デンマーク・デザインを味わう部屋で。
コペンハーゲン「ホテル・アレクサンドラ」

先日滞在したコペンハーゲンでは、デザイン関係の友人たちから聞いていたホテルに泊まっていました。デンマークのデザインや家具好きの読者にお伝えしたいなあ、と思ったホテルだったので、ご紹介を。

AA1.JPG ホテルの入り口には色とりどりの花と、貸し自転車が。Photos: Noriko Kawakami(以下すべて)

中央駅から徒歩10分以内、はい、チボリ公園の近くです。市庁舎やショピングストリートのストロイエにも、(デザイン好きには、デンマーク・デザイン・センターにも!)歩いてすぐという、絶好のロケーションにある「ホテル・アレクサンドラ」。

ロビーはまるでデンマーク・デザインのショーケース。使いこまれていい味を醸しだしている皮革ばりの椅子やソファが置かれていて、壁にはポスターやデザイナーの顔写真も。フロントは気持ちのよいスタッフばかり。1Fのカフェでの朝食後、夕食前に一度ホテルに戻る夕刻時、ミーティングの待ち合わせに......と、ロビーでひと息つく時間も楽しんだ滞在となりました。

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AA3.JPG ロビーです。写真下はダニッシュ・エージェンシー・フォー・カルチャーのスーネ・ブリカーさん。

AA4.jpgこんな席も。

このホテルには、デンマーク・デザインの巨匠、9名の世界でまとめられた客室があります。デザイナー名をそれぞれ記したプレートがドアにつけられた"デザイナーの部屋"。滞在中に見せてもらえた部屋のみ、一部だけのご紹介となりますが、順に紹介しましょう。

まずはアルネ・ヤコブセンの部屋から。ヤコブセンといえば、エッグチェアやスワンチェアなどの誕生のきっかけとなったラディソン ロイヤル ホテル(1960年、ヤコブセンのデザイン)もこの近くです。

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AA6.JPG エッグチェアやスワンチェア、セブンチェア、ベッドサイドにはAJランプ。プラスチックシートを折ったランプシェードは、ホテルの各部屋に置かれていたレ・クリントです(デザインはP.V.イエンセン・クリント)。客室の壁には巨匠のお顔写真も。

続いて、こちらもダンディなお部屋。フィン・ユールの部屋です。今年が生誕100周年となるフィン・ユール。コペンハーゲン市内のデザイン・ミュージアムでは、12月30日までフィン・ユール展覧会が開催されています。椅子の張り地からドローイングの着色まで、ユールらしい豊かな色彩も楽しめる展覧会でした。

AA7.jpg巨匠のお顔がこんなところに!

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AA9.jpg フィン・ユールの優雅な世界でした。

デンマークのデザイナーといえば、やはり忘れてならないヴェルナール・パントンの部屋ももちろん。赤やピンク、青に包まれた鮮やかな部屋、バスルームの壁はグリーンと白......! 雨の日が続いて冷たい風も吹いていた晩秋のコペンハーゲン、こうした色に出会えると、「!」と心がはずみます。

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AA11.jpg 赤のリビングルームと青のベッドルーム。赤い部屋にはピンクのドア!もちろんパントンチェアも。

テキスタイルやアクセサリーも手がけた女性デザイナー、ナンナ・ディッツェルの部屋は、おだやかな空気を感じる気持ちのよいコーディネイトでした。次回の宿泊はこの部屋も......などと思いながら、客室拝見。

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AA15.JPG丸みのある姿が愛らしいナナ・ディッツェルのイージーチェア、カーペットの色にあわせて青の張り地でした。ベッドやデスクなど、彼女の世界にあわせてコーディネイトされています。

デンマーク・デザインを語るうえで忘れてならない人物、ハンス・ウェグナーの部屋もあります。この週は連泊のお客様がいらして(ウェグナー・ファン?!)残念ながら見ることができませんでした。こちらはまた次回に。

他にもコーア・クリント、ボーエ・モーエンセン、オーレ・ヴァンシャー、グレーテ・ヤルクと、歴史に残るデザイナーたちの部屋が設けられていて、まさにデンマーク・デザインを楽しめるホテル。他にもデンマーク・デザインのエッセンスでまとめられた部屋(次写真)もあり、こちらも心地よい空気を感じます。

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AA17.JPGアルネ・ヤコブセンのベルビュー・テーブルランプも。

建物そのものもよい感じに歳月を重ねているので、最新設備のホテルや規模の大きなホテルがお好みの方には別のタイプのホテルがよいかもしれませんが、家具好きの友人の家を楽しむような滞在が好きな方に、おすすめのホテル。

ルイジアナ美術館やオードロップゴー美術館にもうかがえた今回のデンマーク滞在。デンマーク王立図書館新館(ブラックダイヤモンド)も改めてじっくり見ることができました。訪ねたい場所のリストはまだまだたくさん。次の旅の計画をたてるのも楽しみです。

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Hotel Alexandra
http://www.hotelalexandra.dk

Noriko Kawakami
ジャーナリスト

デザイン誌「AXIS」編集部を経て独立。デザイン、アートを中心に取材、執筆を行うほか、デザイン展覧会の企画、キュレーションも手がける。21_21 DESIGN SIGHTアソシエイトディレクターとして同館の展覧会企画も。

http://norikokawakami.jp
instagram: @noriko_kawakami

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