ヨーロッパの'宝石箱'モンテネグロ、
今度のアマンはお伽噺の舞台のようでした。
「Aman Sveti Stefan(アマン・スベティステファン)」
スベティステファン/モンテネグロ

モンテネグロといっても、いまひとつ地図上ではピンと来ないかも知れません。モンテネグロは、アドリア海に面し、バルカン半島に位置する"最後の楽園"といわれる国。セルビア・モンテネグロから独立を果たし、現在はモンテネグロとして、急速な発展途上にあります。とはいえ、未だ大自然の美しさが残され、海も山も、森も、手つかずの野趣味溢れる光景には圧倒されます。緑濃い山々、どこまでも碧い海の色・・・。自然のままの山はこれほどに猛々しく、もともとの海はこれほどに美しく感動的なのだと、周囲を見ながら改めてため息ものでした。流石に国名(黒い山の意味)通り、人々は自然を大切にし、大自然の美しさに対して誇りを持っていました。

そのモンテネグロで、最も美しいといわれる海岸線があるスベティステファンに、アマリゾーツのひとつ「アマン・スベティステファン」がオープンしています。少しづつ開業していましたが、この夏、2011年8月にグランドオープンしました。

sekine110826_a.jpgアマン・スベティステファンの「アイランド」全貌

リゾートは2つのパートに分かれてはいますが、どちらのリゾートにも行ったり来たりできるよう、アプローチも整備され、散策にはちょうどいい距離になっています。

sekine110826_b.jpg海から見たヴィラ・ミロチャー

sekine11826_d.jpg(左)ヴィラ・ミロチャーの前景(右)ヴィラ・ミロチャーのライブラリィ

そのひとつは"ヴィラ・ミロチャー"です。海岸線に3カ所あるプライベートビーチのメインとなる'キングス・ビーチ"に面し、山がすぐ背景まで迫るロケーションに、15世紀の瀟洒なヴィラが改装されました。ビーチに面した庭にはテラスレストランが造られ、海風に包まれ、優雅なひとときを過ごしていると現実とは思えません。

sekine110826_f.jpg(左)ヴィラ・ミロチャーの客室、窓からはアイランドが見える(右)ヴィラ・ミロチャーから見た「アイランド」

sekine110826_c.jpg(左)ヴィラ・ミロチャーのテラスレストラン(右)ヴィラ・ミロチャーでの「モンテネグリアン・ブレックファスト」

 もうひとつは様々な歴史を残す孤島'スベティステファン"を、そのまま島ごとリゾートにした通称"アイランド"です。ヴィラからは海岸線沿いに造られた小径を歩いて行けるのですが、途中、ビーチが望めるビーチ・カフェや、樹齢の古いりっぱなオリーブの木々に囲まれたオリーブレストランに立ち寄ったりと、わずか15分ほどの道のりが楽しめます。アイランドに入るには陸側にチェックポイントが造られ、アマンのゲストかスタッフ以外はセキュリティに制止されてしまいます。島内では、のんびりと安心して滞在ができるのです。

sekine110826_e.jpgアイランドへ続く道とアマンのプライベートビーチのひとつ

sekine110826_h.jpg(左)アイランドとヴィラ・ミロチャーを繋ぐ道すがらにあるビーチカフェ(右)アイランド内に残るチャペル

 島に入ると空気は一変します。現実から遠い、タイムスリップしたような家並みが昔のままに残され、花が美しく咲き乱れ、細い石畳のクネクネと曲がる小径は滞在客でも迷ってしまうほど。石造りの家並み、チャペル、井戸など、海に浮かぶ小島、スベティステファン島はお伽噺の舞台のようです。15世紀に、12家族のための要塞であったと記されていますが、その後は400人の住む漁村として繁栄したといいます。しかし20世紀前半に島は衰退し、幾度かの栄枯盛衰の中で、1960年頃にはセレブリティが滞在すると評判のホテルになりました。その後は、映画スターや有名人の別荘となった頃もあるとのことですが、 2007年になって、アマンリゾーツがリゾートとする権利を得たというわけです。島の中央部には広場があり、3軒のレストランがとっておきの食事を提供しています。どこで食べようと、アマンリゾーツは基本的にリクエストに応じますから、プール際で、海を見ながらテラス席で、室内で、ビーチで・・・と、ムードを変えて食事を楽しむのもいいかもしれません。

sekine110826_i.jpgアイランドの客室のテラス

sekine110826_j.jpg(左)アイランドのスイートルーム(右)アイランド内の客室

 ヴィラ・ミロチャーは貴族的なゴージャス感漂う邸として、アイランドは昔ながらの漁村の面影を辿ってみる、趣の違う滞在が楽しめます。ハネムーナーには最高にロマンチックなリゾートですが、結婚20周年、30周年を祝う素敵なご夫妻にも、これ以上の推薦はないかもしれません。

Aman Sveti Stefan
アマン・スベティステファン

Sveti Stefan 85315 Monteneguro
Tel: (382) 33-420-000 Fax:(382) 33-420-222
www.amanresorts.com
部屋数:ヴィラ・ミロチャー6室、アイランド50室(スィート含む)
料金:スベティステファン/700ユーロ~3000ユーロ、
ヴィラ・ミロチャー/800ユーロ~1000ユーロ.
施設:プライベートビーチ3箇所、レストラン全5箇所、
スパ・コテージ、ジム、スイミングプール
連絡先:(トールフリー)KDDI/001-010-8002255-2626
日本語対応:(+94)77-774-3500 (月~土11:00~22:00)

Kyoko Sekine

ホテルジャーナリスト

スイス山岳地での観光局勤務、その後の仏語通訳を経て94年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多々、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのコンサルタント、アドバイザーも。著書多数。

http://www.kyokosekine.com

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