イタリアらしさに溢れたヴィラでの休日
絶品料理とワインに、ため息の連続です。
「Relais Villa San Martino(ルレ・ヴィラ・サン・マルティーノ)」マルティナ・フランカ/イタリア
ホテルへBon Voyage 2011.09.16
プーリア州とは、長靴の形をしたイタリアのかかとの部分をしめています。長い海岸線が美しいアドリア海に面し、南に行けばイオニア海が広がっています。山のない平野でしめられているお陰で、パスタを作る小麦粉(セモリナ粉)や野菜の生産など農業も発達しており、もちろん美味しいパスタ料理も様々に揃っています。その他にも、オリーブ、海の幸、さらに葡萄栽培に適した土地柄からワイン生産も有名です。そう、この土地に無いものはないほど、イタリアらしい豊かな食生活が楽しめます。
しかしプーリア州といっても広いので、もう少し具体的なお話をしましょう。アルベロ・ベッロといえばご存じの方は多いでしょう。この有名な観光地からはそう遠くはないので日帰り観光もOK。マルティナ・フランカ至近の飛行場は、ブリンディチが最も近い場所で、ヴィラまで約60kmの距離にあります。いずれにしても、日本から行くには少々'遠い'ですが、行く価値は大ありのヴィラです。
エントランスからの全景
ヴィラにあるのは21室。それぞれに少しづつ異なるデザインであり、作りもヴィラ独特の、邸宅に招かれたような趣の部屋造りが魅力です。イタリアのヴィラに泊まっている満足感は、優雅なプライベート感からくるのでしょう。ヴィラが立つのは、バロック様式の美しい街の外れ、とても静かな環境にあります。一見すると伝統様式のヴィラですが、2010年2月にはすっかりリニューアルも完成し、館内の居心地は抜群です。古き良き時代の面影も残しつつ、室内には最新鋭の設備も装備され、同時にヴィラステイのゆったりとした雰囲気も味わえる、まさに新しさと伝統の融合です。
メイン・ヴィラの夜景
(左)客室のひとつ(右)スパ
自慢はやっぱり'食事'でしょう。ヴィラ内の「デュカ・ディ・マルチナ」というレストランでは、丸テーブルに白いカバーが掛かったエラガントなセッティングが印象的です。思わず、誰もが背筋をぴんと伸ばしてしまいそうな雰囲気の中で、グルメな料理の数々がサービスされます。嬉しいのは、メニューに載っていないものでも、素材さえあればリクエストに応えてくれること。ただ以外と保守的なイタリアです、格式のあるヴィラでは、ディナーにはエレガントに着飾ることも楽しむといいでしょう。
エレガントなレストラン
(左)午後のテラス、ランチもお茶もOK (右)さすがイタリア、毎日食事はほぼ主役
このヴィラを訪れたきっかけは、実は、スタッフの女性にありました。イタリア人の若い女性なのですが、トスカーナ州のある5ツ星ホテルで知り合い、そのときに流暢な日本語を話し、私を驚かせてくれました。聞けば、彼女は日本に留学し、東京で3年ほど暮らしたということ。すっかり意気投合して帰国した後に、手紙やメールでのやりとりを日本語でしながらホテル談義を楽しんでいたら、ある日、「ホテルを変えた・・・」という知らせが来ました。その女性が新たに職場に選んだのが、ここ「ルレ・ヴィラ・サン・マルティーノ」だったのです。「とっても素敵だから遊びに来て!」の一言に、のこのことイタリアまで出かけ、このヴィラにステイしたというわけです。彼女のお陰で、こんな素敵なヴィラに滞在することができ、毎日の素晴らしい料理にも感激でした。ここにはたった3泊でしたが、1週間のイタリア滞在で、帰国の頃には少し体重も増えていました。(K.S)
美しいヴィラの夜景
Relais Villa San Martino
ルレ・ヴィラ・サン・マルティーノ
Via Taranto 59-Zona-G, 74015,
Martina Franka, Puglia Italia
Tel & Fax : +39-0804-80-51-52
www.relais.com/sanmartino
部屋数 : 21
室料:260ユーロ~(ネット予約はより安価)
施設:レストラン、バー&ラウンジ、スパ、屋外プール、
フィットネスセンター、会議室、庭園、他
アクセス:ブリンディチ空港から60km
列車駅マルティナ・フランカから5km
問い合わせ先:ルレ・エ・シャトー日本オフィス
03-5472-6789、又は旅行代理店

Kyoko Sekine
ホテルジャーナリスト
スイス山岳地での観光局勤務、その後の仏語通訳を経て94年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多々、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのコンサルタント、アドバイザーも。著書多数。
http://www.kyokosekine.com