2023年春夏 オートクチュール コレクションのショーがパリで開催された。パリのシャネルのアパルトマンに収められた動物たちがインスピレーション源となった今季。現代アーティスト、グザヴィエ・ヴェイヤンとの3回目のコラボレーションとなった舞台装飾にも注目したい。
1月24日(現地時間)にパリのグラン・パレ・エフェメールでシャネルの2023年春夏オートクチュール コレクションのショーが開催された。今シーズンの着想源は、ガブリエル シャネルが愛したパリ・カンボン通り31番地にある彼女のアパルトマン。そこにはライオン、犬、鹿、鳥、ラクダなどのオブジェや彫刻、ドローイングなどのコレクションが収められている。
現代アーティストのグザヴィエ・ヴェイヤンとコラボレーションしたショーの舞台装飾でも、動物たちが主役になっている。「三度目のコラボレーションとなる今回、グザヴィエ・ヴェイヤンには、アパルトマンの動物たちの寓話を再解釈し、彼自身の世界に取り入れてもらいたいと依頼しました。コレクション全体にかかる装飾も、動物の世界から派生したものです」とヴィルジニー・ヴィアール。
ショーに先駆け公開されたショートフィルムにもグザヴィエが手がけた架空の大きな鳥が登場し、その中から出てきたのは、ショーでもトップバッターを飾ったヴィヴィアン・ローナー。ランウェイショーでもそれを再現し、会場に置かれた大きな鳥のモニュメントの中から黒いトップハットに白いダブルブレストジャケットを合わせたヴィヴィアンが現れ、ショーがスタート! 「予期せぬことが起きることが好きなのです」とはヴィルジニー。
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メゾンを象徴するスーツスタイルは、パレードやショーで見られる女性たちのユニフォームをコードとして引用。トップハットやボウタイ、白のグローブ、レースアップブーツ、サテンのケープ、プリーツスカート、そしてジャケットやテール付きジャケット、さらにはタキシードシャツやスパンコール、ショートパンツ、ペチコートなどが想起させる詩的な情景から、ヴィルジニーはコレクションのイマジネーションを膨らませていったそう。
今季らしさを印象付けるショート丈のツイードスーツやコートドレスに刺繍された子猫、コーギー、ウサギ、ツバメや鹿たちは、シャネルのシンボルであるカメリアと同じくらい強い存在感を放つ。シルクチュール、タフタ、シャンテリーレースなど贅沢な素材に、繊細で美しい装飾。オートクチュールならではの、贅を尽くしたクリエイションで、動物たちが彩るポエティックな世界を披露しながらも、決してリアリティを見失うことのないシャネルらしい仕上がりもさすがだ。
今回もシャネルの最新のクリエイションに触れたいと世界中からセレブリティたちが駆けつけた。日本からは、宮沢氷魚、二階堂ふみなどの姿も。さらにシャネルのアンバサダーを務めるマリオン・コティヤールやヴァネッサ・パラディ、キャロリーヌ・ドゥ・メグレ、さらにはG-DRAGONもフロントロウに座り、ショーに花を添えた。
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シャネル カスタマーケア
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text: Tomoko Kawakami, photography: Chanel