時計とジュエリー、永遠のパートナーともなりうるこのふたつ。だからこそ、ブランドやそのモノの背景にあるストーリーに耳を傾けたい。いいモノこそ、いい物語があります。今回は、ブシュロンのジュエリーの話をお届けします。
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BOUCHERON
QUATRE DOUBLE WHITE
日本人の髪色に映えるオールホワイト。「キャトル」のほかのアイテムとのミックス&マッチもきれいに決まる。ヘアジュエリー「キャトル ダブルホワイトヘアリング」(WG×ホワイトセラミック×ダイヤモンド)¥6,864,000(予定価格)/ブシュロン(ブシュロン クライアントサービス)
髪をドラマティックに飾り立てる最先端のヘアジュエリー。
ブシュロンの最新作「キャトル ダブルホワイト」は、ホワイトゴールドとホワイトセラミック、そしてダイヤモンドを素材として、すべてを白でまとめたクリーンな印象のコレクション。白を基調としたことで、グラフィカルな美しさやモダンさがより際立っている。
なかでも注目したいのは、今回新たに加わったドラマティックなヘアジュエリー。「キャトル」のリングを重ねたような円筒形のフォルムで、ロングヘアをシンプルにまとめて視線を誘う。実用と装飾を兼ね、さらにジェンダーレスな楽しみ方もできる、ブシュロンらしい新感覚のクリエイションなのだ。
豊富なバリエーションが揃う人気コレクション「キャトル」は、2004年に誕生。キャトルとはフランス語で4を意味し、その名のとおり、メゾンを象徴する4つのシグネチャーコードを巧みにアレンジしたデザインになっている。うね織りのリボンを思わせる「グログラン」、光り輝く「ダイヤモンド」、パリの石畳を表現した「クルド パリ」、そして銀器のふち飾りや建築に使われる伝統的な装飾パターン「ゴドロン」。どれもメゾンのアーカイブピースやヒストリーからインスパイアされたアイコニックなコードだという。
4つのコードをさまざまに組み合わせ、多彩なゴールドやセラミックのカラーが揃う「キャトル」。新登場の「キャトル ダブルホワイト ヘアリング」はグログランのシングルモチーフを中心に配し、ホワイトセラミックのクル ド パリ モチーフをアクセントにした軽快なデザインが美しい。身に着ける人の後ろ姿にダイヤモンドが輝きを添え、スタイリッシュなヘアアレンジを可能にしてくれる。これまでにないタイプのジュエリーの登場だ。
1858年に創業したブシュロンは、どんな時代でも自由で大胆な精神を失わずに最高級のジュエリーを作り続けてきたパリのグランメゾン。ヴァンドーム広場26番地に佇む本店は、建物自体が歴史的な価値を持つ文化遺産だ。王侯貴族や文化人たちに愛されてきた伝統の美を継承するだけでなく、時に最先端のスタイルを取り入れて、ハイパーな革新的ジュエリーを生み出したりもするのがブシュロンの大きな魅力になっている。
クラシックなティアラから、このクールなヘアジュエリーまでが揃うブシュロンは、個性的でいることの大切さ、チャレンジすることの意味を、ジュエリーを通じて教えてくれているのかもしれない。
*「フィガロジャポン」2023年9月号より抜粋
photography: Ayumu Yoshida styling: Tomoko Iijima text: Keiko Homma editing: Mami Aiko