ピンク、ピンク、ピンク!
なんと艶やかな隠れ家ヴィラでしょう。
「Las Alamandas Resort & Spa(ラス・アラマンダス・リゾート&スパ)」
コスタ・レグレ(太平洋岸)/メキシコ

 随分前のことですが、海外の旅行雑誌でこのホテルのことを一度目にして以来、ずっと記憶から離れず、いつかは行ってみたいと思っていたホテルでした。この14年来、メキシコへは結構頻繁に通っている私ですから、なんとしてでも足を延ばして、憧れだったこのホテルに行こうと考えたのです。

 メキシコでは大きな街のひとつである太平洋岸の街、プエルト・バジャルタから海岸線を南へと約2時間ほど走ると、コスタ・レグレという小さな町に着きます。世界的にもあまりに有名な'カリブ海'とは趣の違う、昔ながらのメキシコの様子が残る太平洋岸の美しいビーチが続いています。この近辺は'メキシカン・リビエラ'とも呼ばれ、メキシコ好きの旅行者には古くから愛されている地域でもあります。

 目的のホテル「ラス・アラマンダス・リゾート&スパ」はそのコスタ・レグレの郊外にあり、1500エイカー(607万㎡)という膨大な広さの敷地を有しています。とはいえ、数字を聞いても敷地は広すぎて想像もつきませんが、敷地と称する台地には、太平洋に突き出す半島が幾つもあり、ラグーンまであるものなのです。

そんな広大な敷地の中で、最も美しいビーチと土地を占領しているのがこのリゾートホテル。しかも、贅沢なことにヴィラはたったの6棟しかありません。部屋数なら15室。全部で30名ほどのゲストだけに許されるプライベートな隠れ家なのです。

sekine1015_a.jpg(左)キングドーム・ヴィラの外観(右)ヴィラの入り口

 オープンは1994年でした。オーナーの女性は業界でもよく知られた富豪ですが、彼女の祖父は、南米ボリビアで'錫王'として巨万の富を築いたドン・アンテノール・パティニョという人で、イザベル・ゴールドスミス・パティニョ氏。そして父は英国王室の家系、夫は南米ボリビアのアルミニウム会社の御曹司だそう。まさにセレブリティなのです。

sekine1030_c.jpgそれぞれにデザインも色も異なるベッドルームの数々

 このピンクのリゾートのインテリアは、オーナーであるイザベル自身によるもので、彼女もリゾートの近くに、素晴らしいヴィラを建てて住んでいます。ヴィラは一部屋ごとに趣が違い、色も、デザインも、雰囲気も全部異なる建て方をしています。それにしても夢のような色遣いを施したヴィラは、すべての家具類、インテリアのアート、調度品などがハンドメイドのオリジナルといいますから、こんな贅沢はありません。

sekine1030_f.jpg(左)ラウンジの一角(右)キングドームヴィラのリビング

sekine1030_e.jpg(左)階段もピンクとカラフルな色遣い(右)庭の遊び場

sekine1030_g.jpg(左)広いパティオにはメキシコ原産のハンモックも(右)ビーチの見える庭に作られた快適なプール

 敷地の一部にはオーガニックファームやレモンのプランテーションもあり、収穫された野菜や果樹は出荷もしているといいますが、リゾート内のレストランにも使われ、美味しく新鮮なオーガニック素材として提供されています。メキシコ人は生まれながらに色彩の魔術師のように才能溢れているのです。インテリアや建築はもとより、料理ひとつにしてもカラフルなプレゼンテーションは素晴らしいの一言です。すべてに完璧なほどにこだわったリゾートでは、ときおりイザベルさんが散歩をしている姿を見かけますが、自然を愛する人らしく、自分自身のライススタイルもとてもナチュラルな様子です。エコ・リゾートとして、自然環境を守るにはこれ以上リゾートを大きくするつもりの無いことを話してくれました。(K.S)


Las Aramandas Resort & Spa(ラス・アラマンダス・リゾート&スパ)

住所 Quemaro, Costalegre ,Jalisco C.P.48980 Mexico
Tel+52-322-285-5500 Fax/+52-322-285-5027
http://www.alamandas.com
料金/(カーサ・デル・ソル)プレジデンシャル/US.$1499~2070,
ビーチフロント&オーシャンビュー/US.$.699~958、
(カーサ・イザベル)マスタースウィートUS$.989~1372,
(カーサ・アズール)US.$.371~488、その他
施設/レストラン、スパ、ジム、会議室、バー、プール、他、
アクセス/メキシコシティからプエルト・バジャルタ国際空港まで
約1時間。空港から車で2時間。 
日本からの連絡/直接現地へ、またはURLから。

Kyoko Sekine

ホテルジャーナリスト

スイス山岳地での観光局勤務、その後の仏語通訳を経て94年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多々、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのコンサルタント、アドバイザーも。著書多数。

http://www.kyokosekine.com

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