「アルマーニ / カーザ」最新コレクションが日本に到着。

私たちが身に纏う衣服と、私たちを包む空間と。その双方に貫かれているジョルジオ アルマーニの美意識を愉しめるホームインテリアコレクションが、アルマーニ / カーザです。昨年9月のミラノデザインウィークで紹介された最新コレクションが、日本に到着しました。

なかでも注目は、世界中で限定数しかつくられず、ワールドツアー中の限定生産品「HERO PRODUCT(ヒーロー・プロダクト)」です。その家具を中心とする展示会が、先日、都内の日本家屋を会場として行われました。実に美しかったその展示風景の写真を今回は紹介しましょう。なお、このヒーロー・プロダクトは、現在、アルマーニ / 銀座タワーに場所を移して展示中です。


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展示会の会場となったのは、都心でありながらも江戸の趣が残る地区に建つ築70年ほどの日本家屋でした。坂道を上り細い路地を進んでいくと、一軒の住宅の玄関口に「ARMANI / CASA」ののれんが……!  コレクションのファブリックでつくられたのれんだそうですが、建物や路地に見ごとに溶け込んでいで、その調和には驚かされるほどでした。

この建物内にて、ヒーロー・プロダクトの2種類の家具は庭とともに目にできる展示となっていました。家具のひとつは、レオパード柄のファブリックの「ROSANNA」。アルマーニ氏自身が愛用するプライベートコレクションのひとつであり、アルマーニ / カーザの他の家具にもうかがえるように、イタリアンモダンをベースとしながらアールデコの趣も含んだデザイン。無垢材の脚の曲線も美しく、特色あるファブリックとのバランスもエレガントです。

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日本家屋で展示されていたソファ「ROSANNA」とバーキャビネット「ROYAL」(写真右手)。photography: Courtesy of ARMANI/CASA

もうひとつは、バーキャビネットの「ROYAL」。紙とコットンを織ったファブリックは日本の伝統的な織のようで、端正な幾何学模様となっていることもあって、どことなく日本の畳を想像させました。アニマルプリントのチェアとともに日本建築に調和していた様子は、この写真からも感じとっていただけることと思います。


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これらふたつの家具以外にも、アルマーニ / カーザのコレクションであるレザーのひとりがけソファやサイドテーブル、日本の行灯を思わせる照明器具などが、この部屋で以前から愛用されてきたかのように佇んでいました。イタリアで生まれた家具ですが、刻々と変化しながらさし込む春の日ざしをうけて、谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』につながる空気も醸し出されていました。そのなかで、デザインの美しさが浮かび上がります。

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レザーのひとりがけソファ。photography: Courtesy of ARMANI/CASA

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照明器具にも和の趣が。photography: Courtesy of ARMANI/CASA

空間を満たす心地よい空気。それはイタリアモダンやアールデコ、オリエンタリズムの調和であり、また、昭和の建築と現代のデザインといった、文化や時代が異なるものの出会いと響き合う関係から醸し出されるものであることを実感します。日本を愛するアルマーニ氏の感性があってこそ生み出される、洋の東西を超える表現の魅力を体感できる機会となりました。

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ファブリックの美しさもアルマーニ / カーザの魅力のひとつ。畳の空間で紹介されていたクッションのカバーは、製品製造過程で生まれる端材を生かしたサステイナブルな視点でのコレクション。photography: Courtesy of ARMANI/CASA

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さて、アルマーニ / 銀座タワー内のアルマーニ / カーザでの現在の展示では、ヒーロー・プロダクトの「ROSANNA」と「ROYAL」が4月22日まで、ほかのコレクションは6月末(予定)まで紹介されています。こちらではアルマーニ / 銀座タワーのコンテンポラリーな空間とともにコレクションの魅力に触れることができます。

「アルマーニ---カーザ」最新コレクションが日本に到着。-03.jpgphotography: Courtesy of ARMANI/CASA

身に纏う衣服が心を豊かにしてくれるように、空間を彩ると同時に心に作用するホームインテリアのコレクション。家具はもちろんテーブルウエアからアロマキャンドルまで含まれ、アルマーニらしいファブリック類のこだわりやその美しさにも注目を。こうしたコレクション全体から伝わってくるのは、「エレガンスとは気づかれることではありません。記憶されることです」と語る、アルマーニ氏の創造における哲学です。

アルマーニ / カーザ『THE HOME. A CHANGING WORLD』
会期:~2022年6月末(予定)新作コレクションを紹介中
東京都中央区銀座 5-5-4 アルマーニ / 銀座タワー B1F & B2F
営)11:00〜20:00
www.armani.com/casa/jp/furniture

 

 

 

 

Noriko Kawakami
ジャーナリスト

デザイン誌「AXIS」編集部を経て独立。デザイン、アートを中心に取材、執筆を行うほか、デザイン展覧会の企画、キュレーションも手がける。21_21 DESIGN SIGHTアソシエイトディレクターとして同館の展覧会企画も。

http://norikokawakami.jp
instagram: @noriko_kawakami

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