舞台は、中世の歴史宿る旧市街の中心、
コンセプトはコンテンポラリィ・アートの饗宴。
「Gallery Hotel Art(ギャラリーホテル・アート)」
フィレンツェ/イタリア
ホテルへBon Voyage 2011.12.08
ヨーロッパの中でも古都フィレンツェの味わい深い美しさは群を抜いています。街中には歴史的建造物が建ち並び、散策するにも、美術館巡りをするにも、もちろん、ショッピングするにもまるで映画のシーンのような景観にため息が出てしまいます。その街の中心、ベッキオ橋に近い静かな石畳の通りVicolo dell'Oro に入ると、目だたないファサードで、周囲の古い建物に同化するように趣のある建物が立っています。それが「ギャラリーホテル・アート」です。
(左)スッキリとした壁に飾られたオブジェはちょっとアジア的な雰囲気も。(右)何も置かれていないスペースにオレンジ色の椅子が大胆なアクセント。
ホテルのオーナーは、高級ブランド「フェラガモ」一家の子息であるサルバトーレ・フェラガモ氏、建築家は人気のMichele Bönan(ミケーレ・ボナン)が手掛けた4ツ星ホテルです。この旧市街では珍しい現代的なホテルですが、館内に一歩足を踏み入れると、コンテンポラリィな内装に、ホテルのコンセプトでもあるモダンな'アート'が飾られ、まるで現代美術館にでも居るような錯覚さえ覚えます。ボナンのデザインは、常に'現代的な洗練とクラシカルな伝統を融合'させコンテンポラリィを創造するという、卓越した感性のコーディネートを見せてくれます。また、同ホテルのグループは、フィレンツェを中心に「ホテル・ルンガルノ」「コンチネンターレ」「ルンガルノ・スイーツ」「ルンガルノ・アパートメンツ」「ヴィラ・レ・ローゼ」というホテルも経営しています。
ホテルのメインスペースともいえる人気のライブラリィ。朝食もここで摂れる。
ここは全74室というブティック型のホテルなので、館内に大きなパブリックスペースこそありませんが、エントランスに隣接したライブラリィはラウンジとしての機能を兼ね、フィレンツェで最大の「Cha Room」として利用され、落ち着ける場所として人気です。壁には様々な本が並べられ、書斎にでも居るような趣の中で寛げるのです。さらに滞在ゲストは、こんな素敵なサロンでの朝食が摂れます。客室も、このラウンジもイタリアの洗練された雰囲気に統一されており、「フェラガモ」好きのファンにも納得のホテルだと思います。
デザインがすべて違う客室の数々。右は「ペントハウス・サン・ミニアノ」
各部屋共に自宅にいるような落ち着き感がある。
館内に置かれたインテリア等のグッズや人気の家具を揃えたショップ「Lungarno Details」がホテルに隣接しています。家具はもちろん、ギフト類、アクセサリーなどもあり、高級品を見るだけでも楽しいショップです。また、Palazzo Spini Ferroni には「サルヴァトーレ・フェラガモ・ミュージアム」があり、ホテル滞在のゲストには、無料入館という特点もあるそう。私はまだこの美術館には行ったことがありませんが、フェラガモのヴィンテージものや様々なコレクション、貴重な写真などが飾られているとか、次回は是非訪れたいと思います。
(左)ペントハウス・ヴェッキオ。(右)ホテルのカフェテリアでのんびりとお喋り。
街の中心の旧市街というロケーションから、このホテル周辺には、ベッキオ橋、Palazzo Strozzi、美しいサンタ・マリア・デル・フィォーレ大聖堂など、観光にも大変便利な場所。旅には重要な'食'ですが、ホテルのレストランでは、アジアの香りとイタリアンのフュージョンが楽しめます。なんでもインド、インドネシア、タイ等を旅したシェフが各国のアジア料理に魅せられ、「フージョン・バー&レストラン」では、地中海料理、中国料理、タイ料理などとイタリアンとのコラボによる独創的なメニューが構成されています。なんと別格だったのは「にぎり寿司」「巻き寿司」。SUSHIブームは世界的なのだと再確認しました。(K.S)
Gallery Hotel Art
ギャラリーホテル・アート
Vicolo dell'Oro, 5, 50123 Florence Italy
Tel + 39 055 27263 Fax +39 055 268557
www.lungarnocollection.com
客室数:74室
料金:●アーリー・ブッキング30%オフ:EURO。159~、
●「アート・ギャラリー・スペシャル・パッケージ」 EURO.320~、
(3泊部屋代、朝食、3コースディナー2名分1回、
ウフィッツィ美術館無料、写真ワークショップ、フィレンツェツアー参加)
設備:レストラン&バー、ライブラリ兼ラウンジ、ボールルーム、他、
アクセス:国鉄「サンタ・マリア・ノッヴェラ中央駅」から1km、
フィレンツェ・アメリゴ・ベスプッチ空港~10km
予約:現地/Tel +39 055 27264000
reservations@lungarnocollection.com

Kyoko Sekine
ホテルジャーナリスト
スイス山岳地での観光局勤務、その後の仏語通訳を経て94年から現職。世界のホテルや旅館の「環境問題、癒し、もてなし」を主題に現場取材を貫く。スクープも多々、雑誌、新聞、ウェブを中心に連載多数。ホテルのコンサルタント、アドバイザーも。著書多数。
http://www.kyokosekine.com