時計とジュエリー、永遠のパートナーともなりうるこのふたつ。だからこそ、ブランドやそのモノの背景にあるストーリーに耳を傾けたい。いいモノこそ、いい物語があります。今回は、ショーメのジュエリーの話をお届けします。
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CHAUMET
JEUX DE LIENS HARMONY
メダイユの側面にもダイヤモンドが輝く華やかなデザイン。購入から2カ月の間、裏面にアルファベットや数字のエングレービングを無料でサービスしてくれる。「リアン」コレクションより、「ジュ ドゥ リアン ハーモニー」ペンダント(YG×ダイヤモンド)¥1,386,000/ショーメ
絆の大切さを思い出させてくれる太陽の輝きのペンダント。
ひと目でショーメのジュエリーとわかるアイコン「リアン」コレクションから、新作「ジュ ドゥ リアン ハーモニー」ペンダントが登場。リアンは絆を意味するフランス語で、ビジュー ドゥ サンティマン(想いを伝えるジュエリー)として長く愛され続けるコレクション。新作は、永遠に続く絆をラウンド形のメダイユとクロスモチーフでエレガントに表現したデザインだ。メダイユの表面に施されているのは、熟練の職人が手作業で刻みつけた放射状のエングレービング。これが太陽光線のように華やかに輝き、見る角度によってさまざまな表情を見せてくれるのだ。
さらにうれしいことには、メッセージや名前などを「ジュ ドゥ リアン ハーモニー」に刻印するエングレービングのサービスも用意されていること。愛する人と自分のイニシャルや、家族の名前、記念日の日付、心の込もったひと言などをペンダントに刻めば、それは世界にひとつだけのプレシャスな宝物になる。
ショーメの創業者であるマリ=エティエンヌ・ニトが金銀細工の店をパリに構えたのは、1780年のこと。新作ペンダントのエングレービングは、ニトが金銀細工ギルドの一員だったことに捧げるオマージュなのだそう。ゴールドに細やかなパターンを手作業で刻むハンドエングレービングの技は、1960年代から1970年代にかけてのショーメの名品ジュエリーにもさまざまな形で駆使されている。ショーメ銀座本店のブティックを飾るインテリアや調度品にも、このペンダントを思わせる太陽光線のようなゴールドのパターンがあちこちに使われているのは、ショーメのファンなら知っておきたいちょっとしたトリビアだ。
マリ=エティエンヌ・ニトはフランス王妃マリー・アントワネットの御用ジュエラーだった師のもと、ヴェルサイユの宮廷のために熱心に働いた。やがて皇帝ナポレオン1世に重用され、皇妃たちの御用達ジュエラーとなったのは有名なエピソード。250年近い歴史に育まれた美意識がジュエリーに息づいていると知ると、いっそうこのペンダントが特別なものに思えてくる。
メダイユの中心に配されたクロスモチーフは、誰かと誰かをしっかりと繋ぎ留めるステッチをモダンにデザインしたもの。どんな時も大切な誰かと繋がっていたい─「ジュ ドゥ リアン ハーモニー」は、そんな温かな気持ちを形にしたペンダントだ。
photography: Ayumu Yoshida styling: Tomoko Iijima text: Keiko Homma editing: Mami Aiko