'通'が好むと噂のリゾートホテル
箱根の魅力が満載でした!
「小田急 箱根ハイランドホテル」箱根・仙石原温泉/神奈川県

sekine010305_a.jpg広い芝生の庭は寛ぎの空間

 本当に気持ちのいい緑の箱根路を走りリゾートホテルに到着。エントランスを入ると、まず目に飛び込んでくるのはヨーロピアン・モダンのインテリアの中に、ひときわ目立つストライプ柄の椅子でした。このホテルではストライプは大切なチャームポイントなのでしょう。ここそこに使われ、ベッドヘッドやコーヒーカップも・・・縦縞模様。そのストライプが室内にスマートな印象を与えています。

sekine010305_d.jpgボーダー柄が個性的な客室のひとつ

「小田急 箱根ハイランドホテル」は'リゾート通'の人々がゲストに多く、リピーター率も50%を優に超えているそうです。泊まってみてその理由がはっきりと分かりました。車の多い道路に面しているにも関わらず、奥まったエントランスから先は別世界で、「ハイダウェイ」の趣に包まれています。ロビーラウンジから見える1500坪という芝生の庭は開放感たっぷり。その庭を通して見える森の緑が心を癒してくれました。

sekine010305_b.jpg(左)森の中に建てられているコテージ(右)コテージ滞在者用の温泉棟

そんな高原リゾートの名に相応しいロケーションにあるこのホテルは、かつて、團琢磨男爵が建てた別邸を生かしたもの。その後、彼の長男である團伊能氏が開業したホテルなのです。歴史はすでに半世紀を超え、嬉しいことに、2007年には50周年を祝ったばかりだといいます。一口に50年というのは簡単ですが、ずっと変わらずにゲストに愛され続けてきたホテルかと思うと、その歴史や伝統の中に眠る喜びを感じますよね。

 ホテルの関係者はこう言っています。当時とは異なり、ホテル棟は赤い屋根と白い壁の鉄筋コンクリート造りですが、「ホスピタリティ・マインドは変わっていない」と。きっと、温かなもてなしや、時代に合ったサービスが新鮮さを失わない理由なのでしょう。それにロビーラウンジで提供されるメニューにもオリジナリティが溢れています。ホテルの湧き水で作られる自家製炭酸水を使うジンジャーエールやアロマティックソーダは、若い人から年配の人にまで広く人気だそう。早速、ジンジャーエールを試しましたが、手造り感があって生姜の香りが良く、本当に美味しいものでした。

 それぞれの客室から見える広々とした芝生の庭には、大きなミズナラの木がそびえています。「ホテルの歴史を見守るシンボルツリー」なのですが、まさに、50年以上にも渡りこの巨木がホテルのすべてを見てきたのだと思うと、木と会話を交わしたいほどいとおしい気持ちになりました。森も雑木林なのですが、このホテルが国立公園内に位置するために樹木の伐採が禁止されていたことは、ゲストにも、ホテルにも幸いでした。生態系をそのままに残す雑木林、特に、広葉樹の林は今の日本では大変貴重な光景です。

sekine010305_f.jpg(左)スパ、温泉のエントランスにあるリラクゼーションスペース(右)森の中に掛けられたハンモックは早い者勝ち

箱根での温泉は語らずとも有名ですが、特筆すべきは食事にありました。日本のリゾートやホテルで'1泊2食付の滞在'を提供し始めたのは、実は、この「ハイランドホテル」だったといいます。それだけ食事の提供に重きを置いていたのですね。ホテル内のレストラン「ラ・フォーレ」では、2002年から'フレンチジャポネ'を提供。食材は地産池消を貫き、水はミネラル分たっぷりの金時山の伏流水を利用。シェフは地元出身で素材をよく知り、朝に夕にヘルシーな薪火料理を提供しています。味噌漬けの手造りベーコンは絶品でした。

sekine0100305_c.jpg絶品の手造り、味噌味ベーコン

庭から林を越えて散策をすると、隣接の「星の王子様ミュージアム」に通じる秘密めいた小さな入り口も見つけました。いつまでも'隠れ家ホテル'的な魅力を失わないで居て欲しいものですね。(K.S)

sekine010305_g.jpg庭の一角にある爽やかな緑の小道


小田急 箱根ハイランドホテル

神奈川県足柄下郡箱根町仙石原品の木940
☏ 0460-84-8541  Fax 0460-84-9592
www.odakyu-hotel.co.jp/highland
客室数:全69室(コテージ10棟)
料金:「フレンチジャポネの朝食と宿泊」
スタンダードツイン2名1室利用/25400円~ コテージ/29400円~
*プランの種類は数多く曜日・季節により異なる。要問い合わせ。
施設:レストラン、バー、ラウンジ スパ、温泉
ショップ、ミーティングルーム、他

Kyoko Sekine

ホテルジャーナリスト

スイス山岳地での観光局勤務、その後の仏語通訳を経て94年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多々、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのコンサルタント、アドバイザーも。著書多数。

http://www.kyokosekine.com

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