モノクルカフェでタイラーが選んだ
深澤直人、ジャスパーのチェア

デザイン分野ではなく、少々オカタイ仕事をしている弟から先日、メールがありました。
「モノクルカフェのあの椅子、フカサワさんがデザインしたものだよね?」

よくできました、その通り(笑)! 「カフェに行ったら、以前から気になっていた椅子があって、ちょっと嬉しかった」のだそう。そう聞いて、私も嬉しい。

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M02 kawakami1118.jpgTHE MONOCLE CAFE(モノクルカフェ)。一部のデスクにはコンセント口も用意され、どことなく空港のラウンジのよう......。Photos: Courtesy of The Monocle Cafe

FIGARO.jpの「NEWS」でも今週紹介されていた「THE MONOCLE CAFE(モノクルカフェ)」。場所は有楽町の「阪急MEN'S TOKYO」地下1階です。今回はその空間にフォーカスして、ご紹介しましょう。

空間デザインのディレクションはもちろん、『MONOCLE』編集長を務めるタイラー・ブリュレ。たとえば天井からのランプは、タイラーお気に入りのドイツ製のものです。テーブルはタイラーのディレクションのもと、このカフェのための日本製オリジナル......。

M03 kawakami1118.jpg併設された「THE MONOCLE SHOP」。モノクルではオンラインショップの他、東京、香港、 北京、ロンドン、ニューヨークにリアル店舗を。注目したいデザイナーやブランドとのコラボレーションによる限定グッズがずらり。モノクルのラジオ番組「Monocle24」専用ボタンがついたラジオも販売中。http://shop.monocle.com

M04 kawakami1118.jpg木の質感が活かされたカフェ。建物の地下エントランスにつながっているのですが、不思議と落ち着ける空間、都市のトランジットスペースといった感じです。

冒頭でも触れたチェア、歴史ある日本の家具メーカー、マルニ木工の「MARUNI COLLECTION(マルニコレクション)」です。

深澤直人さんデザインの「HIROSHIMA(ヒロシマ)」からアームチェアとラウンジチェア、さらにジャスパー・モリソンデザインの「Lightwood(ライトウッド)」チェア。シックなシートの色は、マルニが用意している張地の選択肢からタイラーが選んだ一色。

M05 kawakami1118.jpg 「HIROSHIMA」アームチェア、ビーチ材。¥99,000。写真の張地は「MIX FLANO ブラウン」。モノクルカフェのチェアでは「BALI ダークブラウン」の張地が選ばれています。その美しい色、カフェでぜひご覧ください。家具購入の際にはカフェと同じ張地の色の注文が可能です。Photo: Yoneo Kawabe, Photo ©Maruni Wood Industry Inc.

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M07 kawakami1118.jpg「HIROSHIMA」ラウンジチェア、ビーチ材。ゆったりとした座面。写真の張地は「MIX FLANO グレー」。カフェでは「BALI ダークブラウン」の張地のものが用いられています。¥149,000。Photo: Yoneo Kawabe, Photo ©Maruni Wood Industry Inc.

これらの家具の選択では、タイラーのこだわりに加え、「日本らしさ」にも着目しての選択だそう。事実、これらのチェアには、研ぎすまされたデザインはもちろん、細かなところまで徹底したこだわりに貫かれた仕上がりなど、日本のプロダクトの特色を強く感じます。そう、それこそが世界が日本のデザインに注目する理由......。

機械による製造プロセスを巧みに取り入れながら、けれどやはり現場の方々の腕が最大に活かされることで完成する、マルニの家具。日本の木材には製材の仕方によって木目が異なる「柾目(まさめ)」と「板目(いため)」があるのですが、こうした木目の表情も丁寧にあわせていくという、驚くほどの神経が配られ、手間がかけられています。

M08 kawakami1118.jpg「Lightwood」チェア、バーチ材。後ろ姿も美しい。この写真はブラックレザーの張地ですが、カフェではこちらも「BALI ダークブラウン」の張地で。¥45,000。Photo: Yoneo Kawabe, Photo ©Maruni Wood Industry Inc.

「HIROSHIMA」も「Lightwood」も、背やアームのなめらかで美しい曲面、そしてなんといっても、座り心地のよさが、大きな魅力。深澤さんとジャスパーのデザイン力がたっぷり発揮された現代の名家具。私も大好きなこれらのチェアがこうしてモノクルのカフェにずらりと並んでいるということ、やはり嬉しい......。

こだわりのコーヒーはもちろん、タイラーがこよなく愛するジューシーなカツサンドをはじめ、ルーベンサンドやトーストスカーゲンといった各国の味を、心地よい家具、空間と楽しめる場所。銀座ショッピングの際に愛用したい、気になるカフェです。

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M10 kawakami1118.jpgPhotos: Courtesy of The Monocle Cafe


「THE MONOCLE CAFE(モノクルカフェ)」
阪急MEN'S TOKYO B1F TEL 03-6252-5285

MARUNI COLLECTION(マルニコレクション)
http://www.maruni.com/
問い合わせ先:マルニ木工 TEL 03-5614-6598


Noriko Kawakami
ジャーナリスト

デザイン誌「AXIS」編集部を経て独立。デザイン、アートを中心に取材、執筆を行うほか、デザイン展覧会の企画、キュレーションも手がける。21_21 DESIGN SIGHTアソシエイトディレクターとして同館の展覧会企画も。

http://norikokawakami.jp
instagram: @noriko_kawakami

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