5月5日の日本時間22時に発表された2022-23年クルーズコレクションの舞台は、モナコのモンテカルロ。ショーの開催に先立って公開された、まるで映画のようなティザー動画は、ソフィア・ コッポラとロマン・コッポラによるもの。地中海の眩い太陽を浴びながら、サマーバカンスを自由に楽しむ女性たちの姿をコラージュした。
メゾンの歴史に刺激を受けた、最新コレクション。
「とても早い時期から、私たちがモナコで、それもビーチホテルでショーを開催すると分かっていました。カールもそれを夢見ていたのです。この素晴らしい会場からは、彼の別荘であるラ・ヴィジーがほのかに見えます。テラス、バルコニー、大きなパラソル、花のバスケット……たくさんの美しいものに囲まれながら、そこで過ごした時間をずっと忘れません」とは、アーティスティックディレクターのヴィルジニー・ヴィアール。
彼女の言葉にもあるように、長らくカールが夢に見た場所、モンテカルロのビーチホテルに作られたランウェイをモデルたちがリラックスしたムードで歩いた。
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彼女たちが纏ったのは、モナコのコスモポリタンなビーチスタイルとコートダジュールにまつわるシャネルの歴史に刺激を受けた最新コレクションだ。「スポーティな雰囲気が漂いますが、それだけではありません」とヴィルジニーが語るように、軽やかなテリークロスの裏地が付いたアイコニックなツイードやシルクのジャンプスーツがバリエーション豊かに登場。
「無数のスパンコールやフラワーエンブロイダリーが施されたプラストロン(胸飾り)は、カールへのオマージュである白の高襟が付いた細いストライプのロングシャツドレスや、スパンコールをちりばめたミッドナイトブルーのドレス、そしてワイドパンツと合わせた背中が開いたトップにもあしらいました」。
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テニスラケットを模したバッグや、モンテカルロバレエのダンサーたちのトウシューズが着想源のサテンのシューズなど、アクセサリーにもモンテカルロのムードとシャネルらしい遊び心が光る。「モナコはシャネルの歴史と密接な関係にあります。私たちはそこで多くの幸せなひと時を紡いできたのです」。そして、このクルーズのショーがモナコとシャネルを繋ぐ、新しい歴史の一頁となった。
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シャネルファミリーが見た、クルーズコレクション。
今回も世界中からシャネルの最新作を見るために、セレブリティたちがモンテカルロに集結。
「モンテカルロのライフスタイルを想起させるグラマラスなコレクション。それはとてもヴィルジニーらしいと思ったわ」と感想を語ったのは、メゾンのアンバサダーであるキャロリーヌ・ドゥ・メグレ。
キャロリーヌ・ドゥ・メグレ
同じくアンバサダーのクリステン スチュワートは「これ好き、これも好き、これも!これも!っなってしまった」と話す。
ティルダ・スウィントンは「私たちには、ジャンプスーツは全部、必要よ。あれがあればどんなシーンにも対応できはず」と目を輝かせる。
ほかにも、今回のショーのティザー動画を撮影したソフィア・コッポラ、そしてアジアからは、ビッグバンのG-DRAGONなど豪華な顔ぶれが並ぶ。
ショーが終わった夜には、地中海を一望できるカール ラガーフェルドの別荘、ラ・ヴィジーで華やかなアフターパーティが開催され、ミュージシャンであるナイル・ロジャースによるサプライズライブパフォーマンスで盛り上がった。
text: Tomoko Kawakami, photography: Chanel