緑深い森と清らかな渓流で深呼吸、
もてなしに心がス~ッとほぐれました。
星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル
~十和田市/青森県~
ホテルへBon Voyage 2012.10.05
日常生活でパワーダウンすると、時々、思い立つように東京を離れます。その目的はいつでも'英気を養う'ことなのですが、行き先で出会う人や、泊まるホテルや旅館の環境の素晴らしさに感動し、もてなされて元気になって帰京する・・・というのが常。そして今回の旅も大成功で、宿からも,環境からも元気をたくさん分けてもらった旅となりました!
宿のメインエントランス(左)と宿泊棟の一部。
(左)奥入瀬渓流の美しい流れ。(右)渓流側から見たホテル。
東京から飛行機で1時間20分、青森県の三沢空港迄飛びました。三沢行きの飛行機には(基地の関係で当然なのですが)米国人客が多く、まるでインターナショナル航路かと思うほどでした。三沢空港から宿までは車で、飛行機と同じ、1時間20分ほどの距離にあります。
(左)渓流沿いに散策ができる快適な小径が作られ、朝はそのスペースで朝食が可能。(右)森の中に置かれたオブジェ。
森や山をこよなく愛する私は、ずっと以前から、奥入瀬渓流を歩くことは憧れのひとつでした。また、渓流の河畔に位置する「星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル」に滞在するのを心待ちにしていましたが、絵葉書やパンフレット、ホームページで知っていた宿の様子は、「やっぱり実物にはかなわない」が印象でした。特に宿を包み込む周囲の森のパワーには圧倒されました。
(左)岡本太郎作の大きな暖炉「森の神話」が印象的なラウンジ。渓流と緑が心を癒す。(右)同じく岡本太郎作の暖炉「河神」が飾られたチャペル。
ホテルに一歩足を踏み入れると、エントランスロビーの奥に広がる`ラウンジ'の光景に、思わず息を呑みました。美しく勢いのある木々の緑が、全面ガラスの窓を通してラウンジに映りこんでいます。その後でした、ラウンジ中央に鎮座する岡本太郎作の大きな暖炉に気付いたのは・・・。印象的な緑を目指して、殆どの人がエントランスからまっしぐらに、ラウンジ向かって引き寄せられる姿が見られます。実際、私もそのひとりでした。高い天井、まるで森の中にでもいるような緑との一体感、渓流の流れが見えるこのラウンジこそ、ホテルのハイライトなのです。
(左)和室のひとつ。窓からは渓流が見渡せる。(右)西館にある特別室「山法師」。
客室は渓流側とエントランスのある山側があるのですが、圧倒的な人気はやはり渓流側だといいます。またホテル内には、八甲田山中から湧き出すという温泉が3箇所あり、名瀑「九重の瀧」を望む「八重九重の湯」「渓流露天風呂」、そして奥入瀬の四季を感じながら浸かれる「展望大岩風呂」が、それぞれに滞在客を癒しています。
(左)渓流沿いの庭での朝食「メイプルリーフ」。十和田ワインで仕上げたチーズフォンデュに青森産の素材を絡めていただく目覚めの逸品。(右)ラウンジで提供している人気のランチ「奥入瀬林檎カレ-」。 林檎のペースト、林檎のハチミツ、県産「紅玉」のペースト入り。
(左)客室に置かれた「ウェルカム林檎」。(右)滞在プラン「りんごの時感」で夕食に出されるのは「りんご会席膳」。
旅での楽しみはもちろん食事にもあります。この日、昼も夜も、地産地消にこだわる青森の名産品や、新鮮な旬の素材がずらりテーブルに並びました。レストラン「奥入瀬」では,夕食に供された「三大牛食べ比べ」にも驚きました。あおもり倉石牛(脂身の旨さと良質な赤身の霜降り)、八甲田牛(ヘルシーな赤身が特徴の幻の八甲田牛)、小川原湖牛(稲わらを中心とした県産飼料にこだわった上品な脂身の旨さと柔らかさが特徴)という三大ブランド牛肉が一度に試せる、なんとも贅沢な食事です!
ご存じでしたか?青森は,林檎や米、上質な牛肉だけでなく,数々の野菜や食材が日本全国有数の生産量を占めるほどの'グルメな郷'だったということを。(K.S)
星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル
青森県十和田市大字奥瀬字栃久保231
TEL: 0176-74-2121
http://www.oirase-keiryuu.jp/
部屋数:189室
料金:(2名1室利用1名料金、2食付)12500円~23500円
施設:レストラン、ラウンジ、温泉施設(風呂)、
奥入瀬スパ、売店、宴会場、Arts Club、

Kyoko Sekine
ホテルジャーナリスト
スイス山岳地での観光局勤務、その後の仏語通訳を経て94年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多々、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのコンサルタント、アドバイザーも。著書多数。
http://www.kyokosekine.com