DESIGNTIDE TOKYOあす開幕。
メイン会場構成は中坊壮介さん
デザイン・ジャーナル 2011.10.28
デザインタイド トーキョーのカタログ。表紙には「思考をトレードする場」と。Photos: Noriko Kawakami
展示、販売(デザイナー本人からプロダクトを購入できる楽しい「TIDE MARKET」があるのです)の品々の搬入前日、会場の基本がほぼ完成というタイミングでの会場拝見です。広さは1300m²。ファッションショーにも使われているこのホールが一体どんな空間になるのか、これもTIDEの毎年の楽しみのひとつです。
白、白......。
中坊さんを布地ごしに。
ロンドンにあるジャスパー・モリソンのスタジオで働いていたことがあり、無印良品のプロダクトを多数デザインしている中坊さん。プロダクトデザイナーらしく、そしてなにより中坊さんらしい会場構成でメイン会場のベースをまとめあげていました。
彼が師事したジャスパーは、がらくた屋で味あるグラスを発掘したり、地味な店先の面白い棚を発見したり、なんてことはないかもしれないけれど魅力的な品々を見つける名手。中坊さんも私たちの周りの品々を巧く組み合わせながら空間をつくっています。
中坊さん。私は先月「DESIGNEAST 02」のトークでご一緒させていただきました。今回、TIDEメイン会場構成を手がけた3名の建築家(中村さん、谷尻さん、中坊さん)のトークが11月3日に行われます。詳細はTIDE TABLEプログラムを。
「光をディフューズ(拡散)させる四角い箱のイメージなんです」。なるほど、空間全体がステージなのですね。全体が均質で美しい光に包まれるはずです。ここに掲載した写真は最終的な照明が加わる前のもので、翌日に照明調整が予定されていました。会場の両側には長いスタンドの照明器具がずらりとスタンバイ......。
白い柱は特注ですが、生地を支える赤いロープはザイル、登山用のロープです。白い布とのコントランスも美しく、生地をぴんと張った状態そのものも美しい。柱、生地、ロープ、照明、重り......と最小限のもので考えられた会場構成です。
赤いロープ。
建築現場で敷地を示すために用いられる石を活用して、布地を留めるそう。価格を教えてもらったら驚くほどリーズナブルでした。こんなところにもデザイナーの手腕が。
企画展「Mark-ing」の準備中。日本と英国で活躍する16デザイナーを紹介する展示です。手前が同展企画に関わる二人で、左からタイドのディレクターでもある松澤 剛さん(E&Y)と尾原和史さん(SOUP DESIGN)。奥は左から、黒河内真衣子さん(出展作家)、福井利佐さん(出展作家)、佐藤 拓さん(タイドのアシスタントディレクター)、増賀雅美さん(福井さんのマネジメント)。
アレッシィ ショップ 青山では、アレッシィとECAL(エカル/ローザンヌ美術大学)の学生のワークショップ成果を発表中。
17作品から厳選された10点が日本に。このなかの5作品の商品化がすでに決定しているそうです。どの5つか、会場で推測するのも楽しいかもしれません。また、「これは多くの人に愛されるはず!」とアレッシィが高く評価しているデザインも......。
ECALのインダストリアルデザイン学部長、Elric Petit(エルリック・プティ)。BIG-GAMEというチームでのデザイン活動では、日本のカリモクのプロジェクトにも参加。BIG -GAMEの一員で同じくECALの先生、Augustin Scott(オウガスティン・スコット)も来日中。二人は明日、TIDEメイン会場でトークを予定しています。
このアレッシィ&ECALプロジェクト、4月のミラノデザインウィークで目にしていたものの、大勢の来場者で細部をじっくり目にできる状況ではありませんでした。日本で改めて目にできるのが嬉しい。
都内では他にも、今日、明日がオープニングとなっているプログラムが多数......。 展示マップを手に、どうぞ楽しい週末をお過ごしください。
hhstyle.com青山本店の
「Jean Prouvé Exhibition」。ヴィンテージアイテム(3枚の写真の一番上)展示と、購入できる「JEAN PROUVE BY G-STAR RAW FOR VITRA」の紹介。
「DESIGNTIDE TOKYO 2011」
10月29日〜11月3日
https://designtide.jp
東京ミッドタウン・ホール
他、エクステンション会場(都内各所)
東京ミッドタウンでは「DESIGSN TOUCH」も
11月6日まで
http://www.tokyo-midtown.com/jp/designtouch/2011/

Noriko Kawakami
ジャーナリスト
デザイン誌「AXIS」編集部を経て独立。デザイン、アートを中心に取材、執筆を行うほか、デザイン展覧会の企画、キュレーションも手がける。21_21 DESIGN SIGHTアソシエイトディレクターとして同館の展覧会企画も。
http://norikokawakami.jp
instagram: @noriko_kawakami