時計とジュエリー、永遠のパートナーともなりうるこのふたつ。だからこそ、ブランドやそのモノの背景にあるストーリーに耳を傾けたい。いいモノこそ、いい物語があります。今回は、タグ・ホイヤーの時計の話をお届けします。
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TAG HEUER
Tag Heuer Carrera Calibre 16 Day-Date Chronograph
「タグ・ホイヤー カレラ キャリバー16 デイデイト クロノグラフ」(自動巻き、ステンレススティール、43㎜径、10気圧防水、アリゲーターストラップ)¥572,000/LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン タグ・ホイヤー
ベーシックなシンプルウォッチに飽きてきた時、多くの人が次に選ぶのはクロノグラフではないだろうか。クロノグラフとはストップウォッチ機能を持つ時計のこと。文字盤のレイアウトはぐっと賑やかになり、ストップウォッチ用のプッシュボタンも付くので、印象はよりメカっぽい。
この「タグ・ホイヤー カレラ キャリバー16 クロノグラフ」も、小窓を3つ備えたスポーティな容貌。文字盤の左側にあるのは秒針で、上と下はストップウォッチの30分積算計、12時間積算計になっている。曜日と日付表示もあるから、使い勝手は抜群。リュウズの上にあるプッシュボタンを押すと、ストップウォッチ用の細長い針がなめらかに動いて計測を始める。
時計を現在時刻を知るためのツールと見るか、手首を飾るファッションアイテムとして見るかで、選ぶデザインはそこそこ変わる。だがこのウォッチは、そのどちらの視点から見てもなかなかに優秀。高い実用性を備え、しかもスタイリッシュ。実は直径43ミリの大ぶりなメンズモデルなのだが、ローズゴールドカラーの数字や針が利いていて、ほのかに甘さを感じさせるところが心憎い。
このクロノグラフを身に着けると、手元に小粋なアクセントが生まれる。女性の細い手首にバルキーなメンズウォッチというアンバランスさが、不思議な色気を漂わせてくれるのだ。
*「フィガロジャポン」2018年11月号より抜粋
photo : SHINMEI (SEPT), stylisme : YUUKA MARUYAMA (MAKIURA OFFICE), texte : KEIKO HOMMA