香港初のフィリップ・シュタルク作品ブティックホテル「JIA」が名称を変えリ・オープンジェイ・ホテル・バイ・ユウ
~香港/ROC~
ホテルへBon Voyage 2014.11.10
何かと話題の香港では、小規模のデザインホテルが次々にオープンしています。かつて「香港初のブティックホテル誕生」として話題となったホテル「JIA香港」は、オーナーが変わり、一部リニューアルを果たしてリブランド「J Plus Hotel By YOO」という名称で再デビューを果たしました。もとのオープンは2004年1月、今回のオープンは2014年3月です。

以前のカーテンの仕切りが外され、外が見えるロビーラウンジエリア。

ラウンジの半分は朝食も摂れるスペース。
デザインはもともと世界的人気を誇る仏人インテリアデザイナー、フィリップ・シュタルクが手掛けていましたが、ロビーエリアのレイアウトを一新して、ムードが変わりました。ただ家具や調度品は変えず、シュタルクの目指したブティックホテルの基本はそのままです。思えば、2004年のこの頃から、香港には小規模ブティックホテやサービスアパートメントのオープンが相次ぎ、それまでの大型高級ホテルの概念はすっかり変わり、香港のホテル業界に新潮流が生まれた時期でもありました。

ラウンジに置かれたシュタルクらしい椅子

朝食の摂れるスペースに置かれたメインのテーブル
ホテルの部屋数は全部で54室。それぞれに独特のシュタルク・ムードが漂い、高級感漂うスタイリッシュな内装はそのままにあります。白が基調で、ブルーやオレンジ、ピンクなどが、それぞれにアクセントカラーとして使われており、シュタルク自慢のオリジナル家具もなかなか面白いテイストを醸し出しています。室内に多く使われている白の透けるカーテンもあちこちでたなびき、ホテルとは思えない寛ぎ感があります。

静かで快適な寝室

リビングの一画に造られたデイベッド、昼寝も読書もOK。
今回宿泊したのは、ミニ・キッチンの整った長期滞在用の広い部屋でした。ミニ・キッチンのほか、リビングルーム、シエスタのためにデイベッド置かれたスペース、ベッドルーム、バスルームと75㎡の部屋はそれぞれに白く薄いカーテンで仕切られ、充分に長期で住める状態です。聞けば、すでに5年も住んでいるゲストもいるといいます。

リビングエリア。

リビングからダイニング、奥はベッドルーム。

フル装備のキッチンには冷蔵庫、電子レンジ、食器や調理器具も完備。
ショッピング・エリアである活気あふれるコーズウェイ・ベイに位置することで、便利で賑やかな場所にありますが、館内は別世界。シュタルクの世界を堪能する特別な雰囲気で、デザインのファンや若いヨーロッパからのゲストに大人気です。

コンチネンタル朝食のサービス。
レストランはありませんが、朝食は1階のロビーで無料提供されています。またコーヒーやソフトドリンクは1日中サービスされ、5時からはワインやビールも提供されます。また、テナントではありますが、2階には日本料理レストランがあり、日本人の板前さんも働いています。日本食は世界中どこでも人気沸騰です。さらに驚きは、ホテルから1軒挟んで隣に、同じホテル経営会社が日本の'カレーライス'を提供するカフェ・レストランもオープンしました。確かに店の前を通ると日本のカレーと同じようにいい香りがしてきました。写真付きの看板では、器まで日本のカレーライスとそっくりでした。いま香港でも日本食ブームが起きています。(K.S)
J Plus Hotel by YOO
1-5, Irving Street, Causeway Bay, Hong Kong
Tel:(852)3196-9000 Fax:(852)3196-9001
http://www.jplushongkong.com/
部屋数/全54室
室料/スタジオルーム(36㎡)、ワンベッドルーム・スィート(73㎡ )、ペントハウス
※料金はその日によって変わるのでベストレートはURLから。
日本での連絡先/www.tablethotels.jp

Kyoko Sekine
ホテルジャーナリスト
スイス山岳地での観光局勤務、その後の仏語通訳を経て94年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多々、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのコンサルタント、アドバイザーも。著書多数。
http://www.kyokosekine.com