2022年に東京で開催され、大盛況のうちに終了した「ガブリエル シャネル Fashion Manifesto」展が現在、イギリス・ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館(V&A)で開催されている。世界屈指の博物館、V&Aによって再編成された展覧会は内容がパワーアップ。200点以上のルックやジュエリーやフレグランス、アクセサリーがずらりと揃う、圧巻の展示となっている。
英国初のガブリエル・シャネル展覧会。
2020年にパリのガリエラ宮パリ市立モード美術館で開かれた「ガブリエル シャネル Fashion Manifesto」展。その大規模な国際巡回展がメルボルンや東京などを経て、ロンドンに到着した。20世紀における最も影響力のあるデザイナーのひとりであるガブリエル・シャネルの英国での回顧展はなんと今回が初めて。英国での展示用にV&Aが再編成した今回の展覧会には、貴重なV&Aやガリエラ宮パリ市立モード美術館のコレクションに加え、シャネルのアーカイブに保存されたメゾンの歴史を物語るピースなど、めったに公開されることのない所蔵品もお披露目めされている。
見どころは、現存するなかでも最も初期にあたる1961年の作品や、1924年にバレエリュスが上演した『青列車』のためにシャネルがデザインしたオリジナルの衣装、さらにはハリウッドスターのローレン・バコールとマレーネ・ディートリッヒのために制作した衣装など。さらには、ガブリエル・シャネルにとって最後となった1971年のコレクションのアンサンブルなども展示されているというから見逃せない。
ガブリエル・シャネルの生き様を辿る。
この展覧会では、10のテーマを通して、生地、シルエット、構造に対するガブリエルの革新的なアプローチを探求し、彼女が20世紀におけるファッションの新しい枠組みを築いた軌跡を辿る。さらには彼女が築いたキャリアや独自のスタイルの誕生と発展、ファッション史への貢献までを細かく分析。デザイナーとしてのクリエイションだけでなく、その審美眼の秘訣や一人の人間としての生き方までも垣間見ることができる稀有なエキシヴィションだ。
V&Aの館長のトリストラム・ハント氏は「現存するメゾンの中で、最も成功を収めているもののひとつであるシャネルは、100年以上も前のガブリエルが完成させたスタイルに支えられています。本展では、シャネルの不朽のスタイルの起源や、それを支える数々の要素を探り、V&Aコレクションのなかでもこれまで公開したことがほとんどない、シャネルの歴史のある衣服を展示します」と語る。
9月16日からの一般公開に先駆けて行われたガラディナーには、メゾンのアンバサダーであるキーラ・ナイトレイやジョージア・メイ・ジャガー、日本からは宮沢氷魚、そしてナオミ・キャンベル、イベイーなど近しいセレブリティが来場、展覧会を堪能した。
イギリス初となる「ガブリエル シャネル Fashion Manifesto」展は、2024年2月25日まで開催。ロンドンを楽しむために、これまで以上に欠かせないスポットになりそうだ。
シャネル カスタマーケア
0120-525-519(フリーダイヤル)
text: Tomoko Kawakami, photography: Chanel