伝統の館にエキゾチックなデザイン
不思議な魅力を湛える人気ホテル
カーサ・コロンボ
~コロンボ/スリランカ~

 コロンボを訪れたのは7年ぶりとなり、3回目のスリランカでした。南アジアの他国と並びコロンボにも発展の波が訪れ、街の至る所にブティックホテルやお洒落なカフェ、レストラン、ショップが建ち、特にヨーロッパからの観光客で賑わっていました。意外と知られていないのは、首都コロンボは1985年にすでに遷都され、すでに首都ではないこと。新首都となったのは、コロンボ郊外15kmにあるスリ・ジャヤワルダナプラ・コッテという静かな新興の街。国会議事堂を除き、殆どの機能がまだコロンボ市内にあると言いますから、知られていなくても仕方がないかも知れません。

 そのコロンボ市内の少し奥まったところに、格別に個性派のブティックホテル「カーサ・コロンボ」が佇んでいます。全12室の小規模ホテルは、3カテゴリーの個性溢れる部屋造りで、すべてがスィートタイプです。ちょっと驚いたのは、敷地を入ると本館と向かい合わせにガラス張りの「Tea Bar」が造られていたこと。流石に歴史ある紅茶の国らしく、そこにはずらりと多種の紅茶が並び、薫り豊かな紅茶タイムが楽しめるといいます。

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表玄関の真っ白なファサード

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空港への出迎えなど要望があればこのクラッシックカーが走る

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(左)ダイニングルーム(右)ロビーエリア、タイルなどは当時のままに残されている

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(左)ロビーラウンジでは食事もお茶も可能(右)ミルクライスと赤米で食べるスリランカ流朝食はカレー三昧


 ホテルの建物は、200年も前に建てられたというムーア式の邸宅であり、オーナーは、古びて朽ち果てそうな邸宅を、みごとに美しいコロニアル・ホテルとして蘇らせました。その館内には、原形を留めた床タイルや飾り天井、木のドアや飾り窓ガラスなどが残され、伝統とスタイリッシュなデザインとの融合が面白い個性を発揮しています。インテリア・デザイナーは若いスリランカ人実業家Lalin Jinasena氏、このホテルの創設者、オーナーでもあります。


 ホスピタリティは温かく、フレンドリィなもてなしを心がけていると言います。マネージャー、Willem Fokkenrood氏自らが、甲斐甲斐しくひとりひとりのゲストにこまめに接している姿は印象的でした。マンモスホテルとは違う、顔の見える対応は、泊まる者にとっては嬉しいものです。そして、細やかな世話をしてくれるバトラーが一部屋ごとに付いてくれるのも安心感がありました。
「カーサ・コロンボ」での一番の驚きは、やはりそのデザインにありました。マンゴーの大木の周りに造られた中庭のアウトドアプールは、夜になるとショッキング・ピンク色に輝き不思議なムードを醸し出しています。

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(左・右下)カラフルな客室は天井高が高く不思議なムード「Piachauds Lane」80㎡(右上)銅に包まれた大きなバスタブ付バスルーム

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「ティーバー」のカウンターに飾られたデコレーション

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夜の玄関にはこんなライティングが灯る


客室にも驚かされました。天井高の高い前面が真っ白なエンボス加工の柄天井です。そして金箔の張られた壁、ベッドの下に輝く真っ赤なライティング、チェック柄をあちこちに用いた室内は、スリランカやインドのテイストだそう。ゲストの大半を占めるヨーロッパ人にはエキゾチズム満載なのですね。世界の有名ファッション誌や旅行誌からも幾多の賞を受賞し、また2012年の「Best Design Boutique Hotel in the world」「World travel Award-Asia Winners 2012」に選ばれるなど、着実に世界に向けて存在感を発信中のホテルでした。(K.S)

CASA COLOMBO

231, Galle Road, Bambalapitiya, Colombo 4, Sri Lanka

Tel+(94)114520130  Fax+94-11-4520150

http://casacolombo.com/

部屋数:12室(トラベラーズスィート、コーポレイトスィート、ロイヤルスィート)

室料:US.$.250~400(ベストレート、特別料金等は要問合わせ)

施設:レストラン、ライブラリー、ティーバー、ガーデンテラス、スパ、ブティック

アクセス:コロンボ国際空港(バンダラアナイケ)から35km、約1時間。

Kyoko Sekine

ホテルジャーナリスト

スイス山岳地での観光局勤務、その後の仏語通訳を経て94年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多々、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのコンサルタント、アドバイザーも。著書多数。

http://www.kyokosekine.com

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