2002年に初めて発表されて以来、シャネルの物作りの中核を担うメティエダールコレクション。この度発表されたマチュー・ブレイジーによる1stコレクションで彼は、メティエダール、つまり、芸術的な手仕事のテクニックをニューヨークの地下鉄というリアルライフに持ち込んで、新しい歴史への出発のベルを鳴らした。メゾンが誇る11のメゾンダールと新たな感性がシンクロする瞬間を見逃さないで!
ニューヨークの地下鉄に息づく、無限のドラマを映し出す。


2023年12月3日に公開されたシャネルの2026年メティエダール コレクションは、動き続ける都市・ニューヨークの象徴、「地下鉄」が舞台。駅のホームに滑り込んでくる電車、そこから登場してくるのは、さまざまな年齢、キャラクターのモデルたちだ。


「ニューヨークの地下鉄はすべての人々のものです。学生から画期的な事業をなす人 、政治家からティーンエイジャーまで、あらゆる人々が利用します。謎に満ちながらも心躍る出会いがあり、またポップカルチャーがぶつかり合う場所であり、皆どこかへと向かっています。彼らの服装はどれも個性的。まるで映画の世界のように、全員がそれぞれ自分の物語の主人公なのです」とマチューは語る。地下鉄に潜むドラマや"サブ(ウェイ)カルチャー"をメゾンダールの卓越した技によって昇華し、ウィットに富むエレガントなスタイルを披露した。
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シャネルとニューヨークに流れる、映画のような時間。


ガブリエル・シャネルが初めてニューヨークを訪れたのは1931年。ハリウッド滞在の前後に立ち寄ったその街で、彼女はダウンタウンの活気と、自らのスタイルを自由に着こなす人々の存在に触れ、再び自信を取り戻したという。マチューは、その歴史的な瞬間からインスピレーションを得て、今回のコレクションに"映画の世界"を投影した。

シャネルの普遍性がカジュアルに、軽やかに、ポップな雰囲気の中で生き生きと輝く街、それがニューヨークだったのだ。ヨーロッパへ戻る前に彼女が見た、シャネルを自分らしく纏うニューヨーカーの姿。その解放的な空気こそ、メゾンがこの街を深く愛してきた大きな理由である。そして今季、マチューはコレクションを通して、ニューヨークの華やかさとひたむきさ、そして現実と想像を表現することに挑戦した。
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1920年代から2020年代へ。メゾンダールの技が紡ぐ、シャネルの世界。

今回は、1920年代のアールデコから2020年代のラウンジスタイルまで、時代を超えたイメージとキャラクターが自在に交差する構成。le19Mに集うメゾンダールの職人たちが生み出すサヴォワフェールがポップアートと出会い、軽やかでエレガントなスタイルが完成した。

ランジェリーデニムには精緻な刺繍が施され、新しいウエスタンウェアを提案。マチューが得意とするボリュームのあるスカートも登場した。アールデコのアーカイブドレスは、ルサージュの刺繍によって現代的に再解釈され、ルマリエによるレザーフリンジで新鮮なムードに。


フラッパースタイルを今に蘇らせた装いには、チノパンツを組み合わせて、軽妙なバランスを生み出している。メンズシャツのスタイルはアレンジされ、シャネルのチェーンで重みをプラス。さらにランバージャックチェックのフランネルは、贅沢なウールブークレツイードへと昇華して。さまざまなライニングのシルクには手描きのニューヨークのモチーフが配され、スカイラインを背景に犬を散歩させるココ・シャネルの姿も登場し、都市へのオマージュもさりげなく添えた。また観光地のお土産を想起させるエナメルで作られたピーナッツやリンゴといったチャーミングなアクセサリーやタイガーやゼブラのパターン、動物を模したヘッドピースも登場し、シャネルらしい遊び心も花を添えていた。
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フロントローを飾る豪華セレブリティたち
今回のショーを祝福するかのように、会場となった廃駅のニューヨーク市地下鉄J・Z線のバワリー駅には華やかなセレブリティ集結。その中にはもちろん、先日アンバサダーの就任が発表されたばかりのエイサップ・ロッキーとショートフィルムに登場したマーガレット・クアリーの姿も。














シャネル カスタマー ケア センター
0120-525-519(フリーダイヤル)
photography: courtesy of Chanel text: Tomoko Kawakami





