コロニアル建築の老舗ホテルは
世紀を超えた街のランドマークザ・マジェスティック・ホテル・クアラルンプール~クアラルンプール/マレーシア~
ホテルへBon Voyage 2015.11.13
ホテルはクアラルンプールの歴史的建造物が残る地区Jalan Sultan Hishamuddinの中心にあり、クアラルンプール中央駅からも車で5分余り、かつてはヴィクトリア・アヴェニューと呼ばれた並木の美しい大通りに面しています。道路から直接アプローチのできる小高い坂の上に13000㎡もの広大な敷地を有し、真っ白なコロニアル建築の「ザ・マジェスティック・ホテル・クアラルンプール」が、クラシカルな本館(マジェスティックウィング)と、近代的な別館(タワーウィング)に分かれて建っています。


高級感溢れるホテルの客室は全300室。マジェスティックウィングは1932年にホテル「マジェスティック」として建設されました。かつて東南アジア最高級ホテルのひとつとして知られたホテルですが、2012年12月にザ・マジェスティック・ホテル・クアラルンプールとしてリニューアルオープン。別館が加わり、さらに用途が広がる一方ですが、全体的には今も尚、エレガントで美しいネオ・クラシカルな趣を湛えています。伝統のマジェスティックウィングは歴史的建造物(国家遺産)として認証された今も、かつての栄華を誇っています。歴史を振り返れば、華やかな社交の場として幾つものレセプションパーティが行われ、政治家や要人たちの出入りする迎賓館としての位置づけでもあったことが伺えます。



メインレストランの「コロニアル・カフェ」では、ピアノの生演奏を聴きながらオーセンティックな料理の数々が楽しめ、エレガントな雰囲気の中でディナーが味わえます。また別館の「コンタンゴ」では、反対にカジュアルなレストランとして現代的な料理が提供され、朝食ブッフェもここが利用されます。印象的なのは、2つの建物を繋ぐ通路に位置する「The Orchid Conservatory」です。蘭の花に目一杯埋もれた空間でアフタヌーンティーが振る舞われます。


そして、歴史あるホテルだけに、別館スモークハウスには英国の伝統的な施設も再現されています。「別館スモークハウス」には、「Truefitt & Hill」という名の紳士用グルーミングルームがあり、なんと「Trefitt & Hill 」の英国本店は世界最古の理髪店として認定されているそう。他にもこの別館内には、シガーバー、カードルーム、プリベートダイニングルーム、ビスポーク・テイラー(オーダーメイドの仕立て屋)など、かつての紳士の社交場的存在だった野かもお知れません。時代の最盛期には、シガーを咥えた紳士達が行き交っていた姿が想像できます。もちろん、現在では女性主役のスパ「ザ・マジェスティック・スパ」が用意されており、たとえばトリートメントを受けた後は、「Queen Victoria's Lavender 」や、「English Afternoon Tea」で優雅なひとときが待っています。ゆったりと時間が流れるクラシカルホテルならではの醍醐味ですね。(K.S)



The Majestic Hotel Kuala Lumpur
5, Jalan Sultan Hishamuddin, Kuala Lumpur,
50000 WP, Malaysia
Tel:+603 2785 8000 Fax :+603 2785 8080
http://www.majestickl.com/
客室数:300室(内スイートルーム127)
料金:(室料)125.US$(朝食付)~、
施設:レストラン、カフェ、ラウンジ、バー、ボールルーム、会議室、スパ、スイミングプール、スポーツジム、シネマルーム、シガールーム、カードルーム、他
●問い合わせ先
YTLトラベルセンター(KL)
TEL:+60-(0)3-2783-1000
Travelcentre@ytlhotelscom.my
取材協力:マレーシア政府観光局、マレーシア航空
Photos: The Majestic Hotel Kuala Lumpur

Kyoko Sekine
ホテルジャーナリスト
スイス山岳地での観光局勤務、その後の仏語通訳を経て94年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多々、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのコンサルタント、アドバイザーも。著書多数。
http://www.kyokosekine.com