時計とジュエリー、永遠のパートナーともなりうるこのふたつ。だからこそ、ブランドやそのモノの背景にあるストーリーに耳を傾けたい。いいモノこそ、いい物語があります。今回は、クロムハーツのジュエリーの話をお届けします。
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CHROME HEARTS
Classic Chain Bracelet
上から:ブレスレット(SLV×ダイヤモンド)¥1,111,000、(SLV)¥356,400、(SLV)¥327,800/以上クロムハーツ(クロムハーツ トーキョー)
クロムハーツほど、ハリウッドスターやロックミュージシャンから熱愛されるブランドは珍しい。創業したのは、リチャード・スターク。当初はカリフォルニアで、自らが身に着けるレザーのライディングウエアを自作していたが、独特の世界観が注目され、たちまち人気沸騰。やがて続々とセレブリティがクロムハーツを身に着け始め、世界的にブレイクしたのだ。
存在感、重厚感にあふれ、繊細な装飾が施されたアイテムの数々は、モード界の著名人の間にもファンが多い。男っぽく精悍なだけでなく、スタイリッシュでエレガントにも着けられる造形美が、このブランドをカリスマティックにしているのだろう。
ベラ・ハディッドやオフ︲ホワイトc/o ヴァージル アブローとのコラボレーションを実現させるなど、多彩な側面も持つクロムハーツ。創業者の妻でアーティストでもあるローリー・リン・スタークが夫とともに手がけているため、ジュエリーに女性らしい華やぎも備わっている。
ほどよいボリュームで手首を飾るこのブレスレットは、ブランドのアイコニックなアイテムで、チェーンのしなやかさが魅力。独自のデザインでクラシカルな雰囲気が漂い、一度身に着けたら手放せなくなりそうだ。男たちだけのものにしておくには惜しすぎる─そんなふうに感じさせる魅惑の引力が、このブランドにはある。
*「フィガロジャポン」2019年4月号より抜粋
photo : SHINMEI (SEPT), stylisme : YUUKA MARUYAMA (MAKIURA OFFICE), texte : KEIKO HOMMA