ホテル ニューオータニ ~紀尾井町/東京~ 進化を続けるファイブスターホテルに、江戸をテーマに「新江戸スイート」誕生!

大型ホテルやマンモスホテルになかなかご縁の少ない私が、日本トップの最高級大型ホテル「ホテルニューオータニ」(東京)を訪れました。1泊2日、久し振りのステイに緊張感もありました。しかし、出迎えのスタッフのきちんとした応対や、ゲストで賑わうロビーや館内を見回し、何やら安心感に包まれました。そして高級ホテルで1泊を過ごす喜びを感じたのです。

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ホテルニューオータニが誇る日本庭園の位置と本館とのベストショット。開業以来、多くのファンが都心で楽しめる歴史ある日本庭園と高級ホテルに足を運んでいる。

今回の滞在目的は大きくふたつでした。ひとつは「トゥールダルジャン 東京」で開かれた「W MOFフェア」プレスディナーへの参加、そしてもうひとつは他でもない新たに誕生した「新江戸スイート」滞在です。

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1582年、パリで創業した「トゥールダルジャン 東京」の店内。フランスのシャトーをイメージさせる店内では、フランスの食文化を伝えるべく本格派フランス料理や斬新なひと皿が味わえる。

ご存じの通り、ニューオータニのフレンチダイニングとして長い間人気を誇る「トゥールダルジャン 東京」は"伝統と継承"を掲げ、この時期に4日間だけ「M.O.F. SUMMIT SPECIAL 4 DAYS」を開催しました。日本におけるフランス料理界の第一人者であるジャック・ボリー氏(フランス国家最優秀職人章受章)を招聘し、同様にM.O.F.受章歴のある現エグゼクティブシェフ、ルノー・オージエ氏という2名による豪華フェアの開催でした。シャンパーニュやワインもさすがに、普段ではなかなかお目にかかれない最高級クラスがずらり。ホテルでは"至高のマリアージュ"と表現していましたが、フランス料理の威信をかけたディナーでした。

トゥールダルジャンはパリで約400年もの歴史を紡ぐ名店です。そして東京店は来年40周年、エグゼクティブシェフも今年就任10周年を迎え、お祝いを兼ねた、華やかなパリと東京のコラボレーションという贅沢なイベントでした。

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22年10月誕生の「ザ・メイン 新江戸スイート」。カーペット柄、障子、調度品などインテリア全体、ヒノキ風呂、坪庭など、五感で江戸を感じる豪華スイート。コネクティングルームも利用可能。

そしてもうひとつの目的は、その夜に宿泊したコンセプトルームでの滞在です。近年の訪日外国人観光客の需要回復もあり、「江戸×東京」をテーマにしてデザインされたという「新江戸ルーム」の部屋タイプは、2017年に「ヒノキ風呂付客室「新江戸ルーム」の「新江戸シングル」(26㎡)、18年には「新江戸デラックス」(45㎡)と「新江戸スタンダード」(36㎡)が追加され、昨年11月に新たに誕生したのが「新江戸プレミアムデラックス」(52㎡)と「新江戸スイート」(76㎡)の2タイプ、そしていま、ザ・メイン「新江戸ガーデンスイート』(115㎡)の宿泊が可能になりました。

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「新江戸スイート」の檜風呂。檜の香りに癒され、ゆったりと浸かりながら自分だけの時間を堪能。

滞在したのは「新江戸スイート」です。客室全体にバリアフリーが対応され、カーペットや壁紙、室内に設けられた石庭の坪庭など、和の雰囲気をインテリアに取り込んだシックで贅沢な部屋でした。室内のヒノキ風呂は背もたれが斜めになった特注品で、ゆったりと浸かれる快適なバスタイムを過ごしたのです。また新しさから香る檜の芳香が心身を刺激し、大いに癒されました。

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ザ・メインの客室から見渡す日本庭園。手入れの行き届いた緑豊かな庭園と共にニューオータニのシンボリックな滝。

「ホテル ニューオータニ」は24年9月1日に開業60周年を迎えます。最初の東京オリンピック開催で世界中からのゲストを迎えるため、江戸時代から続く景勝地である紀尾井町に誕生したのが1964年。その時代は、世界で初めてユニットバスが採用されたのも話題だったと伝わります。

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「新・最強の朝食」を提供するザ・メイン ロビィ階「SATSUKI」の店内。"健康"と"発酵"がテーマの究極の朝食ビュッフェが大人気。「ピエール・エルメ・パリ」のヴィエノワズリーやヨーグルト、イベリコ豚の骨付きハム、玄米卵を使用したオムレツなオリジナルなアイテムがずらり。

ホテルの関係者に「最大の魅力、他にはない強みは何ですか」と尋ねると、「加藤清正公の下屋敷や井伊家の庭園として400年余りの歴史があること、やはり都心においての広大な約2万坪の敷地、約4万㎡(1万坪)の日本庭園ですね」との答えがありました。庭園は滝もある池泉回遊式(ちせんかいゆうしき)といい、池とその周囲を巡る園路中心の庭で、江戸時代に発達した日本庭園の一様式だと言われます。

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ザ・メイン「SATSUKI」での和洋食、究極の朝食ビュッフェから和食の一品、いくらたっぷりのご飯。

近年、プライベートホテルやブティック型のホテルが多くなり、時代とともに団体旅行も減ることで大型ホテルが少なくなる中、「ホテルニューオータニ」での滞在は新鮮そのもの、知らない一面も発見できた気がします。ホテル全体を俯瞰すれば、歴史と文化と新しさの詰まったひとつの街のようであり、このホテルのあり方は、いまとなっては日本の価値ある財産ではないかと感じたのです。

8/コハダのポテトサラダ.jpg
美味しそうな肉厚の新鮮コハダとともに「コハダのポテトサラダ」。メインダイニング「ベッラ・ヴィスタ」のシグネチャーメニュー。

ホテルニューオータニ
〒102-8578 東京都千代田区紀尾井町4‐1
TEL:03-3265-1111
www.newotani.co.jp/tokyo/stay

Kyoko Sekine

ホテルジャーナリスト

スイス山岳地での観光局勤務、その後の仏語通訳を経て94年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多々、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのコンサルタント、アドバイザーも。著書多数。

http://www.kyokosekine.com

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