山の中腹で朝を迎えるすがすがしさと
長崎湾の夜景の美しさに感動。
「ガーデンテラス長崎ホテル&リゾート」長崎市/長崎県
ホテルへBon Voyage 2012.04.20
「共に高め合う環境とリゾートとの相互関係を追求」したと、建築家であり、このリゾートをデザインされた隈研吾氏は語っています。滞在してわかったことは、自然環境の醍醐味をリゾートと共に味わっていただきたい・・・と願うオーナー側と隈研吾氏からの、ゲストや地域へのプレゼントのような気がしました。
長崎といえば、誰もが異国情緒溢れる街並みを思い浮かべるでしょう。国際港として歴史ある長崎港は、鎖国中だった江戸幕府によって初めて世界に向けて開港されました。街のいたる所に残るのは、当時の文化の名残り。異人館や老舗カステラ店、スイーツの店、教会などの名所旧跡は、観光客にとって魅力的な散策路ともなり、特に季節の良くなる春以降、街には観光客の姿が多く見受けられます。
坂の多い長崎の街は、港のある長崎湾を底とし、三方を山に囲まれたすり鉢状になっています。そのためわずかでも高台に上れば景色は一変し、港や街全体を見下ろす絶景が楽しめるのです。なかでも「1000万ドルの夜景」と謳われる標高333mの稲佐山は観光の名所。ロープーウェイで山頂まで行ける絶景ポイントですが、その稲佐山へ向かう途中、車で急斜面を上った中腹に見えてくるのがリゾートホテル「ガーデンテラス長崎ホテル&リゾート」です。キラキラと光る長崎湾を眺めながら、思わず溜息の出るような景色に感動でした。
メイン棟「グランドテラス」。
リゾートからは長崎の街並みが絵葉書のように眼下に広がり、180度見渡せる環境に建つリゾートホテルはその景色を独り占めです。敷地にはスタイリッシュなデザインの建物が点在し、プライベート感漂う中、ゲストはゆったりとリゾートを満喫できます。建築デザインは、気鋭の建築家として知られた隈研吾氏。個性的なモダニズムが、周囲の自然とあいまってなんとも不思議なリゾート空間が完成されています。広い敷地ですが、全客室数はわずか21室という贅沢な作り。部屋の広さはすべて46㎡以上のゆとりがあり、どの部屋もオーシャンビューの造りですから、窓やベランダからは長崎の街や港が見渡せ、夜ともなると宝石箱のように光る美しい夜景が目の前に広がります。
(左)朝のグランドテラス、エントランス。(右)夜のグランドテラス。
(左)タワースイートには客室が4室。(右)タワースイートの客室、ベランダから港と町を望む。
プールとテラスラウンジ、奥に見えるのがタワースイート。
メイン棟である「グランドテラス」の最上階には、ウエディングのためのスペース「ガラスのチャペル」が作られていました。ガラスの教会、パーティのできるウッドデッキのオープンエア・スペースなど、シンプルでモダン、かつロマンチックな空間は大人気だそう。県外からも熱い視線が注がれているといいます。
ガラス張りの明るいチャペル。
嬉しいことは食にもありました。もともと長崎は山海の幸やスイーツでも有名なグルメ処です。部屋数は限られたリゾートですが、外部から多くのゲストが食事を楽しみに来るため、レストランは3カ所あります。洋食「フォレスト」、創作料理と鉄板焼き「秋月」、そして鮨ダイニング「天空」という、いずれも旬の食材を絶品の料理に変えて提供しています。「地産地消」はもちろん、九州にもこだわり、津島海域、五島列島、東シナ海、そして玄界灘からも食材を入れているといいます。タワースイートに泊まるゲストは、レセプションに隣接するラウンジでティータイムやカクテルタイムのサービスがあり、長崎ならではのスイーツやご当地グルメが並び、午後のひととき、夕暮れの一時がひと味違って楽しめました。(K.S)
(左)見たこともなかった長崎オリジナルの飲み物、カステイラ&レモネード。(右)海の幸満載の鮨会席。
メイン棟にある洋食レストラン「フォレスト」と長崎港の眺望。
ガーデンテラス長崎ホテル&リゾート
長崎県長崎市秋月町2-3
Tel: 095-864-7777 Fax: 095-864-7771
www.gt-nagasaki.jp
客室:21室
施設:レストラン(鮨ダイニング、フレンチレストラン、
創作料理&鉄板焼き)、チャペル、クラブラウンジ、
プール、貸し切り風呂、エステルーム、他、
宿泊料金:(春のプラン/鮨会席ディナー&朝食付き/5月31日まで)
離れオーシャンスィート・テラス付き:
1室2名利用1名料金:28500円~、
*その他プラン豊富、要問い合わせ
アクセス:車の場合、長崎I.Cから「女神大橋」経由で約10分。
稲佐山中腹。

Kyoko Sekine
ホテルジャーナリスト
スイス山岳地での観光局勤務、その後の仏語通訳を経て94年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多々、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのコンサルタント、アドバイザーも。著書多数。
http://www.kyokosekine.com