時計とジュエリー、永遠のパートナーともなりうるこのふたつ。だからこそ、ブランドやそのモノの背景にあるストーリーに耳を傾けたい。いいモノこそ、いい物語があります。今回は、フレッドのジュエリーの話をお届けします。
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FRED
Force 10
バックルとケーブルブレスレットは別売り。「フォース10 カラークラッシュ バックル」(PG×ルビー×スペサルタイトガーネット×イエローサファイア×ツァボライト×アクアマリン×ブルーサファイア×アメシスト)¥880,000、「フォース10 ケーブル ブレスレット」(PG)¥748,000/ともにフレッド(フレッド カスタマーサービス)
ディテールに秘められたシンボルが、
強く生きる勇気を与えてくれる。
フォース10とは、風力のこと。暴風警報が出るような荒れ狂う風のことだ。なぜフレッドは「フォース10」という名前をこの美しいブレスレットにつけたのだろう。
メゾンの創業者フレッド・サミュエルは、ボート競技を愛したスポーツマンだった。その息子たちはヨット競技に熱中し、ヨーロッパチャンピオンの栄冠にも輝いた。船のマリンケーブルをイメージしたジュエリーを妻に贈ろうと考えたのは、息子のひとり。ステンレススチールでケーブルを編み、船のロープワークに使うスウィヴェルシャックルをかたどったゴールドのバックルをつけたブレスレットだった。1966年のことだ。
ステンレススチールをジュエリーの素材に使い、しかもゴールドと組み合わせるというアイデアは、当時としてはあまりにも大胆かつ斬新。それでも、気どらないスポーティなジュエリーとして海辺のリゾートを愛する上流階級の人々の間で人気に火が付いた。
たちまち世界に広まった理由は、ネーミングに秘められた意味も大きかったのかもしれない。ヨットが海に出ることのできないほどの暴風を表す「フォース10」は、ハリケーン並みの荒波にも負けない精神力のシンボル。向かい風を乗りきり、前へ前へとヨットを走らせるポジティブなスピリットそのものなのだから。
最新作「フォース10カラークラッシュ」では、レインボーカラーに輝くバックルが登場。あしらわれた7色のジェムストーンには、それぞれ象徴的な意味が込められているという。
ルビーは情熱と粘り強さ、スペサルタイトガーネットはバランスと誠実さ、イエローサファイアはエネルギーと生きる喜び、ツァボライトは繁栄の具体化、アクアマリンは忍耐と復活、ブルーサファイアは正直さと直感力、アメシストはパワーと尊敬。ラッキージュエリーとしてはこれ以上ないくらいの贅沢さ。
そして「フォース10」のしっかりと編み込まれたケーブルブレスレットもまた、簡単には折れない心や強い絆のシンボルでもある。バックルはケーブルブレスレットから取り外すことができ、いくつか揃えておけば自分でチェンジできるのも魅力。
降り注ぐ太陽の光やどこまでも青い海、燃えるような夕焼けの色をちりばめた「フォース10カラークラッシュ」は、勇気をもって生き抜く前向きな女性たちを7色の輝きで讃えてくれる。
photography: Ayumu Yoshida styling: Tomoko Iijima text: Keiko Homma editing: Mami Aiko