モノクルカフェでタイラーが選んだ
深澤直人、ジャスパーのチェア
デザイン・ジャーナル 2011.11.18
「モノクルカフェのあの椅子、フカサワさんがデザインしたものだよね?」
よくできました、その通り(笑)! 「カフェに行ったら、以前から気になっていた椅子があって、ちょっと嬉しかった」のだそう。そう聞いて、私も嬉しい。
THE MONOCLE CAFE(モノクルカフェ)。一部のデスクにはコンセント口も用意され、どことなく空港のラウンジのよう......。Photos: Courtesy of The Monocle Cafe
空間デザインのディレクションはもちろん、『MONOCLE』編集長を務めるタイラー・ブリュレ。たとえば天井からのランプは、タイラーお気に入りのドイツ製のものです。テーブルはタイラーのディレクションのもと、このカフェのための日本製オリジナル......。
併設された「THE MONOCLE SHOP」。モノクルではオンラインショップの他、東京、香港、 北京、ロンドン、ニューヨークにリアル店舗を。注目したいデザイナーやブランドとのコラボレーションによる限定グッズがずらり。モノクルのラジオ番組「Monocle24」専用ボタンがついたラジオも販売中。http://shop.monocle.com
木の質感が活かされたカフェ。建物の地下エントランスにつながっているのですが、不思議と落ち着ける空間、都市のトランジットスペースといった感じです。
深澤直人さんデザインの「HIROSHIMA(ヒロシマ)」からアームチェアとラウンジチェア、さらにジャスパー・モリソンデザインの「Lightwood(ライトウッド)」チェア。シックなシートの色は、マルニが用意している張地の選択肢からタイラーが選んだ一色。
「HIROSHIMA」アームチェア、ビーチ材。¥99,000。写真の張地は「MIX FLANO ブラウン」。モノクルカフェのチェアでは「BALI ダークブラウン」の張地が選ばれています。その美しい色、カフェでぜひご覧ください。家具購入の際にはカフェと同じ張地の色の注文が可能です。Photo: Yoneo Kawabe, Photo ©Maruni Wood Industry Inc.
「HIROSHIMA」ラウンジチェア、ビーチ材。ゆったりとした座面。写真の張地は「MIX FLANO グレー」。カフェでは「BALI ダークブラウン」の張地のものが用いられています。¥149,000。Photo: Yoneo Kawabe, Photo ©Maruni Wood Industry Inc.
機械による製造プロセスを巧みに取り入れながら、けれどやはり現場の方々の腕が最大に活かされることで完成する、マルニの家具。日本の木材には製材の仕方によって木目が異なる「柾目(まさめ)」と「板目(いため)」があるのですが、こうした木目の表情も丁寧にあわせていくという、驚くほどの神経が配られ、手間がかけられています。
「Lightwood」チェア、バーチ材。後ろ姿も美しい。この写真はブラックレザーの張地ですが、カフェではこちらも「BALI ダークブラウン」の張地で。¥45,000。Photo: Yoneo Kawabe, Photo ©Maruni Wood Industry Inc.
こだわりのコーヒーはもちろん、タイラーがこよなく愛するジューシーなカツサンドをはじめ、ルーベンサンドやトーストスカーゲンといった各国の味を、心地よい家具、空間と楽しめる場所。銀座ショッピングの際に愛用したい、気になるカフェです。
Photos: Courtesy of The Monocle Cafe
「THE MONOCLE CAFE(モノクルカフェ)」
阪急MEN'S TOKYO B1F TEL 03-6252-5285
MARUNI COLLECTION(マルニコレクション)
http://www.maruni.com/
問い合わせ先:マルニ木工 TEL 03-5614-6598

Noriko Kawakami
ジャーナリスト
デザイン誌「AXIS」編集部を経て独立。デザイン、アートを中心に取材、執筆を行うほか、デザイン展覧会の企画、キュレーションも手がける。21_21 DESIGN SIGHTアソシエイトディレクターとして同館の展覧会企画も。
http://norikokawakami.jp
instagram: @noriko_kawakami