奥入瀬渓流ホテル ~十和田市/青森県~ 紅葉に染まる森と苔と渓流、奥入瀬の貴重な自然に寄り添うホテルへ!
ホテルへBon Voyage 2024.12.03
奥入瀬では、四季を通じてその自然のままの森が多くの人を魅了してやみません。ここは青森県十和田市に位置する奥入瀬渓流、そして森に包まれ渓流と共に人をもてなすホテル「星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル」です。前回訪れたのは2012年のこと、東京から飛行機を使い1時間20分で三沢空港に着き、そこから同じくらいの時間をかけて車で走ったのを覚えています。以前は仙台駅からホテルを目指しましたが、今回は都合で行程を変え、八戸からタクシーで約60分、情景を楽しみながら「星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル」を目指しました。
秋も終わりに近い10月中旬、いつもの年より遅い紅葉といいますが、そろそろ少しずつ色が変わり始めました。地球が温かくなってきているからでしょうか。ホテルでは、「八甲田山の中腹まではもう紅葉がきれいだ」と聞かされ、間もなくやってくる短い秋の紅葉と、美しくも長い白銀の世界を想いました。
奥入瀬渓流とは、十和田湖・子ノ口から焼山までの約14kmの清らかな水の流れを言います。十和田湖は、約20万年前に始まった火山活動により形成されたカルデラ湖。この付近は、十和田八幡平国立公園を代表する景勝地のひとつとして新緑も、紅葉も見事です。ですが星野リゾート 奥入瀬渓流ホテルのネイチャープログラムに参加し、森の遊歩道を歩く「苔さんぽ」に魅了されました。ホテルにはさまざまな自然の中でのアクティビティが用意されていますが、ルーペを片手に苔の小さな世界を覗くことで改めて自然美に気付かされ、新しいスタイルの自然散策が忘れられません。
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エントランスロビー奥に広がる"ラウンジ"では、岡本太郎作の巨大暖炉「森の神話」が変わらずにゲストを迎え、ほっとひと休みできる空間として、また全面ガラスの窓に映り込む大自然との一体感を味わえる場として愛されています。
全客室は187室。渓流の景色を堪能できる客室内温泉や、本物の苔を用いた壁画など非日常的な豪華インテリアの「渓流スイートルーム」が2室、他に苔スイートルームが1室、4室限定の半露天付きツインルーム「渓流ツイン 半露天風呂付」など趣の異なる客室が用意されています。
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自慢の食事はフレンチレストラン「Sonore」(ソノール)で楽しめます。奥入瀬渓流という大自然の環境で、美しくて繊細、しかも斬新なフレンチが供され、選び抜かれたワインとともに大人の時間が過ぎてゆきます。
夕食は、まず渓流沿いに用意されたパラソルの開いたテーブルで、瀬音を聞きながら「渓流アペロ」に始まりました。夕焼けが徐々に終わり宵闇が迫ると、その後レストラン内に席を移動し、青森らしい旬の食材で造られるフレンチを堪能します。150種、約2000本が用意されているというワインとともに、ワインのマリアージュを楽しむのも贅沢なひと時です。
お天気に左右されるのが自然の中にあるリゾートの宿命ですが、曇りでも雨が降っても苔は輝き美しさが増します。また寒い地方は寒い時ほど美しいもの。雪の積もる真冬の「奥入瀬渓流」も神秘の自然の世界が垣間見えるのではないでしょうか。ただし、苔は雪の下に隠れ、冬季はその姿が見えませんが......。寒い地域は寒い時期にこそ光る......リゾートに籠って温かな食事を楽しみ、温泉三昧も素敵です。
星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル
青森県十和田市大字奥瀬字栃久保231
Tel : 050-3134-8094(星野リゾート予約センター)
https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/oirasekeiryu/
Kyoko Sekine
ホテルジャーナリスト
スイス山岳地での観光局勤務、その後の仏語通訳を経て94年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多々、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのコンサルタント、アドバイザーも。著書多数。
http://www.kyokosekine.com