪庭など、和の雰囲気をインテリアに取り込んだシックで贅沢な部屋でした。室内のヒノキ風呂は背もたれが斜めになった特注品で、ゆったりと浸かれる快適なバスタイムを過ごしたのです。また新しさから香る檜の芳香が心身を刺激し、大いに癒されました。
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「ホテル ニューオータニ」は24年9月1日に開業60周年を迎えます。最初の東京オリンピック開催で世界中からのゲストを迎えるため、江戸時代から続く景勝地である紀尾井町に誕生したのが1964年。その時代は、世界で初めてユニットバスが採用されたのも話題だったと伝わります。
ホテルの関係者に「最大の魅力、他にはない強みは何ですか」と尋ねると、「加藤清正公の下屋敷や井伊家の庭園として400年余りの歴史があること、やはり都心においての広大な約2万坪の敷地、約4万㎡(1万坪)の日本庭園ですね」との答えがありました。庭園は滝もある池泉回遊式(ちせんかいゆうしき)といい、池とその周囲を巡る園路中心の庭で、江戸時代に発達した日本庭園の一様式だと言われます。
近年、プライベートホテルやブティック型のホテルが多くなり、時代とともに団体旅行も減ることで大型ホテルが少なくなる中、「ホテルニューオータニ」での滞在は新鮮そのもの、知らない一面も発見できた気がします。ホテル全体を俯瞰すれば、歴史と文化と新しさの詰まったひとつの街のようであり、このホテルのあり方は、いまとなっては日本の価値ある財産ではないかと感じたのです。
ホテルニューオータニ
〒102-8578 東京都千代田区紀尾井町4‐1
TEL:03-3265-1111
www.newotani.co.jp/tokyo/stay
Kyoko Sekine
ホテルジャーナリスト
スイス山岳地での観光局勤務、その後の仏語通訳を経て94年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多々、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのコンサルタント、アドバイザーも。著書多数。
http://www.kyokosekine.com